インドネシア語新聞翻訳
2010年9月24日(金)
【レプブリカ紙】


AQLセンターがコーランの意味を知らない者の撲滅に活躍

 インドネシアのイスラーム教徒がコーランについての真の理解をさらに深めるために、AQLセンター(ラーマン・コーラン学習センター)は、2年前からインドネシア各地を巡り、コーランの意味を学ぶ勉強会を開催している。その活動により、インドネシアのイスラーム教徒は、コーランの文字を読めないことからだけではなく、それ以上に意味を知らないことからも解放されることが期待される。

 「コーランの意味を学ぶ勉強会のメソッドにより、信者のコーランを適用する方法が決して宗教的儀礼に留まらず、機能的になることを我々は期待する。信者がコーランの文字を読めないことからだけでなく、意味を知らないことからもどのように解放されるべきか〔検討していくことを〕、我々は期待する」とAQLセンター幹部のバクティアル・ナシル師は、本紙に対して述べた。

 ゴントル・近代イスラーム寄宿塾と中東のある大学の卒業生で、「コーラン読誦の先生」と呼ばれることの方を好む同師は、コーランの意味を学ぶ勉強会が、信者が聖典に基づく文化を構築するための「向上心を高める場」となることを期待する。

 「私が言わんとすることは、コーランに基づく文化構築の判断基準とは、日常生活で、コーランで許容されていることを許容し、禁止されていることを禁止することだ」と同師は述べた。

 「インドネシアでのコーラン文化の構築」というビジョンを持つAQLセンターは、2009年1月9日に相当するイスラーム暦1429年1月1日にジャカルタで設立された。同師によれば、AQLセンターの任務は、イスラーム教徒が宗教的儀礼の面にも留意して機能的にコーランを適用する生活をするように、コーランの意味を知らない者の撲滅活動を行うことだという。また同師によれば、AQLセンターの任務は、インドネシア全国でコーランの文化を構築する活動企画者たちを輩出し、コーランとスンナ(訳注1)の解釈と実施に焦点を当てた諸機関を設立することだという。

 同師によれば、AQLセンター〔設立〕はある懸案事項に端を発していたという。後にアラビア語が苦手なインドネシア人に、コーランを容易に理解させるアイディアが出現した。既存の活動がいまだコーランの文字を読めない者の撲滅に限られていたため、その懸案事項が出現した。

 彼らはコーランを読むことができるのに、いまだ意味を知らないことが明らかになった。聖なる節の内容を理解しようとする信者の認識がきわめて乏しいことは、2つの側面から勘案することができる。第1には、ムスリムの専門家の〔方に問題があるという〕側面だ。〔まず、〕本文と文脈からわかる節の解釈の伝え方は、〔専門家〕自身の考え方や好み(欲望による解釈)に従いがちになる〔という問題がある〕。〔次に、〕世俗主義や自由主義的なアッラーの諸節の解釈、という現象が見られ〔、これも問題であ〕る。〔そしてまた、〕科学者や大学の研究者は、コーラン〔の内容〕を考慮し、解釈し、見解を表明するにあたり、コーランらしくない〔西洋近代科学に基づくような〕専門用語や方法論の方を好む〔という問題だ〕。(コーラン4章82節、47章24節、23章68節、38章29節)

 第2には、イスラーム教徒の〔方に問題があるという〕側面だ。イスラーム勉強会やモスクの信者仲間の間での無作為な調査によれば、翻訳されたコーランの読み物を完読したことがあるイスラーム教徒は約2パーセントにすぎないという。イスラームの本拠地で〔インドネシア〕最大のある県では、コーランを所有する住民はたったの12パーセントで、全ての住民が翻訳されたコーランを所有する訳ではない、という事実を同師も承知している。それどころか、宗教的な町として知られているある町では、高官レベルのコーラン朗誦コンテストが行われたあとで、コーランを読むことができた高官は12パーセントにすぎなかった。

 インドネシア・ウラマ評議会(訳注2)、伝道・信者開発委員会の中央理事は、インドネシアのほぼ50パーセントの地域に浸透するコーランの意味を学ぶ勉強会〔の存在〕で、コーランの法則を信者の生活様式にすることを決意した、と述べた。

 「我々が期待しているのは、どんな規定をもってしても対処や解決できない大きな諸問題に対し、コーランに処方箋や解決策を求めるという『向上心を高める場』であると、信者がこの勉強会を位置づけてくれることだ」と同師は述べた。著名人、企業家、高官からイスラーム知識人にいたるまでの多くの人々が、これまでAQLセンターによって行われてきたコーランの意味の勉強会の活動を有意義と感じてきた。ムハマディア(訳注3)中央指導部のディン・シャムスディン総裁は、AQLセンターの模範は楽しい、と述べた。

 チチ・トゥガル、アストゥリ・イヴォ、ネノ・ワリスマン、エクサンティ、エディーズ・アデッリア、さらに故エルナ・リッビー〔といった有名女性タレントたち〕も、AQLセンターのプログラムからイスラームやコーランの諸価値について多くのことを知った、と述べている。「コーランの意味の勉強会の利点は、コーランに基づいて宗教の諸価値を実践し、アッラーの恩恵を引き寄せる目的で日常生活にそれを適用することだ」と数ヶ月前からジルバッブ(訳注4)を着用しているアーティストのエディーズ・アデッリアは述べた。
【Damanhuri Zuhri. ed;heri ruslan記者】

訳注
1) スンナ: 預言者ムハマンドの行為が規範となったもの。行えば善行をなしたことになるが行わなくても罪にならない行為をも指す。
2) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
3) ムハマディア: 改革派イスラーム団体
4) ジルバッブ: 女性のイスラーム教徒が、人目に触れてはならないとされる頭髪や首、耳を覆うためにかぶるヴェール

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so1009241kk)

原題:Kiprah AQL Center Menghapus Buta Makna Alquran
http://koran.republika.co.id/koran/52/119578/Kiprah_AQL_Center_Menghapus_Buta_Makna_Alquran


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