インドネシア語新聞翻訳
2008年4月12日(土)


情報・通信省、Youtubeの映画「フィトナ」への通信遮断

グーグル側は、インドネシアの法に反するファイルを閉鎖することについて、協力を申し出る

【ジャカルタ】
 モハマド・ヌー情報・通信大臣は、グーグル傘下のサイトYoutube(注1)で配信されている「フィトナ」(注2)に対し、配信遮断の処置をとったと言明した。「政府はすでにYoutubeの親会社グーグルに対し「フィトナ」の配信をブロックするよう書類を提出しており、4月9日に回答を得ている」と4月11日(金)ジャカルタの情報・通信省の執務室で語った。

 ヌー大臣は、さらに映画「フィトナ」を配信し得るいくつかのサイトに対し、政府がとっているサイトやファイルの遮断措置は一時的なもので、患者から腫瘍を除くために麻酔をかけるようなものだとし、「腫瘍が取り除かれば通常に戻る」と述べた。この政府の措置は、蚊を殺すのに大砲を持ち出したり、一匹の鼠を殺すために家を焼いて大切なものまで失ってしまうようなものではないと主張している。

 また、映画「フィトナ」への通信遮断の措置をとる際、インターネットの使用者に迷惑をかけたり不快な思いをさせたとしたら、この機会にお詫びすると述べた。Youtubeの親会社であるグーグルは、インドネシアにおける法を非常に尊重しているが、「表現の自由も尊重しているため、Youtubeのサイトを全面的に閉鎖することはしない。彼らはインドネシアからYoutubeの『フィトナ』にアクセスしようとするものがあった場合、この映画に対する遮断を行うだけだ」と述べた。

 ヌー大臣は、昨日(4月11日)から、インドネシアの人々はYoutubeのサイトを開いたり動画を投稿することができるようになったが、映画「フィトナ」をクリックすることはできないようになっていると語った。彼はまた、有害なサイトを排除することに同じく関心を抱いているIT共同体、インドネシア・ワルン・インターネット協会、インドネシア・インターネット・サービス提供協会、そしてブロガーたちに感謝すると述べた。

 グーグルは、インドネシアから法に反するようなファイルやコンテンツが出された場合、ユーザーがそれらをアップロードしたりダウンロードしたりできないようにすることで、政府に協力することを申し出ているとヌー大臣は述べた。

 一方、ポルノと暴力のサイトに関連してヌー大臣は、ポルノや暴力的な文化、エスニック・グループ、宗教、人種、諸グループ間の敵意を育むことは民族を創造することにつながらないと述べた。「もしポルノや暴力を盛んにして民族を創造することが可能だとしたらその根拠を教えて欲しい。もしそれが可能なのなら、盛んにしようではないか」と語った。

 同大臣は情報・通信省のウェブサイト、www.depkominfo.go.id.で、誰もが無料で有害サイトに対するフィルターをダウンロードすることができる、と注意喚起している。一方、インドネシア大学の犯罪学者、アドリアヌス・ムリアラ氏は、インドネシアにおいてポルノサイトへのアクセス数が多いのは、インターネットの初心者が増えていることと正の相関関係があると説明している。

 ムリアラ氏は、このことはムティア・ハッタ女性エンパワーメント国務大臣が、インドネシアではポルノサイトへのアクセスは多いほうに入ると発言したことともつながりがあるとし、「インターネットを比較的新しく始めた人たちが多いことと関係があるようだ」と語った。ムリアラ氏はポルノサイトへアクセスする人たちの大部分は、年齢の若いインターネット利用者が占めていると確信している。

 「さまざまな場所におけるインターネット利用者の行動に関する多くのデータから、インドネシアの人々の行動は、他と同じで普通だと考えられる」と彼は説明した。彼は、利用者が年齢を重ねるにつれ、またインターネットを利用する経験が増すにつれ、ポルノサイトへのアクセスは全体として減っていくことを確信している。「あるいは、アクセスを完全にやめるかもしれない」

【osa記者】

注1) Youtube: グーグル傘下の動画投稿サイト
注2) フィトナ: オランダの極右政党の党首ウィルダー氏が作った反イスラーム映画


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so0804121hy)

原題:Depkominfo Block film di Youtube
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=330051&kat_id=6



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