インドネシア語新聞翻訳
2010年8月25日(水)
【レプブリカ紙】


ラマダーン〔中〕の番組は改善されるべき

【ジャカルタ】
 インドネシア・ウラマ評議会(訳注1 以下MUI)はラマダーン(訳注2)の精神にそぐわないラマダーン月のいくつかの放送番組を見出した。MUIラマダーン・テレビ監視チームのシナンサリ・エチップ議長は、イスラームの価値にあまり合致しないと見なされるそれらの番組について述べた。

 同議長は次のように述べた。それらの中には、軽蔑、からかい、お互いの侮蔑、下品な罵詈雑言を吐くシーンや台詞の要素が含まれる。「特にそれは生放送のお笑い番組に見出される」火曜日(8月24日)にジャカルタのMUIビルで同議長は述べた。

 同議長によれば、監視はラマダーン初日から10日間行われたという。この監視は12のテレビ局、すなわちTVRI、TPI、RCTI、SCTV、ANTV、MetroTV、Indosiar、TransTV、Trans7、GlobalTV、TVOne、O Chanelに対して行われた。

 監視のプロセスにおいて、MUIは放送に関する法律、「放送活動指針および放送プログラム基準」、インドネシア放送委員会(KPI)〔の規定〕、MUIのファトワ(訳注3)に言及した。同議長によれば、監視された番組には、『ワヤン・オンステージ』や『フィエスタ・ブカ・プアサ〔断食明けパーティーを意味する〕』(ANTV)、『朝の話』(TPI)、『ミスター・オルガ』(RCTI)、『インボックス』(SCTV)があるという。

 このような現実に基づき、MUIはテレビ局が〔視聴率さえ取れればいいという〕ビジネス志向だけにならないように忠告する。彼らは国民の宗教教育的志向にも考慮することが期待される。MUIはラマダーン中の番組に関わるアーティストに対して、ラマダーンの神聖さに適応するように呼びかけた。

 「服装だけではなく、話し言葉や行動もだ」と同議長は述べた。しかしMUIは、放送する番組を通じてラマダーンを迎え、盛り上げ、色を添える上でのテレビ局経営者の熱意を一般的には賞賛する、と同議長は述べた。

 MUIが、建設的でためになる〔要素が〕満載である、と見なしているいくつかの番組がある。それらは『神様を求めて』(SCTV)や『〔クライッシュ・シハブ氏(訳注4)による〕コーランの解釈』(Metro TV)だ。それらはラマダーン月の精神的なひらめき、人生の励み、宗教的慰安、教育的情報といった視聴者の特別なニーズを満たしている。

 同議長はさらに述べた。MUIの批判はテレビ産業を廃止することが目的ではない。逆にその試みは、尊厳があり、有益なマス・メディアを構築するための貢献の一環だ。マス・メディアは戦略的パートナーとして社会の人々を悟らせ、知的水準を向上させる。

 「MUIは、彼らを潰そうとしている訳ではなく、彼らが健全で社会から受け入れられる番組を提供するように警告したいだけだ」と同議長は明言した。

社会の人々の権利
 MUIのイヒワン・サム事務総長は次のように述べた。MUIは通信情報省やインドネシア放送委員会(KPI)と提携し、テレビ番組を監視する。監視はラマダーン月に行われるだけではなく、後にラマダーン月以外にも行われる。

 インドネシアのイスラーム教徒代表者として、同事務総長は述べた。MUIによる監視は、テレビ局が現行の規定をどれだけ遵守しているかを制御するために行われる、積極的な試みの現れだ。「監視の背景には、宗教的義務の雰囲気を支持する番組を獲得しようとする社会の人々の権利がある」
【crl, ed:ferry kisihandi記者】

訳注
1) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
2) ラマダーン: イスラーム暦9月で、別名断食月。西暦2010年のラマダーンは8月11日から9月10日にあたる。
3) ファトワ: イスラーム法に基づく宗教学者の見解
4) クライッシ・シハブ: 有名なイスラーム宗教学者

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so1008251kk)

原題:Tayangan Ramadhan Perlu Perbaikan
http://koran.republika.co.id/koran/14/117893/Tayangan_Ramadhan_Perlu_Perbaikan


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