インドネシア語新聞翻訳
2010年9月10日(金)
【デティック紙】


東京のルバランにクトゥパット・サユールはなくてはならない

【東京】
 ルバラン(訳注1)にクトゥパット・サユール(訳注2)はなくてはならない。驚くことなかれ、祖国インドネシアから遠く離れていても、日本、東京に在住しているインドネシア国民は、相変わらずクトゥパット・サユールをお気に入り料理としている。

 「イドゥル・フィトリ(訳注3)の礼拝後、インドネシアの人々はクトゥパット・サユールやサンバル・ゴレン(訳注4)〔などの〕ルバランの特別料理を通じて、インドネシア式の記念行事を迎えました」金曜日(2010年9月10日)に本紙が受けたプレスリリースにおいて、インドネシア大使館第3秘書役のジェーン・ルンカットさんはそう述べた。

 東京インドネシア共和国学校(SRIT)ビルの名でなじみ深い、バライ・インドネシアでのイドゥル・フィトリの礼拝に参加したインドネシア人の間に見られた、慎み深い宗教的義務やインドネシア独特のその親密な懇親会のニュアンスについて、同秘書役は述べた。

 日本新月観測委員会のイツバット会議(訳注5)の結果に基づき、イスラーム暦1431年10月1日は〔西暦〕2010年9月10日となった。イスラミックセンター・ジャパンで行われたそのイツバット会議には、日本のインドネシア・イスラーム教徒協会(略称KMII)を含む日本の全イスラーム組織が出席した。

 「バライ・インドネシアでのイドゥル・フィトリの礼拝は、東京以外からの来訪者も含めた出席者の収容に考慮し、2回に分けて開催されました。この2回のイドゥル・フィトリの礼拝は、大学生、学生、実習生あるいは研修生などのインドネシア人であふれていたようです。埼玉県、千葉県、静岡県からも訪れていました」と同秘書役は述べた。

 イドゥル・フィトリの礼拝後、全てのインドネシア人は、ハラルビハラル(訳注6)のオープン・ハウスに出席するために大使公邸に招待された。この行事は大使公邸の主であるムハンマド・ルトフィ大使とビアンチャ・アディヌゴロ・ルトフィ夫人にとって、初めての懇親会だった。

 「このルバランのハラルビハラルは、同時にその新しい〔在日〕インドネシア大使の紹介であり、全インドネシア人との家族的な結びつきと協力が開始されたしるしでもあります」と同秘書役は説明した。

 このハラルビハラルの行事の準備には、インドネシア特有の料理やその独特の雰囲気をかもしだすために、確かに特別な配慮がなされた。婦人会の女性たちが人々の助けを借りて取り組んだ。

 大使公邸を訪れた2,200名以上の人々も、特にクトゥパット・サユールやサンバル・ゴレン・アティを味わった際には、満足そうな表情を見せていた。「私はクトゥパットを本当に待っていました。これは日本で初めてのルバランです」とクラテン出身のある研修生は述べた。

 インドネシア人のほかに、日本人自身も含め、他国出身である数名の招待客も出席していた。「数名の日本人にはサンバル・ゴレン・アティの味は辛すぎましたが、その招待客たちはインドネシア料理も楽しんでいるようでした」と同秘書役は述べた。
【Mega Putra Ratya, ndr/vit記者】

訳注
1) ルバラン: イスラーム暦10月1日に行われる断食明けの大祭
2) クトゥパット・サユール: ルバランの祝い料理の一つ。クトゥパットは椰子の葉で編んだ籠の中にもち米を入れて数時間かけて蒸し上げたもの。このちまきのように固いクトゥパットを小さく切ったものと野菜(サユール)とを、ココナッツミルクの中でかき混ぜて食べる。日本で作る場合には椰子の葉がなかなか手に入らない。
3) イドゥル・フィトリ: 断食月明けの日、すなわちイスラーム暦10月1日
4) サンバル・ゴレン: サンバルという唐辛子、トマト、ニンニク、食塩などをすり合わせて作られた辛味調味料を炒めたもの。後述のサンバル・ゴレン・アティはルバランの祝い料理の一つで、アティは鶏や牛のレバーを意味する。
5) イツバット会議: 断食が始まるイスラーム暦9月1日および断食明けの10月1日を決めるための法定会議
6) ハラルビハラル: 断食月明けに、目上の者や親戚の家などを訪れ、互いに日常の失礼を詫びたり許しを請うこと。飲食を伴い、親睦の場としての意味も持つ。

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so1009105kk)

原題:Lebaran di Tokyo Tak Lengkap Tanpa Ketupat Sayur
http://us.detiknews.com/read/2010/09/10/181033/1438962/10/lebaran-di-tokyo-tak-lengkap-tanpa-ketupat-sayur?991102605


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