インドネシア語新聞翻訳
2008年9月6日(土)


ラマダーンの無料健康管理サービス

 南ジャカルタ市、西チランダック村の一住宅地にあるアル・ヒダヤー・モスク敷地内をハジ・シャワルさん(70)は、よろよろと歩いている。手には、数種類の薬が入った小さいビニール袋を握っている。「痛風と足のけいれんの検査が終わったところです」ぽつりと彼は言った。

 白く濃い頬ひげを生やした、ふくよかなハジ・シャワルさんは、モスクの狭い(2X4m)クリニックで病気の検査を受けたばかりだ。「検査は無料です。ラマダーン(訳注1)だけでなく、別の機会にもこのような無料健康管理サービスがあればいいと思います」と彼は述べた。

 ハジ・シャワルさんは、ナフラ・クラブ(訳注2)とジャカルタのアラブ諸国の大使館が主催した、無料健康管理サービスのクリニックで、先週の木曜日(9月4日)に検診を受けた数十人の患者の中のひとりだ。この貧困者のためのサービスは、ラマダーンの間行われる予定だ。

 モロッコの駐インドネシア大使、アブデッラーマン・ドゥリッシ・アラミ氏は、この無料健康管理サービスはすばらしいアイディアだと述べた。ナフラ・クラブのハルヨノ・エッディアルト会長がこのアイディアを伝えると、アラミ大使と駐インドネシア・アラブ大使たちは、すぐに同意した。

 このインドネシアのアラブ諸国大使調整役でもあるアラミ大使は、このプログラムは多くの人々のためになると述べた。「まず我々はイスラーム教徒であり、他人を助けることはイスラーム教徒の義務であるため、このサービスに賛成です」と同大使は本紙に対して述べた。

 アラミ大使によれば、大使自身と他のアラブ大使たちも、このプログラムを非常に強く支持しているという。このプログラムが広く人々のため、特にこのプログラムが行われるクリニック近隣の住民のために役立つことを、同大使は期待する。

 このプログラムの寄付金について尋ねられると、アラミ大使は、知っているのはアッラーと寄付提供者のみだとし、次のように続けた。同氏と他のアラブ諸国大使も、このプログラムでの寄付金がどのぐらいなのかは、全く分からない。

 同大使は次のように付け加えた。このプログラムが成功すればラマダーン以外にも行う予定だ。ラマダーンに限らず、いつでも行うことが可能だ。「貧しい人々に広く役立てば、このプログラムは成功したといえるでしょう。このプログラムは、ラマダーンの期間外、さらに別の場所でも行うことができます」

 ナフラ・クラブのハルヨノ・エッディアルト会長は次のように述べた。アラブ諸国の18の大使館がこのプログラムに参加している。この無料健康管理サービスが実施された3日間で、およそ300人の貧困者がこのサービスを利用したという。少ない時でも1日に70人もの貧困者が検診に訪れた。

 この活動に参加しているインドネシア・ホームドクター協会会長のハルジョノ・スミンタルジョ医師によれば、このプログラムでは、クリニックで出来る最大のサービスが提供される。何らかの病気を持った貧困者は、ここで検査を受けられる。しかし、例えば脳の手術などは、病院で行なわなければならない。

 ハルジョノ医師は次のように述べた。貧困者に対して提供される全てのサービスは無料だ。医師4名と看護士8名を待機させ、彼らは毎日交代で任務する。「毎日10時から15時まで任務する2名の医師と看護士がいます」

【fer記者】


訳注1) ラマダーン: イスラーム暦9月、断食月
訳注2) ナフラ・クラブ: 非営利団体の一つと考えられるが、詳細は不明。


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0809061kk)

原題:Layanan Kesehatan Gratis Ramadhan
http://www.republika.co.id/launcher/view/mid/22/kat/99/news_id/1681



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