2007年11月3日(土)

最高検察庁、来週アル・キヤダーの位置づけを確認

警察はこの宗派が社会不安を引き起こした際、出動あるいは法的措置をとるだけだ

【ジャカルタ】
 最高検察庁は、来週アル・キヤダー・アル・イスラミヤ(注1)の位置づけを決定する。この教えに対し、インドネシア全土で禁止措置を取るかどうか決定を下すことになる。

 「来週11月7日(水)に会議を開き、アル・キヤダー・アル・イスラミヤの教えが既存の宗教の教えに反していないかを決定する」と最高検察庁長官ヘンダルマン・スパンジ氏は、11月2日(金)ジャカルタでの政治治安調整会議に出席する前に語った。

 ヘンダルマン氏は、各地の民間信仰団体監視調整本部から、この宗派が異端の教えであることがすでに報告されているとして、次のように語った。「各地の地方検察庁、高等検察庁からの報告を来週の会議で討議することになるだろう」彼はまた、警察はこの宗派が社会不安を起こした際に、アル・キヤダー・アル・イスラミヤ信者に対し法的措置を取るだけだと語った。

 同じく調整会議に出席する前に、国家情報局長(BIN)のシャミール・シレガル氏は、現在約8千人のアル・キヤダー・アル・イスラミヤの信者が記録されていると述べ、「次にとる措置は、彼らが正しい教えに戻るよう指導することだ」と語った。

 一方、アル・キヤダー・アル・イスラミヤの指導者アフマド・ムシャデクと6人の弟子は、10月29日(月)夜、首都警察本部に出頭した。マフトゥー・バシュニ宗教大臣は、アフマド・ムシャデク、別名ハジ・サラムが広めている教えは真のイスラームの教えから大きく外れており、アル・キヤダーは異端の教えだと明言している。

ラトゥ・アディル(正義の王)
 宗教省の研究開発本部長アト・ムザハル博士は、アル・キヤダー・アル・イスラミヤのような異端の教えが現れたのは、経済の落ち込みやラトゥ・アディル(注2)あるいは救世主に関する信仰と関係があると見ている。「信者は将来に対する希望がないと感じている人々で、彼らはアフマド・ムシャデクのような人物が現れるのを期待していたのだ」と11月1日(金)夜ジャカルタでの「世俗国家においてイスラーム教徒として生きる」という討論会の合間に語った。

 ムザハル博士は、インドネシア・ウラマ協議会(注3)が異端であると裁定したこの教えは、確かに刑法の各章に抵触しており、イスラームの教えを汚しているので、警察が活動を停止させるのは当然との見解だ。「アル・キヤダーは、イスラームはすでに破壊されており、預言者ムハンマドの世はすでに終わり、自分が彼にとって替わったと主張しているので、明らかにイスラームを冒涜している。このことはインドネシア・ウラマ協議会の裁定に対するアル・キヤダー側の十数ページにわたるコメントに書かれている」

 また、アル・キヤダーは、今なおメッカでの戦いの時代の段階にあるので、礼拝もラマダーン(注4)の断食もまだ義務ではないと主張している。彼らは、アル・キヤダーには闘争の6段階があるとしている。最初が秘密の闘争、(次いで)直接的な闘争、聖遷、戦争、メッカ奪取と続き、最終段階は国家の樹立と唱えており、その国家樹立は2024年になるだろうと予言している。

 政府は幹部の身柄拘束のほかに、信徒たちに対する教導も行うことになるだろうとムザハル博士は述べた。続けて、宗教省による教導は、すでにアフマディア(注5)の幹部に対して行われており、すでに2度の話し合いを終えていると述べた。

 「われわれ(宗教省)は成果があったと見ている。アフマディアに対し、7つの選択肢を与えた。例えば、解散、正しいイスラーム教への復帰、独自の宗教の設立、民間信仰あるいはマズハブ(注6)への移行などだ。それらのすべてに意義がある」と語った。

 教導はまたインドネシア・イスラーム伝道協会(LDII)、あるいはイスラーム・ジャマアと呼ばれる団体に対しても行われたと彼は述べた。「その結果彼らは変わり、その教義も変化した」

【ant記者】




注1) アル・キヤダー・アル・イスラミヤ: イスラーム系を自称する新興宗教団体2000年にボゴール近辺の村に住む人物によって設立された。
注2) ラトゥ・アディル: 「正義の王」を意味する。人々に平和と後世をもたらすと信じられているジャワの神話上の王、一種の救世主伝説
注3) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者がさまざまな問題に対してイスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
注4) ラマダーン: イスラーム暦の9月。断食月
注5) アフマディア: 1889年インドのパンジャブ地方で生まれたイスラーム教の一派
注6) マズハブ: 学派を意味する語で、イスラーム法学、神学に用いられる。スンナ派は、法学では四学派(ハナフィー派、マーリク派、シャフィイー派、ハンバル派)を認める。




(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so0711031hy)

原題:Kejakgung Pastikan Status Al Qiyadah Pekan Depan
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=312477&kat_id=6



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