インドネシア語新聞翻訳
2009年3月10日(火)
【レプブリカ紙】


ムハマディア、宗教担当大使館員の派遣を提案

【バンダール・ランプン】
 バンダール・ランプン(訳注1)で開かれたムハマディア(訳注2)の2009年提言会議は、8日(日)ユスフ・カラ副大統領によって閉会式が行われた。インドネシアで2番目に大きなイスラーム団体であるムハマディアの中央指導部は、年間の協議事項として国民、政治、総選挙、そして国際問題に関する構想とありかたについて一連の提言をまとめた。

 この提言の中でムハマディアは政府に対し、インドネシア人海外労働者が働いている国々のインドネシア大使館に宗教担当大使館員をおくよう強く要請した。アフマド・ダーランが1912年に創設したこの団体は、宗教担当大使館員をおくことが宗教教育のために非常に大切だと考えている。

 「海外のインドネシア労働者たちは宗教教育を非常に必要としているにもかかわらず、彼らにとってこれまで宗教問題を扱ってくれる機関がなかった」とムハマディアの中央指導部HA ロシャド・ショレー事務局長は9日(月)バンダール・ランプンで本紙に対して漏らした。

 同事務局長は、ムハマディアは海外で働くイスラーム教徒の宗教問題について考える義務があるとして、「宗教教育だけでなく、外国における彼らの信仰に対する保護についてもそうだ」と言明した。しかも、よく知られているように、インドネシア人海外労働者は国にとって外貨を稼ぐ英雄なのだ。

 2009年のムハマディア提言では、世界のイスラーム社会、特に西アジアの裕福な国々に対して、イスラーム教徒が大勢を占める国々における紛争と貧困の問題に取り組むための具体的な連帯網を構築することを訴えている。

 ムハマディアはまたインドネシア国内および全世界のイスラーム勢力に対し、団結と友好の絆の強化を呼びかけた。「パレスティナ、イラク、スーダンなどの抑圧されたイスラーム諸国およびイスラーム教徒との連帯と絆を強化しよう」と同事務局長は語った。

 そのほか、提言会議は来る2010年のムハマディア総会に提案する国際問題に関する決議を行ったと同事務局長は述べた。その一つは、より文明化され、二重基準を排し、対話を優先した、そして公平と平等の精神の下に各国の主権を互いに尊重し、全世界的な民主主義の原則を発展させうる、新しい世界秩序を構築するよう呼びかけることだ。

閉会
 4日間続いたムハマディアの提言会議は、8日(日)夕方、ユスフ・カラ副大統領によって閉会式が行われた。その挨拶の中で副大統領はインドネシア民族とイスラーム教徒は海外に対して立派な手本を示すべきだとして、それはインドネシアが自国民の問題は自国で解決できると海外から評価されることだと語った。

 「われわれは、紛争や経済問題など国内の諸問題を自国でうまく解決できることを、世界に対して手本として示さなければならない。しかし、われわれも又、他の国から多くをを学ぶ必要がある」と副大統領は述べた。

 この挨拶の中で副大統領はまた、ムハマディアに対して「ムハマディア無しには今日の私はなかっただろう」と礼を述べた。ユスフ・カラ副大統領はムハマディアの女性組織であるアイシヤーの南スラウェシ支部の活動家故アチラー女史に育てられた。一方、父親のカラ氏はナフダトゥル・ウラマ(注3)の人物だった。

 副大統領はインドネシア国民が常に「受け取る側」の国民になるのではなく、(与える側にもなる)バランスのとれた国民になることを希望している。インドネシアは発展の大きな可能性を持っているのだからと述べた。「このことを私はアメリカに言ったことがある。われわれはあなたに援助を要請するのではない。われわれがアメリカにどんな手助けができるかを考えていると話したのだ」とカラ副大統領は先日アメリカのジョー・バイデン副大統領と会談したときの話をした。

 一方、インドネシアの教育界は、ムハマディアの業績に大きく影響されていると副大統領は述べた。彼によると、インドネシアの教育の性格はムハマディアと密接な関係がある。なぜなら、教育大臣は通常ムハマディアの幹部生が就任するからだ。「これは2002年以来6年間にインドネシアの教育の質は50%上がったことで証明される」と副大統領は語った。


訳注
1) バンダール・ランプン: スマトラ島ランプン州の州都
2) ムハマディア: 改革派イスラーム団体
3) ナフダトゥル・ウラマ: 伝統主義的イスラーム組織


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so0903101hy)

原題:Muhammadiyah Usulkan Atase Agama
http://www.republika.co.id/koran/14/36235/Muhammadiyah_Usulkan_Atase_Agama



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