インドネシア語新聞翻訳
2010年10月7日(木)
【レプブリカ紙】


伝道に関する地図が紛争を防ぐ

【ジャカルタ】
 インドネシア・ウラマ評議会(訳注1、以下MUI)は宗教生活の可能性を理解するために、伝道に関する全国的な地図を作成する。MUI伝道部門のアムルッラー・アーマッド議長は次のように述べた。この地図はインドネシアの信者間の関係における紛争の原因を把握する役割も持つ。

 重要な情報源となるため、伝道に関する地図を作成する上で政府が支援を行うことを、同議長は期待する。「後に、全ての人々、特に政策立案者たちがこの地図を持つことで、もっと早期に紛争を回避することが可能となる」水曜日(10月6日)にジャカルタで、ブディオノ副大統領との会見後に、同議長はそう述べた。

 同議長によれば、伝道に関する全国的な地図は、社会的、経済的、さらに政治的分野で情報を与え、宗教生活の教義についての内省を生み出すという。もちろん、信者間の関係についての内省をもだ。この地図の存在で、政府はイスラーム教徒間においても、異教徒間においても、紛争の原因を知ることができると確信されている。

 同議長によれば、ブディオノ副大統領は、信者の関係の安定を守るため、大変熱意を持ってこの地図の準備に応じているという。今後、このプログラムは統計局、宗教省と内務省を通じた連携により、作成可能となる。「この3機関が関わりを持ち、この地図の準備を支援する」

 副大統領のスポークスマンであるヨピー・ヒダヤット氏によれば、ブディオノ副大統領は次のように述べたという。伝道に関する地図は決定行為を容易にし、紛争を防ぐための努力の一環とされる。「MUIは数県でそれをすでに実行した」と同氏は述べた。したがって、やがては様々な地域の社会の人々の地図が、宗教に基づいて作成される。

 ヨピー氏は、その地図の作成により、祖国の全地域に存在する宗教分布が分かることになるとし、さらに付け加えた。このプログラムには2つの意図がある。つまり、伝道に関する意図とイスラーム教徒のモスクや礼拝堂の存在〔を知らせる〕意図であり、〔それにより、〕信者が受けるサービスはさらにスムーズになる。

 一方、MUI信者間融和部門の議長であるスラメット・エッフェンディ・ユスフ氏は、現在起こっている経済の格差が紛争多発の主原因である、と見なしている。「紛争が宗教人を巻き込んで、それを宗教の紛争として一般化すると問題だ」とスラメット氏は述べた。

 スラメット氏によれば、国家予算はいまだ最下層の人々にまで十分に行き渡っていないという。イスラーム信者はこの状況のあおりを受けている。同氏は、長い間住民の大多数がイスラーム教徒であった地域が、不動産〔業者の販売物件〕にされたことを例に挙げた。その後、新しい地域社会と礼拝堂が生まれた。

ハラル(訳注2)製品の規制
 同時期に、MUIのウマル・シハブ議長は、政府が直ちにハラル製品についての法律などの規制を作成するように期待する、と伝えた。このことはイスラーム教徒がハラルでない製品を消費しないように注意し、見守りたいというMUIの希望が背景となっている。

 この国の住民の大多数であるイスラーム教徒は、ハラル製品に関する法の保護を必要としている。ハラル製品についての法律が直ちに適用されないなら、イスラーム教徒が今後もハラルでない製品を口にすることを容認しているのと全く同じだ。

 ウマル議長によれば、政府が今後もなおそのようなことを容認する場合、全てはMUIの責任外であることを示すという。同議長がそのように述べるのには理由がある。MUIは、ハラル製品と社会の中でのハラル製品の存在を規制する規則の重要性についてしばしば提示してきた、とすでに〔政府に対して〕伝えていたからだ。
【ed:ferry kisihandi記者】

訳注
1) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
2) ハラル: イスラーム法によって許容されている行為、摂取物


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so1010071kk)

原題:Peta Dakwah Cegah Konflik
http://koran.republika.co.id/koran/14/120437/Peta_Dakwah_Cegah_Konflik


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