インドネシア語新聞翻訳
2010年11月17日(水)
【レプブリカ紙】


ムラピ山〔噴火〕がおさまり、避難民が故郷で犠牲祭

【マゲラン】
 ムラピ山の火山活動は徐々におさまり、避難民の中には、彼らの村や集落にあるモスクや礼拝堂で、〔例年通り〕犠牲祭(訳注1)の礼拝を行うことに不安を感じない者もでてきた。現地の取材によれば、水曜日(11月17日)朝に避難民数名が、マゲラン県地域のムラピ山斜面にある彼らの故郷で、犠牲祭の礼拝を行うことを決めたという。

 犠牲祭の礼拝を行った村には、サワンガン郡ウォノレロ村及びカプハン村ウォノギリ・ロル集落、そしてドゥクン郡ガルゴムルヨ村がある。ウォノギリ・ロル村では、住民はジャミッ・モスクで犠牲祭の礼拝を行った。それ以前、この村の住民はマゲラン市やムルトユダン市まで避難せざるをえなかった。しかし、ムラピ山の火山活動が徐々におさまってきたため、住民は、敢えて彼らの居住地域周辺で犠牲祭の礼拝を行うことにした。

 住民の一人であるショレーさん(30)によれば、モスクは火山灰の残骸でまだ汚れている状態ではあったが、犠牲祭の礼拝は、それでもやはり謹んで行われたという。この礼拝には、実際にまだ避難所に滞在している50名を下らない住民が参加した。彼は次のように付け加えた。彼らの出身の村周辺で犠牲祭の礼拝を行いたいという願いは、ムラピ山の火山活動がおさまってきたという報道の影響をかなり受けている。「ムラピ山の危険性は徐々におさまってきたそうで、我々は心配していない」

 一方、ドゥクン郡ガルゴムルヨ村の住民は、アル・マ・アリフ・モスクで犠牲祭の礼拝を行った。住民の祝宴料理が準備されたこの犠牲祭の礼拝に、この村の住民も謹んで参加した。祈りを捧げることで、ムラピ山の噴火の危険性からガルゴソコ村の住民を救った、アッラーの神に対する感謝の気持ちを表現し、この祝宴は祝われた。「確かに〔この犠牲祭の祝宴は〕慣習となっているが、その他にも重要なのは、この感謝の気持ちを表現することだ」と住民の一人であるロキムさん(22)は述べた。

 火砕流の噴出、灼熱の溶岩の流出、火山灰の雨を記録したここ暫くの間のムラピ山の激しい噴火のため、〔住民の〕大部分はムンティラン郡やマゲラン市の数ヵ所の避難所に避難した。一方、このマゲラン県ムルトユダン郡の〔現在避難所となっている〕食料調達公社501での犠牲祭の礼拝には、スルンブン郡、ムンティラン郡、ドゥクン郡出身の少なくとも2,000名の避難民が参加した。

 この避難所では、犠牲祭の礼拝が行われた後、〔捧げものとして〕犠牲となる動物の屠殺も行われた。この避難所の避難民コーディネーターによれば、この犠牲となった動物の〔生〕肉は、避難民たちに直接的には分配されない〔代わりに、調理するなどして人々に提供されることになる〕という。
【Red:irf, Rep:bowo記者】

訳注1) 犠牲祭: 毎年イスラーム暦の12月10日に行われる、メッカ巡礼の終わりを祝う祭りのことで、動物を犠牲にすることから犠牲祭と呼ばれる。したがって本記事においては、災害の犠牲者を悼む式典のことではない点に注意されたい。犠牲にした動物の肉は貧者に分け与えられる。インドネシアでは山羊が犠牲にされることが多い。

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so1011171kk)

原題:Merapi Mereda, Pengungsi Idul Adha di Kampung Halaman
http://www.republika.co.id/berita/breaking-news/nusantara/10/11/17/147178-merapi-mereda-pengungsi-idul-adha-di-kampung-halaman


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