インドネシア語新聞翻訳
2008年6月10日(火)


アフマディア教団の活動、禁止される

3大臣共同決定書は、アフマディアの解散には触れていない

【ジャカルタ】
 宗教大臣、内務大臣、最高検察庁長官の3名が署名した共同決定書は、インドネシア・アフマディア教団(JAI)(注1)に対し、イスラーム基本教義から逸脱する布教、解釈、および活動を中止するよう命じた。

 「つまり、(逸脱に当たるのは)預言者ムハマンドの後に預言者がいるとし、その預言者の教えに従う信仰を広めることだ」とマフトゥー・バシュニ宗教大臣は、6月9日(月)ジャカルタでの記者会見で述べた。この命令と警告に従わないアフマディア教団の信者および幹部は、制裁を受けることになり、その中には組織や法人も含まれると大臣は述べた。アフマディアの信者がイスラーム教徒を自称するのであれば、ミルザ・グラーム・アフマドを預言者とする信仰を捨て、儀礼的規範(注2)もイスラームの教えに従うべきだ。

 「この共同決定書は個人の信仰に対する干渉ではなく、信教の安泰と人々の生活の秩序を守り育てようとする政府の試みである」同じ席でヘンダルマン・スパンジ最高検察庁長官は、共同決定書の内容はJAIを解散させるものではないことを認めた。共同決定書の内容は命令と警告だけだ。しかし、最終的にJAIの活動停止につながる可能性もある。

 「彼らはイスラームを逸脱していると警告されている。もし、その警告に従うことが出来ないのであれば、宗教を冒涜する意図があることを意味する。その場合は、宗教の冒涜に関する法律第156章のaに該当することになる」宗教の悪用ないし冒涜の防止に関する法律1965年PNPS第1号によって政府が踏むべき手順がある。「この共同決定書で、まず警告を出した。いきなり解散させるわけではない」今後、この決定書が守られるか監視するのは行政の役割である。

 「行政は、警察、地方自治体、宗教省の地方局など、逸脱が依然としてあるかどうかを監視するための機関を持っている。問題はインドネシアには、信仰に関する司法制度がないことだ。あるのは宗教の冒涜に対する司法制度だけだ。「宗教を冒涜する布教がまだ行われるのであれば、警察が乗り出す。権限を持っているのは警察だ。それは一般的な犯罪行為だからだ」

 マルディヤント内務大臣は、人々はアフマディア教団が解散させられるのを期待していると述べた。しかし、まず共同決定書で、JAIに対してイスラームの教えから外れた布教をしないように、警告し命ずる必要がある。「共同決定書を無視するようなことになれば、当局が行動を起こすことができる」JAIのメディア・情報担当長代行のMB シャムシル・アリ氏は、この共同決定書をよく検討したいと語った。「まず内部の意見統一を図る。その後、共同決定書を討議するための特別の会合が行なわれることになるだろう」


注1) アフマディア教団: 1889年インドのパンジャブ地方で生まれたイスラーム教の一派であるが、ムハマンドを最後の預言者とせず、後述のミルザ・グラーム・アフマドを最後の預言者としているためイスラームの正統派からは異端とみなされている。
注2) 儀礼的規範: イスラーム教徒が実践する5行、信仰告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼を意味する。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so0806101hy)

原題:Aktivitas Ahmadiyah dilarang
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=337049&kat_id=3



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