インドネシア語新聞翻訳
2008年12月7日(日)


インドネシアのメッカ巡礼団、アラファでウクーフの準備

巡礼者は単独行動しないよう要請される

【メッカ】
 インドネシア全巡礼団約21万人は、土曜日(12月6日)の正午より、アルミナ地域(アラファ、ムズダリファー、そしてミナ)でクライマックスとなる巡礼活動を行うために、アラファの平原に移動した。

 昨晩までに、ほぼ全てのインドネシア巡礼団がウクーフ(訳注1)のために、アラファの平原に到着している。ムハマド・マフトゥー・バシュニ宗教大臣は巡礼者たちに単独行動しないように要請した。「チームと一緒にいなければならず、特に女性たちを一人にしないように。アラファではテントの形が全て同じなので、道に迷う可能性が非常に高い」と大臣は昨日述べた。

 同大臣は巡礼者たちに対し、アラファにいる間はアッラーに多くの祈りを捧げ、大いに神を讃える章句を唱え、許しを請うように呼びかけた。「そして故郷にいる家族が豊かで平和であるようにと祈ることも忘れないように」とし、さらに次のように付け加えた。

 今年の交通手段に関する主な課題は、マスジディル・ハラーム(訳注2)へと向う道が非常に混雑することだ。「これが問題だ。そのためアラファ到着後、マスジディル・ハラームにいる全巡礼者に対し、礼拝後すぐには帰らないことを勧める(訳注3)。他の人たちが出て行く間、30分か1時間はアッラーを讃える章句を唱えるように」と同大臣は述べた。

 同大臣によれば、他の人たちが出て行った後であれば、車が駐車できるようになるという。同時に出て行くと、混雑が引き起こされる。「できることなら、1時間辛抱するのが最も良い。マスジディル・ハラームへ向かう道の混雑具合によって、バスの所要時間も決まるからだ」と同大臣は付け加えた。

 ウクーフに関連して、サウジ・アラビアのメッカ巡礼主催幹部(以下PPIH)は、ムアッササー(訳注4)やナカバー(サウジ・アラビア交通機関の企業連合)と協力するアルミナ地域での活動団を結成した。「PPIHはそれ以外に、巡礼者がウクーフと(ムズダリファーでの)宿泊、石投げ儀礼などアルミナ地域での一連の活動を行う間に必要となる交通手段、野営、食事にいたるまで、全て許可を出した」とPPIHのヌルサマッド・カンバ代表は述べた。

【テントの場所】
 インドネシアのメッカ巡礼団は、全ての宿泊所のためのテントの場所をラブワトゥル・ヒンディに確保した。一方、インドネシア巡礼本部のテントは、シャレ・シッティンとなった。一方、ミナでは、巡礼者のためにハラトゥリリサンに61の宿泊所、ミナ・ジャディッドに9の宿泊所が確保された。

 同代表によれば、アルミナ地域の交通機関には、昨年の巡礼で行われたようなシャトルバス・システムが、同様に利用される予定だという。特にアルミナ地域滞在時、とりわけ石投げの儀礼時の巡礼者に対する安全対策のために、ムルシッド・マクタブという組織との提携が行われた。この組織は、サウジ・アラビアの巡礼省が出した、石投げの儀礼の計画を守るように、巡礼者に対してその手順を指導する予定だ。

病人の巡礼者の搬送に関して、同代表は次のように述べた。救急車19台と小型バス4台が準備され、70人の病人の搬送が可能だ。3台の大型バスも準備され、座ることが可能な病人を130人まで乗せることができる。

 土曜日(12月6日)までに、インドネシアのメッカ巡礼者21万人がサウジ・アラビアに到着した。フライト・グループは496に分かれ、一般ツアー巡礼者1万7千人と特別ツアー巡礼者865人が含まれる。金曜日の昼までに手当を受けた巡礼者は、メッカのインドネシア巡礼医療所(略称BPHI)では111人、一方サウジ・アラビア病院では60人に達した。

【準備】
 金曜日の晩(西部インドネシア時間《訳注5》の土曜未明)以来、ウクーフを行う予定の巡礼者数百万人を運ぶ大型バスを準備する様子が見られた。

 マスジディル・ハラームから7-8kmの距離の第11運営地域に属すザヒール地区の第68宿泊所では、イラク、トルコそしてインドなどの他の諸国からの巡礼予定者が巡礼服を着て、準備をしていた。

 メッカ運営地域長のザイナル・アビディン・スピ氏は、正午の礼拝後、最初の巡礼団がアラファに向けて出発する予定であることを確認した。

 「我々の計画では、インドネシアの最初の巡礼予定者の団体は、正午の礼拝後に出発する予定だ」


訳注
1) ウクーフ: メッカ巡礼のなかでイスラーム暦12月9日にアラファで、罪を悔い改めて神に祈りを捧げる儀礼。その後、記事にあるように悪魔の石柱への石投げ等の儀礼をし、動物の供犠(詳しくは2008年12月翻訳のso0812071hyの記事を参照)を行う。
2) マスジディル・ハラーム: 聖地メッカの聖モスク。その中にイスラームの聖殿であるカアバがある。巡礼者は、カアバの周りを反時計回りに7周するタワーフと呼ばれる儀礼を行う。
3) この文章は内容に不明確な部分があるが、原文通りに翻訳してある。
4) ムアッササー: メッカ巡礼主催組織の一つ
5) 西武インドネシア時間: インドネシア時間は、西部インドネシア時間(日本時間−2時間)、中部インドネシア時間(日本時間−1時間)、東部インドネシア時間(日本時間と同じ)に分かれている。首都ジャカルタは、このうち西部インドネシア時間に属す。


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0812072kk)

原題:Jamaah Haji Indonesia Siap Wukuf di Arafah
http://www.republika.co.id/koran/14/18834.html



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