インドネシア語新聞翻訳
2008年11月14日(金)


スナック菓子とハラル性

主食材や食品添加物に、深刻なハラム(訳注1)問題がある可能性

 スナックは、主食として作られるのではない食品で、食事時間以外に出され、消費される。このカテゴリーに入るものには、クルプッ(訳注2)、クリピッ(訳注3)、ビスケット、チキ(訳注4)などの加熱成型食品、そして豆類がある。

 スナックを作るのに使われる食材は、食品の種類により異なる。例えば加熱成型食品は、トウモロコシ・米などの食材から作られることが多い。クリピッやクルプッは通常ジャガイモから作られるが、クルプッ食品には粉末、クリピッ類にはスライスが使われる。主食材以外に、食品添加物もスナックの製造に使われる。スナック製造の食品添加物には、うま味調味料、調味料、乳化剤などがある。

 スナックの製造に使われる食材については、警戒すべきこととして、使われている主食材や食品添加物に、深刻なハラム問題が含まれている可能性がある。例えば主食材では、ジャガイモのクルプッを製造するために使われるポテト・フレークがあげられる。ここで注目すべきは、ポテト・フレークを作る過程で、乳化剤を使用している可能性があることだ。

 一方、他の食材で問題とされるべきなのは、調味料、うま味調味料、凝結防止剤、そして製造過程で使われる油脂だ。スナックの調味料は、一般的に砂糖、塩、うま味調味料、そして調味料、凝結防止剤を混ぜたものから成る。前述のように、うま味調味料、調味料そして凝結防止剤は、ハラル(訳注5)性をチェックすべき食材だ。

 スナックの製造には加熱成型、または食材をスライスするだけという製法があるが、スナックの種類により多様である。例えばジャガイモや芋類のクルプッは、製造の過程でまず製粉、ペースト状にした後に成形、そして油で揚げられる。それから冷ました後に、調味料が加えられる。

 市場に出回るスナックはとても数が多く、製造者は家内工場から大企業まである。さらにいくつかのスーパーマーケットもスーパーの商標(ハウス・ブランド)で、多くのスナックを製造し始めている。インドネシア・ウラマ評議会(訳注6)の食品・薬品・化粧品検査機関(以下LP POM MUI)、ハラル・ジャーナルが何度か行った調査結果によると、ハラル証明書無しにハラル・ラベルを添付している軽食品が非常に多いことがわかる。このことは確かにハラルラベルを添付するには、LP POM MUIの検査に合格しなければならないという、規定に違反している。

 現在の市場では、スナックを含む輸入食品も多く、イスラーム教徒の消費者にとっては警戒すべきことだ。その食品がインドネシア市場で違法か否かという許可の問題以外に、ハラル性の問題もあることが分かったからだ。イスラーム教徒の消費者は、何を消費するかということに警戒すべきだ。正式なハラル・ラベルがあることが、選ぶ時の主な手がかりとなる。まずはパッケージに記載されている原材料を読み、安全でハラルな食品を選ぶことだ。


訳注
1) ハラム: イスラーム法によって禁止されている行為、摂取物
2) クルプッ: エビや魚などを潰したものをペースト状の粉類に混ぜ、成形し乾燥させて揚げたもの
3) クリピッ: 芋類を薄くスライスして揚げたもの
4) チキ: 小さいボール型の子供向けスナック菓子の商品名
5) ハラル: イスラーム法によって許容されている行為、摂取物
6) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0811142kk)

原題:Snack Food dan Kehalalannya
http://www.republika.co.id/koran/52/13968.html



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