インドネシア語新聞翻訳
2008年9月28日(日)


イドゥル・フィトリの日が同じになる可能性が高い

ヒサブ(訳注1)の専門家、イスラーム暦(訳注2)10月1日が西暦10月1日となることで意見一致

 今年インドネシアのイスラーム教徒は、イドゥル・フィトリ(訳注3)の礼拝を同じ日に行える可能性が高い。「きっと今年は同じだ。ヒサブの専門家は、イスラーム暦10月1日が西暦10月1日となることに合意した。月曜日(9月29日)にラマダーン開始とイドゥル・フィトリの決定会議で出される予定のルクヤト(訳注4)の結果を待つだけだ」ムハンマド・マフトゥー・バシュニ宗教大臣は、サウジアラビアから帰国後、スカルノ・ハッタ空港でそう述べた。同大臣は、イスラーム暦1429年のメッカ巡礼準備の進行状況を直接チェックするために、サウジアラビアに向かっていた。

 インドネシアのイスラーム教徒は、ラマダーン(訳注5)訳注の開始とイドゥル・フィトリの決定において、ここ数年間、毎年のように意見が一致しなかった。このことは、ヒサブとルクヤトの方法がもたらす違いから生じる。しかし宗教界の中には、その違いがかけ離れて大きいのでなければ、イスラーム社会組織の要人とイスラーム宗教指導者で意見を一致させた方がよいという考えもある。その一致はルバラン(訳注6)を祝う上で、信者のまとまりと一体感を向上させるのに有意義だと考えられる。

 この一体感に関して、宗教大臣は、次のように述べたことがある。国民の大多数がイスラーム教徒である国では、ラマダーン開始とイドゥル・フィトリの決定は、宗教大臣、ムフティ(訳注7)、高等裁判所、あるいは王などの国の権威者が行う。「このような状況があれば、イスラーム教徒の人々はラマダーン月の初日や、イスラーム暦の月の最終日を決める際に悩まずに済む」最近マラン市で行われた、イスラーム宗教指導者・国際サークルおよびインドネシア・ウラマ評議会(訳注8)ヒサブ・ルクヤト・オリエンテーションの挨拶の中で、同大臣はこう述べ、さらに次のように続けた。インドネシアでは、国の権威者とは政府、つまりラマダーン開始・イドゥル・フィトリ決定会議時の宗教大臣をさす。

 同大臣によれば、インドネシアの様々なイスラーム組織間のラマダーンの開始とイドゥル・フィトリの実施の違いは、時として不要な論争を引き起こしてきた。そのため、インドネシアのヒサブとルクヤト専門家グループ内で、その基準を再検討するための考えが出ることを、同大臣は歓迎する。これがインドネシアのイスラーム・カレンダーの統一を探求する、足がかりとなることが期待される。

イドゥル・フィトリ前に決着
 今年のイドゥル・フィトリの件以外に、インドネシアのメッカ巡礼予定者の宿泊(訳注9)についても、同大臣は述べた。政府は宗教省を通じて、宿泊の需要を充たすように、努力を続けているという。「(本日の)2日前には宿泊所確保は84%に達していた。恐らくイドゥル・フィトリ前に100%を達成し、全てが完了するだろう」と同大臣は述べた。同大臣には、サウジアラビアから帰国したメッカ巡礼主催費および情報システム管理長、アブドゥル・ ガフル・ジャワヒル氏とメッカ巡礼実行委員会総局長、スラメット・リヤント氏が随行していた。同大臣によれば、巡礼予定者の宿泊施設を得るためのくじ引きは、イスラーム暦10月中旬に行われるという。

 同大臣はさらに次のように述べた。宿泊施設の獲得は、他の諸国も必要としているために、非常に厳しい状況だ。「これは全て、マスジディル・ハラーム(訳注10)の拡張プロジェクトで、その周辺の1,000以上の住宅や宿泊施設が取り壊されたためだ」


訳注1) ヒサブ: 計算を意味する語(訳注4のルクヤトも参照
訳注2) イスラーム暦: ヒジュラ暦とも言う。預言者ムハマンドがメッカからメディナに移住した622年を紀元とする。月の運行を基本とする太陰暦で1年が太陽暦より11日短い。
訳注3) イドゥル・フィトリ: 断食月明けの日、すなわちイスラーム暦10月1日
訳注4) ルクヤト: 月齢を読むこと。イスラーム法の規定により毎月の開始は新月を見て決めなければならないが、空が曇っていて見えない場合は1ヶ月の日数が29日または30日と定められていることをベースとして計算(ヒサブ)によって決める。
訳注5) ラマダーン: ラマダーン:イスラーム暦9月、断食月。この一ヶ月間、日の出から日没までの間、イスラーム教徒は食物・飲物を一切口にしない。病人、高齢者、子ども、生理中の女性、旅行者など断食を免除される人もいるが、規定に従って断食を行わなかった日数分、別の期間に断食を行う場合もある。
訳注6) ルバラン: 断食月明けの祭り
訳注7) ムフティ: 法学者。イスラーム法に基づいた見解(ファトワ)を出す役割を果たす。
訳注8) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
訳注9) メッカ巡礼予定者の宿泊: 宿泊施設の準備についてはso0809081kkの記事を参照のこと
訳注10) マスジディル・ハラーム: 聖地メッカの聖モスク


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0809281kk)

原題:Kemungkinan tak Ada Perbedaan Tanggal Idul Fitri
http://www.republika.co.id/launcher/view/mid/22/kat/130/news_id/5424



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