インドネシア語新聞翻訳
2008年9月5日(金)


ラマダーンの期間に軽食類を売る露天が増加中

【ジョグジャカルタ】
 ラマダーン(訳注1)の一日の断食が終わったときに食べる軽食類を売る露店が、さらに増えている。例えばジョグジャカルタでは、ラマダーン用の軽食類を売る露店は、以前にはカンプン・カウマンでよく見られたものだが、今ではこのような露店がアフマド・ダーラン通り沿いにスロナタンまで見られるなど、拡大している。現在カンプン・カウマンには、約60の食べ物屋が店を出しているが、ここから100メートルほど離れたスロナタンにも、ラマダーン用の軽食類を売る何十人かの商人が店を出している。旧市庁舎の前も同じで、様々な食べ物や生活必需品9品目(訳注2)の市場に変身している。

 彼らはラマダーンに特別な食べ物であるキチャック(訳注3)やジャダー・マンタン(訳注4)などの軽食類とさまざまな惣菜を売っている。それだけでなく、この地方以外の食べ物もこのティバン市(訳注5)を賑わしている。この市は西部インドネシア時間(訳注6)の午後3時に始まり断食が終わる時間が近づくまで客で賑わっている。この市では食べ物の商人だけが稼いでいるわけではなく、この村の若者たちも駐車場を作って駐車料を稼いでいる。

 市の実行委員長であるストリスノ氏によれば、旧市庁舎の前で開かれる市は、カウマンの市で場所を確保できなかった商人たちを受け入れる目的を持つ。ここは場所がゆったりしているので、客は気持ちよく探している品を手に入れることができる。ストリスノ氏は、市が今やカウマンからアフマド・ダーラン通りまで広がっているのを見て、アフマド・ダーラン通りをラマダーンの期間の必需品のショッピングセンターにすることができると語っている。「アフマド・ダーラン通りがジョグジャカルタのラマダーンの期間中、必需品のショッピングセンターになるというイメージを作り出したい」

 ストリスノ氏は、ブミ・レスタリ・ヒジョウ社に後援されているこの市は「生活必需品9品目特売」も行うと語った。この生活必需品9品目特売はジョグジャカルタ市の経済的弱者向けで、17,500ルピア(約215円)で売られる生活必需品の特売パッケージには米2kg、砂糖1kg、食用油1リットル、それにインスタント麺が4袋が入っている。計画ではこの生活必需品特売は断食明けの大祭が近づいた頃に行われる。政府は1000パッケージを準備しているが、「この数字は増やすことも可能だし、人々の関心次第で減らすことも出来る」と彼は述べた。

 ラマダーン期間の食べ物屋は、バリにおいても雨後の筍のように急増している。断食の初日から露天商がバリ中のいろいろな場所に現れている。「これは断食期間中では普通のことになっている。われわれはここで一日の断食が終わった後に食べるものを揃えて売っている」とジェンブラ県ヌガラ郡ロロアン・バラット村で食べ物を売るラシダーさんは語った。ラシダーさんはもう5年以上もラマダーン用の食べ物を商っており、そのため周囲の村、とくにヌガラ郡の村から客がやってくると語った。ラシダーさんが商っている食べ物は、コラッ(訳注7)、生菓子、野菜類、惣菜で、値段はひと包みが1500ルピア(約19円)から3000ルピア(約37円)だ。

 ジェムブラ県のほかにも露天商はいくつかの場所に現れる。例えばクルンクン県では、同様の商人がレバー村とイスラム・ゲルゲル村に現れる。商っている特別な食べ物には少し辛い茹で野菜の料理スロンボタン、チェロロット(訳注8)、ルピス(訳注9)、アペム・クア(訳注10)などがある。デンパサール市では露天商が南デンパサールのカンプン・イスラム・クパオンに現れる。西デンパサールのカンプン・ジャワでも同じで、露天商がこの村の道々に現れる。売り物はサテ・プレチン(訳注11)、腸のヤキトリ、牛の乳房のヤキトリ、それにココナツジュースだ。野菜を使った料理では海草を原料としたブルンというものがある。

【hep/aas記者】


訳注1) ラマダーン: イスラーム暦9月、断食月。この一ヶ月間、日の出から日没までの間、イスラーム教徒は食物・飲物を一切口にしない。病人、高齢者、子ども、生理中の女性、旅行者など断食を免除される人もいるが、規定に従って断食を行わなかった日数分、別の期間に断食を行う場合もある。
訳注2) 生活必需品9品目: インドネシア語では略称でスンバコと呼ばれる。一般的には米、砂糖、食塩、食用油、肉、ミルク、鶏卵、トウモロコシ、灯油の9品目を指す。
訳注3) キチャック: ジャックフルーツの刻んだものを中に入れたもち米とココナツで作った軽食
訳注4) ジャダー・マンタン: 蒸したもち米の中にひき肉を詰め薄焼き卵で包んだ粽のようなもの
訳注5) ティバン市: ラマダーン月の期間だけ開かれる夜市
訳注6) 西部インドネシア時間: インドネシア時間は、西部インドネシア時間(日本時間−2時間)、中部インドネシア時間(日本時間−1時間)、東部インドネシア時間(日本時間と同じ)に分かれいる。首都ジャカルタは、このうち西部インドネシア時間に属す。
訳注7) コラッ: バナナなどの果物、サツマイモなどを小さく切り、砂糖、ココナツミルクを加えて煮込んだもの
訳注8) チェロロット: バナナの葉でくるんで蒸したもち菓子
訳注9) ルピス: もち菓子の一種
訳注10) アプム・クア: 米粉にココナツミルク、砂糖などを加えて丸く焼いた菓子アプムにココナツミルクをかけたもの
訳注11) サテ・プレチン: 辛い調味料をつけたヤキトリ

断食月の決定については、2007年9月掲載の翻訳記事(ID:po0709081hy)も参照のこと

(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so0809051hy)

原題:Jajanan Ramadhan Kian Bertebaran
http://www.republika.co.id/launcher/view/mid/22/kat/99/news_id/1513



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