インドネシア語新聞翻訳
2008年11月21日(金)


預言者を侮辱する者を逮捕せよ

【ジョグジャカルタ】
 政府は、http:lapotuak.wordpress.comのブログ作成者と、そこに預言者を侮辱する動画や風刺画を描いた人物を逮捕し、現行の法に従って処分するよう、強く迫られている。11月20日(木)現在、警察による彼らの追跡は難航している。

 国民協議会議長ヒダヤット・ヌル・ワヒド氏は、当局がその犯人が二度と同じことをしないよう、できるだけ重い処罰を下して欲しいと要請している。しかし、同時に彼はイスラーム教徒が批判的な目を持ち、容易に挑発されないことを希望している。2009年の総選挙が近づいている時でもあるので特にそう望まれる。

 「侮辱的な風刺画の掲載は、反イスラームあるいはイスラーム教徒の内部分裂を図る人たちによって行われている」とヒダヤット氏は昨日ジョグジャカルタで述べた。

 ムハマディア(訳注1)の議長ディン・シャムスディン氏もこの風刺画の掲載は、挑発を試みているとの見解だ。目的はイスラーム教徒がその挑発に乗せられ、感情的になって怒りをあらわにすることだ。そのため、この問題が冷静に対処されることを要請している。

 「対処としてふさわしいのは、抗議の手を緩めないことだ。たかがこのような風刺画や動画で、預言者ムハマンドの権威や崇高さが損なわれることは全くないと確信している」とディン氏は昨日ムハマディアの本部事務所で語った。この漫画はイスラーム教徒の内部分裂を目的としており、それは他の宗教のシンボルの使用していることからも見てとれるとディン氏は語った。

 バンドゥンのイスラーム協会(訳注2)地方支部役員会議長アンワルディン氏は、政府が、いくつかの銀行が資金不足に陥っているとの噂を載せた電子メールが広がるのを押さえたときのように、迅速な措置をとることを希望している。

 北スマトラ州のアルワシリヤー(訳注3)議長ニザール・サリフ氏はこのようなことが繰り返されないために警察がこの件を放置しないようにと望んでいる。「警察はこのブログの作成者が逮捕され、裁きを受けるまで追跡すべきだ」彼は昨日メダンでこう語った。

 インドネシア・ヒズブット・タフリル(訳注4)のスポークスマン、ムハマド・イスマイル・ユサント氏は、この風刺画の作成者はプロ級と思われると感想を述べている。彼はイスラーム教徒が力を合わせて預言者を侮辱するブログとサイトを阻止するよう要請している。

 インドネシア・ウラマ評議会(MUI、訳注5)議長マルフ・アミン氏は、この風刺画を容認することはできず、政府は作成者を見つけ出し裁判にかけるべきだとして「できるだけ早い措置をとるべきだ。MUIはこの行為を強く非難する」と強い口調で語った。

 インドネシア警察本部広報部長のアブバカール・ナタプラウィラ次官は、「サーバーが国外にある。それが警察にとってネックだ」として、このブログの作成者を追跡するのにまだ苦労していると語った。しかしその国名を出すのは拒んだ。

 しかし、アブバカール氏は仮にこの風刺画の掲載にインドネシア人が関与していることが明らかになれば、捜査に乗り出すと約束した。「このブログを作成したことがはっきりした場合には、宗教の冒涜に関する刑法の156章Aに抵触することになり、最高5年の禁固刑になる」と語った。

 一方、タシクマラヤのMUIは、この侮辱的なブログへのアクセスの状況を知るために同地で数箇所のネットカフェを訪れた。しかし、ネットカフェの利用者の全てがそのブログにはもうアクセスできないと述べた。タシクマラヤMUIのスポークスマン、ドゥドゥ・ローマン氏は、そのブログがブロックされたことは喜ばしいと述べた。


訳注
1) ムハマディア: 改革派イスラーム団体
2) イスラーム協会: 1923年バンドゥンで設立されたイスラームの団体。教育と宣教に重点を置く。
3) アルワシリヤー: スマトラを本拠とするイスラーム団体
4) ヒズブット・タフリル: 国際的なイスラーム政治運動組織。世界をひとつのイスラーム国家にするという目的を持ち、過激派とみなされている。インドネシアには1980年代に入ってきたと言われる。
5) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者がさまざまな問題に対して、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so0811211hy)

原題:Tangkap Penghina Nabi
http://www.republika.co.id/koran/14/15440.html



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