インドネシア語新聞翻訳
2008年2月25日(月))


イスラーム寄宿塾生がインターネットに目覚めるとき

 日曜日(2月24日)、バンドゥン県、バレ・エンダー郡のアル・イヒサン・イスラーム寄宿塾の講堂では、75人ほどの寄宿塾生がコンピューターの前に座っていた。1台のコンピューターを3、4人で順番に使っている。ある生徒の指が(向かって)左側にあるマウスを忙しく操作し、他の2人は順番を待ちながら友達がどのサイトをクリックするかをじっと見つめている。クリックしたサイトが開き始めると彼らに微笑みが広がった。

 企業の社会的責任プログラムにより、本紙とテレコム社が共催した、バンドゥンとその周辺でのイスラーム寄宿塾生のためのインターネット講習の2日目の様子は、初日とは大きく異なっていた。初日は参加者の多くがウェブ閲覧等のためにマウスに触れることもなく、コンピューターをじっと見つめているだけだった。インターネットが何かを知っているのは数人だけで、(パソコン操作で)マスターしているのは、マイクロソフト・ワードかエクセルの使い方だけだと語った。

 アル・ムクリス・イスラーム寄宿塾のコンピューター・アシスタント・アドバイサー、タンタン・ムスタンディ・ルディン氏は、彼自身もコンピューターについてあまりよくわかっていないと言った。学生に教えられるようにインターネットを学びたいという強い願望を持ってきた。しかし、資金不足で(通常の)講習に参加するためには前もって資金を集めなければならなかったという。「幸いなことに、レプブリカ紙とテレコム社による無料の講習があったので、インターネットについて知ることができた」

 同氏は次のように付け加えた。これまで学生にはマイクロソフト・ワードとエクセルだけを教えてきた。最初はインターネットが何なのか、それで何ができるのか想像もつかなかった。2日目の講習に参加し、イスラーム教を広めるために使えるブログの作成も含め、インターネットでいろいろなことができるのが分かった。講習に参加する以前は伝道のためのメディアとしてインターネットを利用することができるとは、全く想像していなかったという。

 「多くの生徒が、イスラームについての考えを書くのを楽しんでいる。私がブログについて学べば、生徒に教えることができる。彼らの書き込みを他の人も読めるようになる」と同氏は発言した。

 講習受講者のダイアナ・ヌルファティマーさんとネンデンさんは、マドゥラサ(注1)中等部で、インターネットについて教わった。しかし、コンピューターの先生に教わったのはウェブ閲覧までで、メールアドレスの作成やブログには至らなかった。「この2日間の講習に参加して、ブログに記事を書き込み、ブログで伝道できるようになれてとても良かった」とダイアナさんは語った。

 インドネシア共和国宗教省イスラーム教育部門総局長ハジ・ムハンマド・アリ氏によれば、インドネシアのイスラーム寄宿塾の中で、情報コミュニケーション技術に関心を持つ寄宿塾の数は非常に少ないという。「この技術をマスターしているのは、インドネシアにある15,000のイスラーム寄宿塾のうち、わずか10%に過ぎない」と彼は述べた。

 同氏はさらに次のように語った。インターネットに関心を持つのは都市部に位置する近代イスラーム寄宿塾が中心だ。伝統的な寄宿塾で情報コミュニケーション技術に関心を持っているのはわずかだ。彼によれば、宗教省は寄宿塾がコンピューター技術に乗り遅れないように支援するプログラムをすでに準備している。しかし、インターネットを使いこなすにはインフラも不可欠だ。当然のことながら、インフラがなければ、寄宿塾はインターネットを利用することができない。

 「政府による寄宿塾の『コンピューター音痴撲滅』を支援する、レプブリカ紙とテレコム社の試みを非常に歓迎する。講習を行うだけでなく、テレコム社もインターネットアクセスを支援してくれると良いのだが」と同氏は発言した。

 さらに次のように続けた。全ての寄宿塾生が情報コミュニケーション技術をマスターし、イスラーム伝道メディアが増えることを期待する。メディアが容易に利用できれば、彼らは問題なく伝道につとめることだろう。

【kie記者】


注1) マドゥラサ: 宗教省所管のイスラーム教系の学校。小学校、中学校、高等学校がある。


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0802251kk)

原題:Ketika Santri Mulai Melek Internet
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=324731&kat_id=6



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