2007年11月24日(土)

気候の変化、巡礼団に影響を与え始める

極端な気温の変化には、適応能力が必要

【メディナ】
 サウジアラビアのメディナに滞在しているインドネシア・メッカ巡礼団に、気候の変化による悪い影響が出始めている。寒暖の差が極端に激しく、低湿度の気候のため、インフルエンザや下痢、気管支炎、咳などの病気にかかる人が現れてきた。

 フライト・グループ(注1)の医者のところ、メディナ地区のクリニック、メディナのインドネシア・メッカ巡礼診療所(以下BPHI)で治療を受けている巡礼者にはこうした症状があり、患者数が増加し始めている。「一般に巡礼団が経験する体の不調は、気候の影響による病気の症状だ。インフルエンザの症状が最も多い」11月23日(金)メディナで、BPHIチームの医者の一人であるアグス・ウィディアットモコ氏は、このように発言した。

 昼から夜にかけて変化する気温は、とりわけインドネシア・メッカ巡礼団の体の抵抗力に強い影響を与える。彼によると、メディナでは気温変化が非常に大きいので適応能力が必要とされる。それに加えて、巡礼団はアルバインの宗教的義務(注2)を含む沢山の活動を行い、休息が少なくなるからだ、と彼は続けた。栄養のある食べ物や十分な飲み物をとらなければ、気候の影響による病気に非常に感染しやすくなる。

 メディナ、メッカ、ジェッダの現在の気温は摂氏16-35度間で変化し、湿度は32-80%に達する。日中の気温はたいていとても暑く、晩は冷え込み、明け方は乾燥する。メディナは季節の変わり目の寒い時期に相当する。この2日間のメディナの気温の観測では摂氏16-26度だった。12月が近づき、さらに冷え込みが予想されるため、巡礼団は体調を整えるべきだ。

 同氏は、若い人ほど抵抗力が強いと見なしている。気候の変化に対して弱いのは高齢の巡礼者だ。「高齢者は一般に体の抵抗力が弱いので、気候の変化にすぐ影響を受ける」

 インフルエンザや気管支炎の他によく現れる健康上の問題は、下痢などの消化不良だ。「消化不良は、巡礼者に合わない気候や食べ物が原因でも起こる。よく起こるのが下痢だ。この患者がBPHIで増え始めている」

 他に巡礼者が経験する健康問題は持病の悪化だ。例えばメタボリック障害(糖尿病)、腎臓障害、腎不全、心臓障害などで、こうした病気の患者はほとんどが高齢の巡礼者だ。彼によれば、宗教的義務を行う場所や他の場所で、押されて転んだ巡礼者もBPHIで治療を受けているという。ソロから搭乗した巡礼者のユスロさんは、ジェッダ空港で転び骨折して現在治療を受けている。

 メディナで現在までフライト・グループの医者から治療を受けた巡礼者は、3,199人に達し、メディナ地区のクリニックの患者は105人、BPHIでは81人になる。サウジ・アラビア病院で治療するように指示された巡礼者の患者は7人に達した。

【n wed 記者】


注1) フライト・グループ: メッカ巡礼に行く際、出発地域ごとに結成されるグループ。出発地域に加え、それぞれのグループに番号がつけられる。グループごとに人数の差があり、100人程度のものから数百人に及ぶものもある。それぞれのグループに医師等の役員が同行する。
注2) アルバインの宗教的義務: 巡礼者が預言者モスクで行う40回の礼拝のこと。アルバインは、アラビア語で数字の40を意味する。預言者モスクは、メディナにあるイスラーム教の礼拝堂で預言者ムハンマンドの霊廟でもある。このモスクで礼拝すると他のモスクでの礼拝の1000回分に匹敵すると言われ、多くのメッカ巡礼者が立ち寄る。



(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0711241kk)

原題:Perubahan Suhu Mulai Pengaruhi Jamaah
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=314888&kat_id=106



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