インドネシア語新聞翻訳
2009年4月22日(水)
【レプブリカ紙】


今や社会進出が進むインドネシアの女性イスラーム教徒

【ジャカルタ】
 インドネシアの女性イスラーム教徒は、様々な分野で多くの社会進出をとげていると考えられている。祖国(インドネシア)の女性イスラーム教徒の状況は、他のイスラーム諸国と比べると進んでいるとはいえ、まだ様々な問題に直面している。

 カルティニの日(訳注1)に因んで、インドネシアの2大イスラーム女性社会組織である、ナフダトゥル・ウラマ(訳注2)のファタヤット(訳注3)とアイシヤー(訳注4)はその見解を伝えた。ファタヤット最高指導部のマリア・ウルファ・アンショール総裁は、インドネシアの女性イスラーム教徒が社会にさらに進出するためには、まだ様々な問題があると述べた。

 同総裁によれば、その一つが政治の世界における問題だという。神学的には、コーランとハディ−ス(訳注5)は、女性が政治の世界に進出することを許可しているという。残念なことに、女性が政治に関わる機会は、寡頭制政党システムによりしばしば狭められてきた。

 「例えば、一つの政党の女性の総選挙立候補者は30%と規定されているが、その規定は政党によっては(多数決で)改定されている。これこそ女性の(社会進出の)機会を狭める男性優先や政党幹部の文化を示している」と同総裁は述べた。

 同総裁によれば、インドネシアの女性イスラーム教徒は、神学を実生活に適応させる能力を持つべきだという。「女性イスラーム教徒は、コーランとハディースで説かれている(イスラーム的)価値を再び勝ち取るべく闘い、そしてそれらを実践しようとするべきだ」と同総裁は明言した。ファタヤットは、女性イスラーム教徒の活性化の必要性を推進してきた。

 「また、さらに実用的で理論的な価値を、女性はしっかりと理解するべきだ」と同総裁はつぶやいた。これまでインドネシアで適用された性の平等は正当なものだと、ファタヤットは考えている。異性にダメージを与えることさえしなければ、女性は正当性を求める権利があるという。そのため、様々な分野で平等を求めて闘うべきだ。「しかし勿論、行き過ぎではない(差別ではない)区別はあるべきだ」

 別の機会に、アイシヤー中央指導部のトリアス・セティアワティ長官は、インドネシアの女性イスラーム教徒の状況は、改善されていると考えていることを述べた。祖国の多くの女性イスラーム教徒が、大学まで進学し、教育分野に進出していることがそれを実証している。

 実績においても、男性より優れている女性イスラーム教徒も多いという。「しかし社会へ進出する可能性はまだ低い。社会はまだ男性と女性を差別している。本来ならそうあるべきではない。女性も能力と実績に合わせた権利を持っている」インドネシアの女性イスラーム教徒は、宗教問題についてまだ認識不足だとも、同長官は考えている。「そのためイスラーム理解がレベルアップされるべきだが、道徳面では昨年より進歩している」

 ケルドゥン(訳注6)着用、イスラーム学習会、イスラームの書物を購入して読むこと、そして子育てへの関心などの文化の発展が、それを実証している。「勿論すでに発展してはいるが、さらにレベルアップされるべきだ」同長官によれば、女性イスラーム教徒には、知識の習得がさらに推進されるべきだという。

 現在、インドネシアの女性イスラーム教徒の文化は、まだ聞き役で受身だという。「大多数が読書や学習が好きではないが、その分野での可能性は高い」同長官によれば、インドネシアの女性イスラーム教徒は、両親、子供、家族その他の人々に対して、さらに上手に接することも要求されるという。

 女性イスラーム教徒は正直で、オープンに、数多くコミュニケーションをとるべきだともアイシヤーは考えている。「はっきりとオープンに話すことで、他人は我々の要求が分かるようになる」と同長官は述べた。このグローバルな時代に、女性イスラーム教徒は、言語と技術での能力も向上させるべきだという。「テレビからだけではなく、多くの参考資料も持つべきだ」

 ジョクジャカルタのムハマディア大学のユナハル・イルヤス教授は、女性と男性はそれぞれの役割を持つのだから、性の平等という意味の解釈では、真似することなく行き過ぎのないように、人々に対して求めた。

 女性に対する差別的な行為は、まさに人間の基本的人権に合致しない。しかし、すぐに全てが同じに扱われることを望まないように」ムハマディア中央指導部議長も兼任する同教授は「グルーバル時代の女性の役割」という或るセミナーにおいて、そのように述べた。女性は、家族にとっての妻と母としての役割を果たすという本質を忘れないように求められる。


訳注
1) カルティニの日: カルティニは19世紀末オランダ統治下のジャワで貴族として生まれた女性。女性の教育の必要性を主張し女子教育の私塾を開く。25歳で若くして亡くなったが、インドネシアにおける女性教育、民族主義運動の先駆者として誕生日の4月21日は記念行事が行われる。
2) ナフダトゥル・ウラマ: インドネシアの伝統主義的イスラーム組織
3) ファタヤット: ナフダトゥル・ウラマの若い女性から成る組織
4) アイシヤー: 改革派イスラーム団体ムハマディアの女性組織
5) ハディース: ムハンマドの言行録
6) ケルドゥン: イスラーム教徒の被り物


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0904221kk)

原題:Muslimah Indonesia Kini Lebih Maju
http://www.republika.co.id/koran/14/45548/Muslimah_Indonesia_Kini_Lebih_Maju



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