インドネシア語新聞翻訳
2009年3月24日(火)
【メディア・インドネシア紙】


現代のイスラーム大知識人チャッ・ヌル

【メダン】
 ヌルコリス・マジッド(通称チャッ・ヌル)(訳注1)は、現代のイスラーム大知識人の一人として知られている。北スマトラ州国立イスラーム(単科)大学のヌル・A・ファディル・ルビス教授によれば、チャッ・ヌルは、オーストラリアのモナッシュ大学のグレッグ・バートン政治学部教授により、今世紀のイスラーム大知識人と称されたという。

 「2005年8月29日のチャッ・ヌル逝去について言及した或る著述物の中で、グレッグ・バートン教授は、彼に対する評価を記述している」先週末にメダンで開かれた、ヌルコリス・マジッド生誕70周年を記念した全国セミナーにおいて、ファディル教授はこう述べた。その著述物の中で、チャッ・ヌルの思考と構想は非常に明解で系統だったものだと、バートン教授は見なしているという。

 またチャッ・ヌルのイスラームに関する見識はとても広く、イスラーム史をよく把握していたとバートン教授は考えている。チャッ・ヌルは人望が厚く、非常に気さくな人物としても知られていたという。「さらにチャッ・ヌルは本当に気高く神聖で、インドネシアのイスラーム史から考えても、恐らくイスラーム聖人と言い換えることができる人物だと、バートン教授は賞賛している」とファディル教授は述べた。

 こうした判断に基づき、チャッ・ヌルは現代のイスラーム大知識人と称された。ファディル教授はさらに次のように付け加えた。ヌルコリス・マジッドは、トルコのフェトゥルラー・グレンやイラン出身のショーロースなどの、現代イスラーム思想家に並ぶ人物だ。3者とも異なった理解や見解を表明し、信仰や信念の存在と重要さについて、この世界の各界の人々を啓発することに成功した、漸進的なイスラーム知識人と見なされている。

 ファディル教授によれば、輝かしくより豊かで平和な世の中の未来のために、その3者のイスラーム知識人の思想は大切な手掛かりになるという。「チャッ・ヌルの影響力や貢献は彼の死で決して終わる訳ではなく、むしろ発展の始まりだと、グレッグ・バートン教授は結論付けている」

 同時期に、ジャカルタのパラマディナ大学のユディ・ラティフ氏は次のように述べた。ヌルコリス・マジッドのイスラーム観、インドネシアの理想および改革運動の歴史等各プロジェクトの間には、強い結びつきがある。ヌルコリス・マジッドのイスラーム的メッセージの中核は、神以外の全てに絶対的なものはないことを強調している点だという。


訳注1)
ヌルコリス・マジッド: (1939-2005)イスラーム研究者でイスラーム知識人として知られる。


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0903242kk)

原題:Cak Nur Cendekiawan Besar Islam di Era Modern
http://www.republika.co.id/koran/14/39572/Cak_Nur_Cendekiawan_Besar_Islam_di_Era_Modern



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