インドネシア語新聞翻訳
2008年7月24日(木)


大統領:イスラームは思いやりを広める教義

伝道が高いモラルと品性を作り上げる媒体となることを期待

 スルタン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード・サウジアラビア皇太子主催のコーランとハディース(注1)の暗誦コンテスト・アセアン大会が、水曜日(7月23日)に大統領官邸で行われた。参加者たちは、ユドヨノ大統領との親睦会に参加した。東南アジア10カ国の出身の参加者たちは、帰国前に、国家元首である大統領からのメッセージを受けた。

 参加者75名と役員8名は、マフトゥー・バシュニ宗教大臣に先導され、大統領に迎えられた。その親睦会には、国民協議会のヒダヤット・ヌルワヒド議長、ハッタ・ラジャサ国家秘書局大臣、スディ・シララヒ官房長官と数人の友好国の大使たちが参加した。

 マスジディル・ハラーム(注2)礼拝導師・説教師であるサウード・アシィ・シュライム氏と、同じくナバウィ・モスクの礼拝導師・説教師であるアブドゥル・ムクシン・アル・クァシム氏も、共に招かれた。「みなさんの参加は、東南アジア地域のイスラーム教徒間の友好の象徴」と大統領は、オープニングスピーチで述べた。

 このコンテストには、マレーシア(12名)、シンガポール(2名)、タイ(18名)、フィリピン(8名)、カンボジア(5名)、ミャンマー(5名)、東ティモール(1名)、ブルネイ・ダルサラーム国(4名)、ベトナム(2名)、インドネシア(18名)が参加した。このコンテストでは、コーラン10章、15章、20章、30章と、ハディースの暗誦も競われた。

コーランはインスピレーションの源

 ユドヨノ大統領は、印刷された挨拶で次のように述べた。コーランは言葉が美しく、素晴らしい文体を持ち、優れた文章から成る。 コーランは尽きることのないインスピレーションの源だ。「この神聖なキタブ(注3)についての理解を深めるほど、さらにアッラー(注4)の言葉の真実を確信するようになる」

ハディースも同様

 人間は生活のあらゆる面で、ハディースを通じて預言者ムハンマドの模範をさらに理解できるようになると、大統領は見ている。人間にとっての生活の手本となるように、アッラーは預言者を送り込んだ。

 預言者ムハンマドが人生で得た経験は、人生を築く上で手本となるに相応しい、崇高な価値を含んでいる。

 政治・治安担当調整大臣を務めたこともある大統領は、全参加者にコーランとハディースを、信者の人格と個性を作り上げる上で人生の指針とするように、また何処においても伝道を止めないようにと呼びかけた。その暗誦力は、崇高なイスラーム文化を作り上げる手段となり得る。

 「平和で穏やかな文化、公正な愛が、暴力や敵対関係を遠ざけて団結をもたらすこと」を大統領は期待している。

 大統領はさらに、インドネシアとアセアン諸国のイスラーム教徒に対して、イスラームが全宇宙に恩恵をもたらす宗教となるよう貢献し続けるようにと呼びかけた。

 また彼らに対して、偉大なイスラームの教義、つまり、思いやり、平和、調和を広め、崇高な文化価値に対する優れたアプローチとなる教義を伝道するよう求めた。

 大統領は、その伝道が、崇高なモラルと気高い品性を作り上げる媒体となりうることを望んでいる。伝道を通じて、時代の挑戦に向き合う明るい精神、ポジティブで楽観的な思考が形成される。そのやり方で、必ずアッラーの恩恵により、運命や未来を変えることができるだろう。

 一方、宗教大臣は次のように述べた。このコンテストは、通常のコンテストとは異なり、ユドヨノ大統領のアイディアに基づいて実行された。「コーランとハディースに対する愛情を深めることが目的」と大統領は語った。

【djo記者】

注1) ハディース: 預言者ムハンマドの言行録
注2) マスジディル・ハラーム: 聖地メッカの聖モスク。その中にイスラームの聖殿であるカアバがある。巡礼者は、カアバの周りを反時計回りに7周するタワーフと呼ばれる儀式を行う。
注3) キタブ: 宗教書
注4) アッラー: イスラーム教徒が信仰する唯一絶対の神

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0807241kk)

原題:Presiden: Islam Ajaran yang Menaburkan Kasih Sayang



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