インドネシア語新聞翻訳
2009年2月21日(土)
【レプブリカ紙】


宗教学者:ポナリに関する現象は早急に解決されるべき

【ジャカルタ】
 東ジャワ州ジョンバン県の少年呪術医ポナリに関する現象(訳注1)は、宗教学者たちの間で悩みの種となっている。インドネシア・ウラマ評議会(訳注2)と、2つのインドネシア最大イスラーム社会組織であるムハマディア(訳注3)とナフダトゥル・ウラマ(訳注4)は、宗教学者、国の要人、そして現地の地方政府に対して、その問題解決のために協力するように注意を呼びかけた。

 インドネシア・ウラマ評議会のアミダン議長は、ポナリ少年呪術医に関する現象は、他の場所(地域)でも起こりやすい悪循環だと見なしている。「そのことは、知識、とりわけ宗教に対する知識不足や経済の押し付けが原因で起こった」と金曜日(2月20日)に同議長は本紙に対して述べた。

 同議長によれば、その現象は社会の人々の信仰(心)がまだ非常に低いために起こったのだという。「我々社会の中にはまだ未開発のことが多いため、無知、貧困が起こり、人々の思考力も劣ることになった。合理的な思考があまり身についていないことから、人々は悪循環の罠に落ちた」と同議長は述べた。

 アミダン議長はアッラー以外に他の力(神)の存在を信じる人々の態度に対して、非常に憂慮していると述べた。「これはアッラー以外の力(神)を崇拝すること、つまり多神教と見なされ、大きな罪だ」と同議長は述べた。インドネシア・ウラマ評議会は現地の宗教学者たちに対して、宗教知識を深めるように指導することにより、信者の意識を高められることを期待する。

 「不十分な宗教知識は深められるべきだ」と同議長は付け加えた。同評議会も国の要人に対して、社会の人々にアプローチし、もっと合理性を持つよう説得するように呼びかけた。法律面からも、そのことは子供を利用していることであり、子供に対する基本的権利と保護の違反に相当すると同議長は述べた。

 ナフダトゥル・ウラマ伝道組織のヌリル・フダ代表は、政府に対して、本当の意味で国民志向の健康サービスを供給するように要請した。健康サービスを受けるのが難しいため、人々は代替の治療を求めるのだと同代表は述べた。同組織はポナリに関する現象は人々のイスラーム性が不十分なことから起きたと見なしている。「この問題は各界から注目されるべきだ」

 ムハマディア中央指導部長のハエダル・ナシル氏は、ポナリに関する現象は人々が社会的に病気を患っているために起きた、反社会的な問題だと述べた。同氏によれば、そのことは心理的な側面の影響を受けているという。「彼らは社会的な抑鬱や様々な生活の抑圧を経験し、それらをコントロールできない。その結果、彼らは奇妙な行動をとり、医者に行くのではなく、呪術医のところへ行くのだ」と同氏はポツリと述べた。

 同氏は続けた。その他の側面としては、神学および社会学的な問題が挙げられる。「このことは貧しい人たちの社会逃避でもある。彼らはたくさんの重荷を背負っているので、近道を探し求めるのだ」同氏によれば、この問題に取り組むために、宗教の要人や宗教的な諸活動が重要な役割を持つという。「宗教は精神的な問題だけでなく、合理性の問題についても教える」


訳注
1) 少年呪術医ポナリに関する現象: 治癒能力があるとされる少年ポナリが運営する診療所には、毎日数千人もの患者が訪れていた。そのうち数名の死者がでていたという。
2) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
3) ムハマディア: 改革派イスラーム団体
4) ナフダトゥル・ウラマ: インドネシアの伝統主義的イスラーム組織


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0902211kk)

原題:Ulama: Fenomena Ponari Harus Segera Diatasi
http://www.republika.co.id/koran/14/32888/Ulama_Fenomena_Ponari_Harus_Segera_Diatasi



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