インドネシア語新聞翻訳
2010年1月29日(金)
【レプブリカ紙】


宗教の役割を十分に発揮する

【ジャカルタ】
 宗教界の要人が社会生活の中で、宗教の役割を十分に発揮することを約束している。木曜日(1月28日)に発足したインドネシア異教間委員会(以下IRC)またはインドネシア異教間評議会という場〔の設定〕を通じて、この活動は実施される。

 インドネシアIRC創設の首唱者でもある、2010年インドネシアIRC幹部会のディン・シャムスディン議長は次のように述べた。これは宗教の役割を十分に発揮することを目的とし、インドネシアの宗教〔界〕の要人が集合する場だ。

 「この委員会は宗教の内部および異教間の問題を解決することを基本的な任務とし、将来に向けてインドネシアの発展に寄与する」と同議長は述べた。この委員会の発足は信者〔間〕の問題が多いことを背景としている。

 まして現在は、宗教が問題を解決する側ではなくむしろ引き起こす側になっているとし、同議長はさらに述べた。「我々は遺憾であり、以前のような宗教の役割、つまり問題解決者の足がかりとしての役割を取り戻すつもりだ」

 さらに同議長は述べた。異教間で紛争が起きたならば、インドネシアIRCは常に同じ立場に立つように努力するつもりだ。現在、異教間ではまだ多くの緊張が起こっている。これは信者が〔相手と〕同じ立場に立って円満に解決するための挑戦だ。

 一方、同議長は次のようにも述べている。将来行なわれるであろう問題解決のプロセスには、形式的あるいは体系的なシステムもない。一方、インドネシアIRCはインドネシアに存在する宗教評議会を後援する。

 〔その宗教評議会には〕インドネシア・ウラマ評議会(略称MUI、訳注1)、インドネシア司教協議会(KWI)、インドネシア教会連合(PGI)、インドネシア仏教徒協会(Walubi)などがあり、その設立も政府主導ではない。

 インドネシアIRCの顧問であるハシム・ムザディ氏は次のように述べた。現在も時には頭をもたげる異教間の問題は、〔お互いの信頼のもとに〕異教間で解決されるべきだ。しばしば現れる異教間の問題はバランスを失した社会活動が原因だ、と同顧問は見なしている。

 ナフダトゥル・ウラマ(訳注2)理事会(略称PBNU)総裁でもある同顧問は、宗教、法律、礼儀作法の〔相互の〕バランスが崩れているとし、さらに次のように述べた。マドゥラで災害が起きた際にキリスト教徒がサロン(訳注3)の支援をしたが断られた、というケース・スタディがある。

 同顧問によれば、この拒否は宗教の相違が原因だという。しかし〔イスラーム教徒〕自身から同じサロンが支援されると、被災者たちは喜んで受け入れた。これはバランスを失した社会活動だという。

 同顧問は次のように述べた。このケースから学ぶべき教訓がある。つまりインドネシアは宗教間の問題を解決できるならば、世界の模範となることができる。存在する問題も永遠の友好関係を築くように、バランスよく解決するべきだ。

 同顧問によれば、やがてインドネシアIRCは宗教に関する市民団体(LSM)や他の宗教組織などの宗教関係団体とも、手を携えるつもりだ。「最初の段階として、我々はもちろん宗教の諸会議に専念する」
【Prima Restri Ludfiani. ED:Ferry記者】


訳注
1) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
2) ナフダトゥル・ウラマ: インドネシアの伝統主義的イスラーム組織
3) サロン: 長方形の布を筒状に縫い合わせた腰衣。くるぶしまでの長さがあり、腰巻状に着用する

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so1001291kk)

原題:Peran Agama Dioptimalkan
http://koran.republika.co.id/koran/14/102727/Peran_Agama_Dioptimalkan



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