2007年11月8日(木)

アル・キヤダーは禁止宗派

【ジャカルタ】
 インドネシア・ウラマ協議会が、異端の宗派と断定したアル・キヤダー・アル・イスラミヤは、民間信仰団体監視調整本部(Bakorpakem)の会議の結果、インドネシアでの布教が公式に禁止されることになった。

 「アル・キヤダーの教えは異端であると判定され、インドネシアで禁止されることになった」最高検察庁次席検事のウィスヌ・スブロト氏は、11月7日(水)ジャカルタの最高検察庁ビルでBakorpakemの会議終了後にこう語った。

 非公開で行われたこの会議は、最高検察庁長官ヘンダルマン・スパンジ氏が議長となり、宗教省、インドネシア国軍、インドネシア・ウラマ評議会(注1)、インドネシア共和国警察、それに国家情報局の各代表が出席した。この会議ではインドネシアにおけるアル・キヤダーの禁止が決められたほか、インドネシア・ウラマ評議会に対しては、信仰とイスラーム法から逸脱しており拡大中の民間信仰団体を、引き続きよく調査するよう勧告がなされた。

 Bakorpakemは、宗教大臣および宗教社会団体の指導者に対し、信徒の教導を強化するよう勧告するとともに、人々に対しては異端宗派と接する上で無政府的行動をとることがないよう要請した。

 ウィスヌ氏は、Bakorpakemはインドネシア・ウラマ評議会が定めた異端に関する10の判断基準に従ったと述べ、このBakorpakemの勧告に従って最高検察庁長官は次の措置を取ることになるとし、次のように語った。「最高検察庁長官は、いまその宗派の教えを禁止する決定を下す手続き中だ」

 またウィスヌ氏は、このBakorpakemの会議中、アル・キヤダーの指導者アフマド・ムシャデクに対し、インドネシアの宗教学の教授たちと議論する機会を与えるべきという提案があったことを明かした。その議論において、ムシャデクが自分の宗派が異端であると悟れば、彼に本来の教えに戻ること、さらにアル・キヤダーの解散を宣告することを要請できるという筋書きだ。

 イスラーム教徒擁護者チーム(注2)長、マヘンドラダッタ氏は、異端の教えが現れるのは、人々の社会学的要因と非常に深い関係があると述べている。その要因とは、貧困と高いストレスで、その結果として、人々はしばしば何かを手に入れるために近道を探すと言う。

 他の要因としては、少なからぬ人が簡単に騙されること、よく考えれば常識に反していることについて不合理な考えかたをすることがあげられる。

 ワヒド協会の専務理事アフマド・スアエディは、このような宗派が現れることを、本流または本筋の宗教家たちは、自己反省の材料にするべきだと述べた。




注1) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者がさまざまな問題に対しイスラーム法に基づいた見解を出す官製のイスラーム法学組織
注2) イスラーム教徒擁護者チーム: バリ爆弾事件の容疑者の弁護を引き受けるなどイスラーム教徒の利害を守るために結成された弁護士のチーム




(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so0711081hy)

原題:Al Qiyadah Aliran Terlarang
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=313008



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