インドネシア語新聞翻訳
2008年1月17日(木)


被災者への喜捨資金の有効利用

 12月30日(日)の午後、東ジャワ州ンガウィン県マンティンガン郡サンビレジョ村ジャンガナン部落の02/04隣組長宅から出てきたヤトゥミ(58)の顔には、笑みが広がっていた。ヤトゥミは洪水の被災者になった隣人たち数十人と共に、02/04隣組長宅に本部を設置したマンディリ銀行の喜捨(注1)運営チームの無料医療所を訪れた。6人の子供を抱えるこの主婦は、洪水後5日経って初めて医療を受けることができたのだ。

 12月26日(水)早朝のソロ川氾濫で、食べ物屋を営んでいたヤトゥミの屋台は水に浸かってしまったが、「私たちの健康と状態を心配してくれる人がやはりいたことを、神にとても感謝している」と語った。同じく洪水の被災者になったワティニとその夫のジミンからも、感謝の言葉が聞かれた。

 東ジャワ州ンガウィ県および中部ジャワ州グロボガン県の洪水の被災者たちの苦境を軽減するため、マンディリ銀行の喜捨運営チームは12月29日と30日の2日間、無料医療活動と食料品の配布を行った。同チームはマンティンガン郡の無料医療の現場パートナーとしてダルッサム・ゴンドル・プトリ・イスラーム寄宿塾と提携した。

 「ゴンドル・イスラーム寄宿塾の協力があって本当に助かった。無料医療サービスも食料援助も洪水の被災者たちにとても喜んでもらえた」同チームの会計担当スヤティン氏は述べた。

 同チームの理事タウフィック・ヒダヤット氏は、洪水被災者の多くに身体のかゆみ、急性の呼吸器の不調、下痢などのさまざまな症状が現れていることが判明したため、食料品援助のほかに無料医療サービスを提供することにしたと語った。

 「被災者たちの苦しみを軽くするために、私たちはジャカルタからさまざまな薬品、医師、医療スタッフを送り込んだ」とタウフィック氏は語った。

 マンディリ銀行健康組合保険チームの一員で、喜捨運営チームのこの両地域への無料医療活動に参加したアルダット医師は「気管支炎が一番多く、次いで皮膚のトラブル、身体のかゆみと下痢の症状だった。高血圧になった人も多かった」と述べた。

   タウフィック氏は、この両地域の洪水被災者たちに対する食料品援助と無料医療活動の費用1億ルピア(約120万円)は、マンディリ銀行の喜捨運営チームがこれまでに受け取った喜捨から充当したと語った。マンディリ銀行のイスラーム精神育成組織の下にあるこのチームは2000年以来、社会へ還流させるためマンディリ銀行の従業員たちから喜捨の形で資金を集めてきた。「われわれは経済、科学そして社会のプログラムを通して、少なくともイスラーム教徒を活性化したいと考えている。この3つのプログラムはマンディリ銀行喜捨運営チームのメインだ。望むのは健康で豊かなインドネシア社会を作ることだ」とタウフィック氏は述べた。

 中部ジャワ州と東ジャワ州のいくつかの地域を襲った洪水の被災者たちの状態を心配しているのはマンディリ銀行の喜捨運営チームだけではない。シャリア・マンディリ銀行の信徒たちによる喜捨組織も医療と食料品援助の形で洪水の被災者たちに1億ルピアの支援を行っている。「この1月4日(金)以来、洪水の被害を受けた中部ジャワおよび東ジャワの4都市、つまりクドゥス、トゥバン、ボジョネゴロ、そしてラモンガンに直接援助を行っている」と、シャリア・マンディリ銀行の喜捨組織理事ハジ・アラムサニ氏は本紙に対し語った。

 喜捨を集める全国組織の長、ディディン・ハフィドゥディン博士は、洪水で被災した同胞に支援する各喜捨組織の関心を高く評価している。彼はこれまでの喜捨は災害対策を支援する上で、極めて重要な役割を果たしていると述べた。

【dam記者】



注1) 喜捨:所有財産・収入の一部を貧者に施すことで、イスラーム教徒にとっては義務かつ善行。喜捨には、宗教的義務のザカート、自発的に行われるサダカがある。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so0801171hy)

原題:Optimalisasi Dana Zakat bagi Korban Bencana
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=320165&kat_id=256



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