インドネシア語新聞翻訳
2010年5月6日(木)
【レプブリカ紙】


同性愛関係〔禁止〕のファトワの存在が期待される

【ジャカルタ】
 インドネシア・ウラマ評議会(訳注1)は、近日中に同性愛行為に対するハラム(訳注2)のファトワ(訳注3)を公表する計画だ。インドネシア・ウラマ評議会研究・開発委員会のアミルシャー・タンブナン秘書役は、これは特に大学生の間で同性愛関係にある青年の数が増加したことへの対処を目的としている、と述べた。

 同秘書役によれば、このファトワの公表には男性同性愛と女性同性愛の関係をハラル(訳注4)とする一部の関係者の見解に影響されないように、社会の人々を誘導する目的もあるという。「これは重要な方策だ」水曜日(5月5日)にジャカルタで、同秘書役はこう述べた。

 同秘書役は次のように述べた。集められたデータに基づくと、異常行為〔と位置づけられる〕同性愛は青年や大学生の間にすでに広がっている。それどころかインドネシア・ウラマ評議会は、ジャカルタ、ジョグジャカルタ、スラバヤで男性同性愛や女性同性愛の行為を行う大学生数千名が見出される〔というデータ〕を取得した。

 同秘書役によれば、このデータはいくつかの組織から集められ、インドネシア・ウラマ評議会はそのデータを再度確認しているところだ。非常に憂慮すべき状況であることは明らかだ。大学生の間で男性同性愛や女性同性愛の行為を行う者の数が多いことには、いくつかの原因があるという。

 一部の大学生の間で宗教に対する価値観が低下していることが、原因の一つになっているという。その他の原因には自由な交際、子供たちの指導や監視における家族の役割の低下、ポルノ映画が盛んに流通していること、法の確立がまだ十分ではないことがある。

 「家族が彼らの子供たちに対する監視レベルを高めることを、我々は期待する」とし、同秘書役はさらに付け加えた。法執行機関がポルノ映画の流通を完全に撲滅することも必要だ。同性関係を持つことや同性を好む行為は明らかにイスラームの教義に反するという。

 宗教心理学療法を通じて彼らがその行為を辞められるように支援することを、同秘書役は提案した。それは回復可能なことであり、彼らは元の生活に戻ることができると同秘書役は確信している。そうでなければ、そのような行為を行う大学生の数はさらに増加してしまうだろう。

 一方、インドネシア・イスラーム布教協会(DDII)のアディアン・フサイニ議長は次のように述べた。そのファトワの存在は確かに急を要する。現在は同性愛行為を問題としない傾向があるからだ。しかし、ファトワが包括的に策定されることを彼は期待する。

 つまり、インドネシア・ウラマ評議会は情報を提供してもらうために、医学や心理学の専門家を招くことができる。例えばその同性愛行為が遺伝子的や心理的にどのようなものなのかについて、インドネシア・ウラマ評議会は専門家からの意見を聞くことができる。現在その行為が正常であることを明らかにしている心理学者のグループが存在するからだ。
【bachrul ilmi, ed: ferry記者】


訳注
1) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
2) ハラム:イスラーム法によって禁止されている行為、摂取物
3) ファトワ: イスラーム法に基づく宗教学者の見解
4) ハラル: イスラーム法によって許容されている行為、摂取物

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so1005061kk)

原題:Diharapkan Ada Fatwa Homoseksual
http://koran.republika.co.id/koran/14/110372/Diharapkan_Ada_Fatwa_Homoseksual



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