2007年9月9日(日)

ラマダーンの宗教的義務の神聖さを堅持せよ

【ジャカルタ】
 インドネシア・ウラマ評議会(注1)は、政府と国の諸団体に対して、イスラーム暦(注2)1428年のラマダーン(注3)月の、断食の義務の神聖さを堅持する上での役割をもっとしっかり果たすように、注意を呼びかけた。

 「我々は、政府に対して、昼間(日の出から日没まで)営業している娯楽施設、レストラン、食べ物売りを閉店を含めて取り締まり、爆竹を鳴らすなどの悪い習慣を禁止するように要請する」と、土曜日(9月8日)、同評議会の総裁であるM・イヒワン・サム氏は発言した。

 さらに同評議会は、インドネシア放送委員会に対しても、放送団体が為す諸違反についての監視者、取締者としての役割をもっと十分に果たすように注意を喚起した。

 一方、映画検閲団体に対しても、ラマダーン月には検閲にもっと目を光らせるように要望した。「映画やテレビドラマ等の放映画像だけでなく、その中の対話内容についてもだ」と、同氏は発言した。

 マスコミに対しては、媒体が印刷物(新聞や書物等)でも電波でも、不倫や離婚などの家庭内の波乱を含んだ放送やコラムのプログラムを提供しないように、注意を呼びかけた。

 支配的、露骨、卑猥な暴力、子供たちや青少年にとって身の毛のよだつような題材や、目に見えないミステリーの世界(霊など)についての描写を含むシーンが登場する番組も放送しないように要望した。

 ラマダーンの初日を決定する計算の相違に関連して、同評議会は、イスラーム暦1428年のラマダーン月の初日決定の合意がなされるように、すべてのイスラーム団体(下部組織)に対しても、火曜日(9月11日)の決定会議に出席するように注意を促した。

 イヒワン・サム氏は次のように述べた。その会議で、すべてのイスラーム団体が、イスラーム暦1428年のラマダーン月の1日の決定に関しての見解を述べる機会を持つことができる。「我々は、いつも『相違は神の恩恵』という考えだ」

 一方、マフトゥー・バシュニ宗教大臣は、土曜日(9月8日)、マランにて、次のように述べた。「当局は、火曜日(9月11日)に、インドネシアで職務につくイスラーム団体やイスラーム諸国大使らを含むモニタリング(新月を確認するプロセス)に関わるすべての社会的構成要素となる人々を招待する予定だ」

 さらに同大臣は次のようにも述べた。ラマダーン月の初日を決定する新月を確認するプロセスは、9月12-13日の2日間、西部インドネシア時間(注4)の午後5時より謀民放テレビ局で生放送で放映される。

 インドネシアでは、ラマダーンの初日と最終日を決定する権限は、政府つまり宗教省や決定会議当局にある。しかし、この前提はまだ見解の相違を残し、時には実際に必要のない論争を引き起こす。

 そのため宗教省は、インドネシアのヒサブ(注5)とルクヤト(注6)の専門家グループが、ヒサブとルクヤトの基準を再検討する考えを出していることを歓迎する。このことは、インドネシアのイスラーム・カレンダーの統一を探求する始点となる。

【ant/yus/dam 記者】

注1) インドネシア・ウラマ評議会: インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
注2) イスラーム暦: ヒジュラ暦とも言う。預言者ムハマンドがメッカからメディナに移住した622年を紀元とする。月の運行を基本とする太陰暦で1年が太陽暦より11日短い。今年(西暦2007年)はイスラーム暦1428年に相当する。
注3) ラマダーン: イスラーム暦9月 断食月
注4) 西部インドネシア時間: インドネシア時間は、西部インドネシア時間(日本時間−2時間)、中部インドネシア時間(日本時間−1時間)、東部インドネシア時間(日本時間と同じ)に分かれいる。首都ジャカルタは、このうち西部インドネシア時間に属す。
注5) ヒサブ: 計算の意味
注6) ルクヤト: 月齢を読むこと
イスラーム法の規定により毎月の開始は新月を見て決めなければならないが、空が曇っていて見えない場合は1ヶ月の日数が29日または30日と定められていることをベースとして計算(ヒサブ)によって決める



(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0709091kk)

原題:Jaga Kesucian Ibadah Ramadhan
http://www.republika.co.id/koran_detail.asp?id=306312&kat_id=375



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