インドネシア語新聞翻訳
2009年8月30日(日)
【レプブリカ紙】


政府は安価な帰省用交通機関を用意

【ジャカルタ】
 ルバラン(訳注1)を迎えて、政府は安価な帰省用交通機関を用意した。ユスマン・シャフィ・ジャマル運輸大臣が29日(土)にオープニングを行った、スラバヤ−モジョクルト間の庶民の経済的交通手段である電気式ディーゼル列車(KDRE)アレク・スロクルト号も、その一つだ。

 運賃が3,500ルピア[約35円]のこの列車は、8月29日と30日の二日間試験運行が行われる。「試験運行の間は無料にする。一方、来るルバランの帰省の際の運賃は一人3,000ルピア[約30円]だけとなる」と運輸大臣は述べた。

 このほか、アスリル・シャフェイ鉄道交通局長によると、帰省する人々の需要を充たすため、通常の212本の列車のほかに追加として15本の列車がすでに用意されている。13本はジャカルタから出発し、他の2本はバンドゥンから出発する。

 この追加の列車には、現在はコミュニティ列車として知られるサプジャガト号(訳注2)も含まれている。コミュニティ列車はバイクによる帰省客に焦点を合わせている。「これはバイクで帰省する人の数を減らすためだ」と同交通局長は昨日ジャカルタで語った。列車の増発は、ルバランを挟んだ前後7日間にわたって行われる。もっとも、ビジネスクラスおよびエグゼクティブクラス用列車での車両の追加はない。

経済的
 運輸大臣は電気式ディーゼル列車(KRDE)が、経済的で民主的、かつ国民的な交通機関になることを期待している。「これは国民に対する、特に輸送交通分野における国の公約を体現するものだ。私はこの交通機関を発足させることが国民に役立つと期待する。少なくともモジョクルトとスラバヤの経済水準を上げることができる」と述べた。

 タンジュン・インドラワン鉄道局長によると、KRDEアレク・スロクルト号は、モジョクルト駅からスラバヤのグブン駅まで運行されるという。この列車は1000人の乗客を運ぶことができる。「この列車は10両編成で、それぞれの車輌の定員が100人だ」と彼は述べた。今年の帰省客のラッシュは昨年から 5.14% まで増えるだろうと予想されている。今年は鉄道の乗客数が322万5千人に達すると予想され、3百万人に過ぎなかった昨年から増加する。

 今年の帰省客のピークは9月19日に、帰省から戻る人のピークは9月26日になると考えられている。一方、エコノミークラスの切符の販売はルバランの一週間前にようやく始まる。他方、ジャカルタからジャワ島の各地へ向かう9月17, 18, 19日のエグゼクティブおよびビジネスクラス列車の切符はすでに売り切れている。

遅延
 ジャカルタ第一機関区のスグン・プリヨノ広報室長は、帰省客の流れが続いた時にしばしば起こる列車の遅れを最小限に止めたいと表明した。「われわれは各駅における乗客の乗降時間を短縮できるように努める」と昨日ジャカルタで語った。

 彼によると、これまで列車の遅れは、乗客の数が大きく増えたため、駅での列車の停車時間が延びることによって起きた。乗客の乗り降りに時間がかかったのだ。ジャカルタ第一機関区で列車を利用している乗客は81万3千人に達する。この数字は昨年の76万6千人と比較して増えている。「約 8〜9% 増えている」と同広報室長は語った。

 もし列車の停車時間が定められた時間よりも 5分余計にかかったとすると、次の駅に到着するまでに必要な時間も 5分増えることになる、と彼は付け加えた。「終点のスラバヤまで20以上の駅に停車するならなおさらだ」と彼は語った。つまり、計算すると遅れは1時間に達することもありうるのだ。「しかし、今年は遅れが出ないことをわれわれは期待している」と述べた。

 鉄道会社では、鉄道の全ての施設、特に信号システムと踏み切りを、既に点検済みだと彼は付け加えた。「これまで全て正常に機能しており、準備万端整っている」とスグン広報室長は述べた。彼によると、この諸施設の点検は、雨季になる可能性の高い、帰省の流れのピーク時を予期して、行われたものだ。「通常、雨になると踏み切りを通過するのが難しい」と同氏は述べた。また、ジャカルタ第一機関区ではダフ屋を取り締まることによってサービス向上を図る。「われわれは警察と協力してダフ屋の逮捕にあたる」と彼は述べた。

バス艦隊
 ルバランを迎えて、交通局では多くのバス艦隊をも用意した。例えば、ジョグジャカルタ特別州の交通局は、今年のルバランに帰省する人および帰省先から戻ってくる人を運ぶために、414台のバスの予備を用意した。「この予備のバス艦隊にはジョグジャカルタにある観光バスを徴用した。この艦隊は、ジョグジャカルタの交通局とジョグジャカルタ交通機関会社が用意したルバラン用艦隊が足りない場合の輸送機関として発動されるだろう」とジョグジャカルタ、ギワンガン・ターミナルの技術部門長イマヌディン・アジス氏は語った。

 彼によると、現在ジョグジャカルタでは、2009年のルバランの乗客を運ぶために少なくとも2,275台のバスが用意されている。このルバラン艦隊は899台の州間都市バスと922台の州内都市間バスと、400台の都市バス、それに48台のトランス・ジョグジャ艦隊からなる。


訳注
1) ルバラン: イスラーム暦10月1日に行われる断食明けの大祭
2) サプジャガト号: 普通の列車に乗り切れない乗客を乗せるための貨物列車で、貨車に敷物を敷いただけのもの。一般乗客用としては不向きなのでバイクによる帰省客に焦点をあわせている。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so0908301hy)

原題:Pemerintah Siapkan Angkutan Mudik Murah
http://www.republika.co.id/koran/14/72720/Pemerintah_Siapkan_Angkutan_Mudik_Murah



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