インドネシア語新聞翻訳
2009年4月3日(金)
【レプブリカ紙】


ハラルのラベルを貼られた製品に対する政府の監視は甘い

【バンドゥン】
 人々はノブタの肉が混入された牛でんぶや牛干し肉が流通していることに失望しており、ハラル製品(訳注1)特別編成チームを結成するという話が持ち上がるにまでになっている。この件に関し政府はもっと行動的であって欲しいと要請されている。

 インドネシア消費者協会(YLKI)フスナ・ザヒール会長も、政府による監視が足りないことが問題の根本だとして指弾している。本来なら日常的な監視が、特に地方政府によって、行われて然るべきところだと彼は語っている。と言うのは市場における製品の流通に最も大きな役割を担っているのは地方政府であるからだ。

 YLKIは商人から製品を回収し破棄処分にするだけでは不十分との見解で、フスナ会長は昨日「この問題は徹底的に究明すべきだ」と語った。

 ハラム(訳注2)な製品に対し、ハラルのラベルを貼るのは犯罪行為だと同会長は考えている。「そのような生産者を見つけたらなるべく重い刑に処すべきだ。彼らはだましているのだから。」

 インドネシア・ウラマ協議会(MUI)(訳注3)コリル・リドワン会長は、ハラルな製品の監視には世間の人々の役割も必要だと語っている。各市場における監視をしっかり行うために、イスラーム諸団体が特別編成チームを結成することも考えられると彼は語った。「ただし、その際に大切なのは自分たちが検察的な行為をしないことだ。」

 そのほかに、イスラーム教徒はハラール製品保障法の成立を急がせるべきだと同会長は述べている。そうすれば、政府は違反者を逮捕し、裁判にかけ、刑務所に送り込むことができる。多数派であるイスラーム教徒を護る必要があると彼は考えている。「シンガポールに負けてはならない」

 ムハマディア(訳注4)のユナハール・イリヤス議長は、政府がもっと積極的であってほしいと考えている。「この事態はきわめて憂慮すべきことで、しかも今に始まったことではない。事が起きてから動き出すのではだめだ」

 経済的負担がこの問題の一つになっていると同議長は語っている。より安いでんぶや干し肉を見ると、人々は先を争ってそれを買う。当然のことながら、人々は価格をシビアに見ているのだと彼は語った。

 「ムハンマドが言っておられるように、ハラルかハラムか疑わしいものは、ハラルであることが証明されるまで、とりあえずおいておくことだ。食べてしまってからハラムだと分かったのではまずい。イスラームの教師や指導者たちはこのことをよく説明すべきだ」と彼は語った。

 西ジャワ州アッハマド・ヘルヤワン知事は既に関係部署に対して、新旧の市場におけるハラルでないでんぶ/干し肉を一掃するよう指示を出した。バンドゥンの薬品・食品監視チームはすでにピアラ・マス、クパラ・サピ、999の3商標の偽装を見破っている。

 バンドゥンとボゴールの市場から採取したこの3商標のでんぶと干し肉のサンプルからは、ノブタ肉含有の陽性反応が出た。畜産局は引き続きチアンジュール、タシクマラヤ、チアミス、インドラマユ、およびバンドゥンの5県の市場からのサンプルの検査を行っていると同知事は述べた。

 中部ジャワ州MUIの薬品・食品調査研究チームの事務長アッハマド・イフユッディン氏は、いま騒がれているでんぶ/干し肉製品に対してハラル証明書をすでに発行したことを認めた。しかし、「ハラルであることを改めて証明すべきだ」と彼は語った。

 中部ジャワ州地方政府は、その製品がボヨリおよびサラティガからのものであるというニュースに接して行動を起こした。昨日、中部ジャワ州地方政府およびボヨリの畜産局は、アンペル郡およびボヨラリ郡の15社のでんぶと干し肉のサンプルを採取した。


訳注
1) ハラル: イスラーム法によって許容されている行為、摂取物
2) ハラム: イスラーム法によって禁止されている行為、摂取物
3) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者がさまざまな問題に対しイスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
4) ムハマディア: 改革派イスラーム団体


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so0904031hy)

原題:Pemerintah Lemah Awasi Produk Berlabel Halal
http://www.republika.co.id/koran/14/41836/Pemerintah_Lemah_Awasi_Produk_Berlabel_Halal



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