インドネシア語新聞翻訳
2009年3月14日(土)
【レプブリカ紙】


ジルバッブ着用の女性警察官、共和国警察のイメージアップにつながる

【ジャカルタ】
 東ジャワ地方警察が採用する、イスラーム女性警察官にジルバッブ(訳注1)着用を許可する施策は、今もなお支持されている。インドネシアの2大イスラーム女性社会組織であるアイシヤー(訳注2)とナフダトゥル・ウラマ(訳注3)のファタヤット(訳注4)は、東ジャワ地方警察本部長のアントン・バールル・アラム警察准将による、イスラーム女性警察官にジルバッブ着用を許可する施策を支持している。

 ムハマディアの女性組織であるアイシヤー中央指導部の、トリアス・セティアワティ長官は、東ジャワ州地方警察署内における、イスラーム女性警察官のジルバッブ着用許可の決定は、宗教の自由の一つの進歩だと考えている。「これは、宗教の教えを行う上での国民の権利の尊重を意味する」と金曜日(3月13日)に本紙に対して、同長官は述べた。

 「これは他の地方でも手本にされるべきだ。他の地方警察は東ジャワ地方警察から学ぶべきだ。私は敬服する」とし、同長官はさらに付け加えた。この施策は各界から支持されるべきだ。同長官によれば、イスラーム女性警察官のジルバッブ着用の許可は、社会の目から見て、共和国警察のイメージアップにつながるという。「この施策を採用している国は、他にもたくさんある」

 同長官によれば、先般オーストラリアのメルボルンで、ジルバッブを着用した女性警察官に会う機会があったという。「彼女はオーストラリアで初めて、ジルバッブを着用した女性警察官だった。非イスラーム国でありながら、(ジルバッブ着用が)許可されているのはオーストラリアだけであり、(それなのに)ここで反対されるのなら、まさしく皮肉なことだ」

 一方、ナフダトゥル・ウラマのファタヤット中央指導部の、マリア・ウルファ・アンショール総裁も、イスラーム女性警察官にジルバッブ着用を許可する、東ジャワ地方警察の施策を支持している。「素晴らしい。各々の女性警察官に、宗教の義務を行う自由を与えていることになる」

 その東ジャワ地方警察本部長の試みは、基本的人権の尊重の現れだと、同総裁は付け加えた。その施策は、他の地域でも手本にされるに相応しいという。「他の地域が手本にすれば、非常に素晴らしい」ジルバッブを着用する施策は、書面で規定される必要はないと、同総裁は述べた。

 「宗教を行なう自由は、インドネシアの女性警察官を含む全ての国民に対して、憲法で規定されている」と同総裁は述べた。ジルバッブの問題は、個人の権利(の問題)だという。そのため、書面での規定がなされる必要はない。「女性警察官が確信すれば、すぐに行えばよい」

 一方、共和国警察指令本部の広報部副部長のスリストヨ・イシャック警察准将は、イスラーム女性警察官のジルバッブ着用許可に対する、支持や激励を受け入れると述べた。「警察の制服に関する独特の規定は既にある。女性イスラーム教徒の衣服の着用は、現在ナングロ・アチェ・ダルッサラム州で施行されたばかりだ」

 同副部長によれば、東ジャワ地方警察で採用される施策は奨励にすぎず、強制的なものではないため、他の地域ではまだ採用されない。「警察の制服の規定の変更は、いい加減に行うことはできない。メカニズムが必要だ」と同副部長は明言した。警察の制服の規定の変更には、慎重な検討と審査が必要だという。


訳注
1) ジルバッブ: 女性のイスラーム教徒が、人目に触れてはならないとされる頭髪や首、耳を覆うためにかぶるヴェール
2) アイシヤー: 改革派イスラーム団体ムハマディアの女性組織
3) ナフダトゥル・ウラマ: 伝統主義的イスラーム組織
4) ファタヤット: ナフダトゥル・ウラマの若い女性から成る組織


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0903141kk)

原題:Polwan Berjilbab Bisa Tingkatkan Citra Polri
http://www.republika.co.id/koran/14/37336/Polwan_Berjilbab_Bisa_Tingkatkan_Citra_Polri



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