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インドネシア語新聞翻訳
2010年11月27日(土)
【レプブリカ紙】
ICMI、改革はマイナスの方に向かっていると発言
【ボゴール】
改革(訳注1)後のインドネシアの変化は、マイナスの方に向かっている。この発言はインドネシア・イスラーム教徒知識人協会(ICMI)(訳注2)の第五回大会運営委員のヒダヤット・シャリフ氏が、11月25日(木)にICMIの大会準備セミナーをボゴールで開いたときに行なったものだ。
「われわれは確かに改革後変わった。しかし、それは政治、経済、そして法においても崩壊の方向への変化だった。イスラーム教徒は沈滞状態にある」と同氏は語った。経済面でインドネシアはますます自由経済へ向かっており、大資本による近代市場が続々と現れ、庶民経済が追い落とされている。
マイナス傾向は法の分野でも見られる。法の確立はまだ頼りなく、最高の状態に至っていないと同氏は感じている。彼は懸念を感じている。なぜなら以前インドネシアは開発に成功した国として語られていたが、今は、かつてインドネシアから学んでいたマレーシア、シンガポール、ベトナムなどの国々をはじめとした他国と比較して、はるかに遅れをとっているからだ。ICMIのボゴール支部専門家委員会委員のフリ・スハラ氏も、ヒダヤット氏と同意見だ。彼はインドネシアで最も顕著に後退しているのは農業の分野だと指摘している。
後退しているのは国内の需要を充たす農産物の生産低下だけではない。「実は農業がインドネシアの国力となる基盤であるにもかかわらず、多くの大学で農学部は関心を持つ者が少なく閑散としている」と彼は語った。
一方、インドネシア・ウラマ評議会(MUI)の国際関係・協力部門の責任者であるムヒディン・ジュナイディ氏は、これらすべてはインドネシアが近代文明とされている西洋文明に影響されているために起きたことだと解明している。西洋文明は個人主義、自由主義、物質主義、そして快楽主義の傾向があると彼は考えている。
「この種の文明は、真理を決めるものは理性だとして、啓示を退け宗教の役割を軽視している」とムヒディン氏は説明した。また西洋文明は、物質主義的な愛国精神とナショナリズムを崇拝しており、それらの信奉者たちは現世的な快楽だけを求めている。
彼は、変化を起こすためには、インドネシア民族はイスラーム文明の特色を指針として採用すべきだと提案している。その中でも神の啓示を信徒の生活を律するうえでの最高の拠り所とし、理性を真理を決定する絶対的なものとせず相対的な位置におくことだ。
しかしながら、イスラーム文明を築くうえで乗り越えなければならない壁があることを彼は認めている。その壁とは、正規のあるいは非正規の指導者の冷淡さ、真実を確立する勇気を持たない知識人たち、そして間違った宗教の理解の結果信徒が陥っている泥沼状態だ。
清廉な指導者がいないという危機の他に、分裂が信徒の間の社会現象ともなっているとムヒディン氏は明言している。「このイスラーム文明の再興は、信徒の経済活性化を通じて始めねばならない」と彼は語った。
訳注
1) 改革: 1998年5月に独裁的であったスハルト政権が倒れ民主化への改革が進んだことを指す
2) インドネシア・イスラーム教徒知識人協会(ICMI): 1990年に当時のスハルト大統領の肝いりでイスラーム教徒の知識人を集めて設立された組織
(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so1011271hy)
原題:ICMI: Perubahan Mengarah Negatif
http://koran.republika.co.id/koran/14/123918/ICMI_Perubahan_Mengarah_Negatif
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