インドネシア語新聞翻訳
2008年4月9日(水)


インドネシアには喜捨システムが必要

喜捨がきちんと円滑に管理されれば、インドネシアの貧困問題は克服可能

【ジャカルタ】
 インドネシアにある全ての喜捨募集団体(以下BAZ)と喜捨募集組織(以下LAZ)は、インドネシア喜捨システム(以下AZI)確立について議論をするべきだ。そのシステムは、祖国の喜捨(注1)運営拡大の手引きとなることだろう。

 宗教省イスラーム社会指導部ナサルディン・ウマル総局長は、火曜日(4月8日)、本紙に対して次のように述べた。AZIの確立は貧困者層と富裕者層との橋渡しをすることになるので、非常に重要だ。「インドネシアの喜捨拡大を促す上で、手引きとなるシステムや青写真は当然存在すべきだ」

 同総局長は次のように説明した。AZIには喜捨を広げるための、重要な事柄がいくつか含まれている。その一つが、今後数年中の喜捨の拡大、組織化、分配に関する見通しだ。喜捨拡大促進のために必要な規定もAZIには含まれる。

 インドネシアにおける喜捨の可能性は非常に高く、喜捨が円滑に行われれば、インドネシアの貧困は必ず克服できると見ている。AZI自体の起草は現存の各喜捨管理団体が行うのが適切だ。しかし、政府は様々な規定を通じて、喜捨拡大を支援するつもりだ。「全国喜捨募集団体(Baznas)などの団体を今までのように支援するが、それは調整役としてで、AZIの草案作成はBaznasが行うのが相応しい」と同氏は述べた。

 AZI制定の計画は様々な業界の支持を得ている。宗教省喜捨理事会、ナスルン・ハルン理事は、AZIの制定は非常に必要だと述べた。しかし、それはインドネシアの喜捨発展を強く後押しできるように、専門的に信頼できる形で行われるべきだと、同理事は強調した。

 Baznasのディディン・ハフィドゥディン総裁も同様の支持をしている。同総裁によれば、AZIの制定に対する政府の提案は、喜捨拡大を促進するためにインドネシアのLAZの活動を統合する媒体となることが期待される。低所得の人々を喜捨で支援するために各種プログラムを共同で編成することでその統合は可能になる。さらにLAZには、互いに助け合い、喜捨付与者(団体)と喜捨受領者(団体)の関係を作り上げることが期待されている。「組織の統合ができなくても、少なくともプログラムの統合はできる」と述べた。

 同総裁によれば、AZIはこの先5年間の喜捨拡大計画の媒体にもなりうるという。喜捨拡大を支援するのに必要なプログラム、国または地方レベルでの必要な規定すべてをこの計画は含んでいる。数年前のジャカルタ国立イスラーム大学(UIN)の研究によれば、インドネシアの喜捨収集は年間19兆3千億ルピア(約2,200億円)を達成できる見込みがある。しかし、昨年末までにLAZが行った喜捨資金収集は、1兆ルピア(約113億円)に達していない。「一番低い年は、約9千億ルピア(約101億円)だった」

 喜捨フォーラム(FoZ)、ハミー・ワーユニアント総裁は次のように述べた。FoZは昨年以来、インドネシアの喜捨拡大の青写真を作成してきた。現在同協会は、その青写真を提出するために、宗教大臣とイスラーム社会指導部総局長との会談を待っている状況だ。

 その青写真では、Baznasがインドネシアの喜捨管理の調整者・管理者になることが、提案されている。「喜捨組織の統合についての同意はなされているが、その実現は2015-2020年頃、各地にあるすべての喜捨管理団体が、同じ理念と資質を持つようになった後のことになるだろう」と同総裁は述べた。

【aru記者】

注1) 喜捨: 所有財産・収入の一部を貧者に施すことで、イスラーム教徒にとっては義務かつ善行。喜捨には、宗教的義務のザカート、自発的に行われるサダカがある。


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0804091kk)

原題:Indonesia Butuh Arsitektur Zakat
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=329671&kat_id=256



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