インドネシア語新聞翻訳
2010年10月31日(日)
【レプブリカ紙】


ムラピ山に災害対策組織なし

【スレマン】
 ムラピ山(訳注1)を抱える地域の一つであるスレマン県地方政府が、まだ災害対策地方組織を持っていないことが明らかになった。政府が定めた2007年法律第24号で、各地方政府は独自の災害対策組織を作るよう指示されているにもかかわらずだ。

 国家防災庁(BNPB)の防備・警戒局次長のスゲン氏は、スレマン県に災害対策のための特別の地方組織がまだないことを遺憾としている。

 「地方政府は、災害に対応するための独自の組織を持つべきだ。地方政府の災害対策組織の結成は、法律ですでに定められているだけでなく、災害と災害後の影響を防ぐためのプログラム上極めて重要だ」と同氏は、10月31日(日)スレマンのパクム保健所で何人かの記者に対して述べた。

 国家防災庁(BNPB)が機能を最大限に発揮するためには、各地方に手足となる機関が必要だと同氏は述べた。BNPBがいくつかの方面から対応が遅いという印象を持たれているのは、各地方にBNPBをサポートする組織がないことと関係がないわけではない。「対応が遅くてもおかしくない。何と言ってもわれわれは地方の状態、現場、そして住民を知らないのだから。地方にわれわれの手足となる機関があれば、支援の手もずっと早く差し伸べることができる。なぜなら彼ら自身が現場を知っているのだから」と彼は述べた。

 災害対策に特化した組織が地方にないため、BNPBは当該地方政府の市民保護局と連携協力せざるを得ない。「われわれは様々な分野の機関に重複して支援を行なわざるを得ない。その中には消防も治安もある」と同氏は強調した。

 同氏によると、インドネシアで災害対策のための特別組織を持っている地方はようやく166箇所になったところだ。彼は、まだ災害対策組織をもっていない地方、特にスレマン県に対して直ちに[災害対策組織を作るための]準備委員会を結成し、ボランティアを募るよう忠告した。

 「手続きは簡単だ。準備委員会はその地方の政府内で作り、組織のメンバーは各災害地の住民にしたらいい。そうすれば、われわれが彼らに対して、災害の防止と探知に関して訓練を行なう、と彼は述べた。

 そうすることで、ムラピ山の爆発災害は犠牲者を最小限に抑えることができ、その対策も迅速に行なうことができる、と同氏は確信している。ムラピ山の悲劇がずっと以前から、すなわち2007年法律第24号が生まれる前から、続いているにもかかわらず、スレマン県地方政府がこの法律で定められたことを実現させる点で遅れていることを、彼は遺憾に思っている。「スレマン県は、災害対策組織結成に向けて迅速に対応すべきだ。われわれは喜んでそれを支援する。なぜならそれは災害対策計画を立てる上で、われわれの非常な助けとなるからだ」と彼は話を締めくくった。


訳注1)  ムラピ山: ジョグジャカルタ市の北方約30kmにある活火山(2968m)。古来噴火を繰り返しており、世界遺産ボルブドール遺跡も火山灰に埋まった状態で発見された。今年10月26日の噴火以来、断続的に噴火を繰り返しており、11月4日から5日にかけて大きな噴火を起こした。6日現在死者は110人以上、避難民は15万人を越えていると新聞では報道している。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so1010311hy)

原題:Merapi Tak Memiliki Badan Penanggulangan Bencana
http://www.republika.co.id/berita/breaking-news/nusantara/10/10/31/143569-merapi-tak-memiliki-badan-penanggulangan-bencana


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