インドネシア語新聞翻訳
2008年10月10日(金)


宗教大臣:巡礼者は常に制服を着用するように

 イスラーム暦(訳注1)1429年(西暦2008年)の巡礼(訳注2)では、メッカでのインドネシア人巡礼者用の宿泊施設は、マスジディル・ハラーム(訳注3)までの距離が、昨年と比較してさらに遠くなる。そのためムハンマド・マフトゥー・バシュニ宗教大臣は、この地域で道に迷った場合にすぐにわかるよう、巡礼者に対して常に巡礼用の制服を着用するように、呼びかけた。

 「モスクまでの距離が遠いことを考慮して、道に迷ってもわかるように、巡礼者は巡礼用の制服を着用して下さい」巡礼メディアセンターの記述にもあるように、土曜日(9月27日)夕方にスカルノ・ハッタ空港の記者会見で、マフトゥー宗教大臣はこのように述べた。同大臣はイスラーム暦1429年の巡礼準備視察のためサウジ・アラビアを訪問しており、その帰国後の会見でのことだった。

 同大臣は次のように述べた。マスジディル・ハラームから最も遠い宿泊施設までの距離は、およそ8kmだ。「最も遠い施設は15km離れているという人がいるが、それは間違いだ」

 しかし、政府は、マスジディル・ハラームまでの距離が1.4km以上ある宿泊施設を利用する巡礼予定者には、マスジディル・ハラームまでのバスが準備されているので、あまり心配しないように求めた。同大臣によれば、インドネシアの巡礼者には、宿泊施設からマスジディル・ハラームまでの、620台の往復送迎バスが準備されているという。

 さらに政府は、この交通輸送問題に取り組むための特別チームを作った。「交通輸送は効率的に行われることだろう。今年は交通輸送部門の地域運営委員が、各地域に特別に組織され、交通輸送問題に取り組む数々の特別活動部門もあるからだ」と同大臣は述べた。

 同大臣はさらに付け加えた。マスジディル・ハラーム地域外に11の停留所、マスジディル・ハラーム付近に3つの停留所を設けた。「後にマスジディル・ハラーム付近の3つの停留所に係員のための詰め所、さらに疲れを感じた人や高齢の巡礼者が、バスを待ちながら休憩できる待合所も設ける予定だ」

 同大臣によれば、メッカの宿泊施設の問題とは別に、ジェッダ、メディナなどの地域では、この町に立ち寄る巡礼者にサービスする準備が行われているという。「ジェッダでは、そこに寄って帰国する巡礼者13万人にサービスするための、5つのホテルが確保されている」と同大臣は述べた。

 ところで、メディナでもサービスの準備が行われており、政府はこの町での巡礼者サービスのため、7つのグループを指定した。巡礼者たちはこの預言者の町で、ムハンマドとその教友たち(訳注4)の墓を訪れる以外に、いつものように、ナバウィ・モスクで集団で40回途切れることなく行う、アルバインの宗教的義務(訳注5)も行う。



訳注
1) イスラーム暦: ヒジュラ暦とも言う。預言者ムハマンドがメッカからメディナに移住した622年を紀元とする。月の運行を基本とする太陰暦で1年が太陽暦より11日短い。
2) メッカ巡礼: メッカ巡礼は、大巡礼・小巡礼に分けられる。前者はハジと呼ばれ、イスラーム教徒の義務である五行の1つであり、一年のうち特定の期間(イスラーム暦の12月上旬から中旬)に行われる。大巡礼を果たした男性は、名前の前にハジ、女性はハジャという称号をつける。一方、小巡礼はウムロと呼ばれ、ハジの期間以外いつでも行うことが可能。この記事でのメッカ巡礼は大巡礼を指している。
3) マスジディル・ハラーム: 聖地メッカの聖モスク。その中にイスラームの聖殿であるカアバがある。巡礼者は、カアバの周りを反時計回りに7周するタワーフと呼ばれる儀式を行う。
4) 教友: 預言者ムハンマドに直接接した人々。ハディース(ムハンマドの言行録)の成立にも役割を果たした。
5) アルバインの宗教的義務: 巡礼者が預言者モスク(ナバウィ・モスク)で行う40回の礼拝のこと。アルバインは、アラビア語で数字の40を意味する。預言者モスク(ナバウィ・モスク)は、メディナにあるイスラーム教の礼拝堂で預言者ムハンマンドの霊廟でもある。このモスクで礼拝すると他のモスクでの礼拝の1000回分に匹敵すると言われ、多くのメッカ巡礼者が立ち寄る。


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0810102kk)

原題:Menag Imbau Jemaah Selalu Pakai Seragam Haji
http://www.republika.co.id/launcher/view/mid/22/kat/127/news_id/6822



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