インドネシア語新聞翻訳
2008年11月1日(土)


メッカ巡礼の準備100%完了

【ジャカルタ】
 インドネシアのメッカ巡礼団(訳注1)は、11月5日から聖地を目指して出発する予定だ。宗教省によると、インドネシアおよびサウジアラビアでの準備は、ほぼ100%整っている。

 「11のフライト・グループ(訳注2)を出発させる体勢がすでにできている。彼らはハジ会館で一晩泊まってから出発する」と宗教省のメッカ巡礼実施局長のスラメット・リヤント氏は、10月31日(金)ジャカルタで述べた。  巡礼団の必要書類、健康診断などインドネシア国内での準備はすべて終わった。「残っているのは、出発時の搭乗口での最終検査と、フライト・スケジュール、それにフライト・グループと担当者の準備だ」

 メッカ巡礼の担当者は、先方で巡礼団の到着を迎えるためにすでに聖地へ出発しているとスラメット氏は語った。「巡礼団の宿泊施設、交通手段、食事手配もすでに準備ができている」まだ残っている問題は、メッカ巡礼団用の特別のパスポートとビザだ。

 宗教省では聖地に巡礼団の宿泊施設用として565棟の建物を既に用意している。「それぞれの建物に平均して350人が泊まれる」と宗教省のメッカ巡礼実施財務・情報局長のアブドゥル・ゴーフル・ジャワヒール氏は述べた。

 ゴーフル氏は、マスジディル・ハラーム(訳注3)から1400m弱の近い宿泊所には巡礼団のわずか18.7%しか泊まれないことに理解を示して欲しいと要請した。他の81.3%はマスジディル・ハラームから遠い宿泊所に泊まることになる。これはマスジディル・ハラームの拡張に伴うものだ。

 「各礼拝時に宿泊所からマスジディル・ハラームへの移動のため、620台のバスを用意している。これらのバスは11箇所のターミナルに配置され、マスジディル・ハラーム周辺、スライマニヤー、アル・ジヤドの3ヶ所の停留所に向かうものとジャルワルに向かうものとある」ゴーフル氏は語った。

 マスジディル・ハラームへの距離が遠くなったのに伴い、宗教省では保健職員を25名増員したとスラメット・リヤント氏は語った。「バスを用意しているが、これまでどおり徒歩で行き、疲労する巡礼者が多く出ることも予想しておかなければならない。特に巡礼者の多くは高齢者なのだから」

 マスジディル・ハラームを36万平方km拡張するために、すでに1000軒以上のホテルが取り壊されている。セン市場経由など、これまで通っていた道もすでに取り壊されている。このためマスジディル・ハラームへ行く巡礼者は、回り道をしなければならない。

 「この回り道はメッカ巡礼者にとって問題となっている。注意していないと迷ってしまう恐れがある」とスラメット氏は語った。

 この状態を切り抜けるため、2つの部門を増やしたとスラメット氏は語った。交通部門と、道に迷った人を世話する部門だ。アジジヤーに宿泊している巡礼者は青色、ジャファリヤーに宿泊している巡礼者は黄色など、巡礼者は宿泊所まで色を使って誘導されることになるだろう。


訳注
1) メッカ巡礼: メッカ巡礼は、大巡礼・小巡礼に分けられる。前者はハジと呼ばれ、イスラーム教徒の義務である五行の1つであり、一年のうち特定の期間(イスラーム暦の12月上旬から中旬)に行われる。大巡礼を果たした男性は、名前の前にハジ、女性はハジャという称号をつける。一方、小巡礼はウムロと呼ばれ、ハジの期間以外いつでも行うことが可能。この記事でのメッカ巡礼は、大巡礼を指している。
2) フライトグループ: メッカ巡礼に行く際、出発地域ごとに結成されるグループ。出発地域に加え、それぞれのグループに番号がつけられる。グループごとに人数の差があり、100人程度のものから数百人に及ぶものもある。それぞれのグループに医師等の役員が同行する。
3) マスジディル・ハラーム: 聖地メッカの聖モスク。その中にイスラームの聖殿であるカアバがある。巡礼者は、カアバの周りを反時計回りに7周するタワーフと呼ばれる儀式を行う。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so0811011hy)

原題:Persiapan Haji Hampir 100 Persen
http://www.republika.co.id/koran/14/11160.html



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