2007年6月14日(木)

インドネシアのイスラーム教徒に学びたい

 英国のイスラーム教徒は、インドネシアのイスラーム教徒に学ぶことを望んでいる。それは、彼らが宗教の教えと固有文化の融合を果たし、インドネシアのイスラーム教徒としての独特のアイデンティティを創造することに成功したため、と英国のウラマ(注1)ムシャラフ・フセイン博士は語った。

 6月14日(木)ジャカルタでムハマディア(注2)の議長ディン・シャムスディンとの面会時に博士は以下のように述べた。
 「英国のイスラーム教徒は、英国のイスラーム教徒としてのアイデンティティを創造する過程にあります。そのため、特徴的なインドネシア・イスラーム教徒アイデンティティを上手く、またスムーズに創造することに成功したインドネシアから学びたいと考えているのです」

 博士は以下のように語っている。インドネシアのモスクにブドゥッ(注3)があることは、インドネシア・イスラーム教徒の特色の一例である。

 英国のイスラーム教徒の数は、現在200万人に達しており、そのうち約60%を40歳以下の人たちが占めている。

 英国は、伝統と高い寛容性を持った自由民主主義を信奉しているが、この君主制の国では世俗生活が強い影響力を持っており、そのおかげでしばしば英国のイスラーム教徒は彼ら独自のアイデンティティを失う結果になっている。

 「実際には近代性と宗教の間に反目はない、そう私は信じています。この事について、私たち(英国のイスラーム教徒)は、みなさん(インドネシアのイスラーム教徒)から多くを学ぶ必要があります」とノッティンガムのカリミア協会の理事でもあるフセイン博士は述べた。

 フセイン博士は、3人の英国イスラーム教徒使節であるアーシム・シドゥキ、ムハマンド・ビラール、サビーラ・ラッハと共にムハマディア本部を訪れた。

 このイスラーム教徒使節は、英国人7名、インドネシア人7名の合計14名のメンバーで構成された英国−インドネシア・イスラーム顧問団(IAG)の一部、とムハマディアの議長ディン・シャムスディンは語った。

 英国のIAGメンバーには、今回訪イした4人のほかにミシャル・フセイン、ムーラナ・シャヒード・ラザ、そして歌手で社会活動家でもあるユーセフ・イスラーム(別名:キャット・スティーヴンス)の3人がいる。

 一方、インドネシア側のIAGメンバー7人は、ハシム・ムザデイ(ナフダトゥル・ウラマ)、ディン・シャムスディン(ムハマディア)、アズユマルディ・アズラ(ジャカルタ・国立イスラーム大学)、マルワー・ダウド・イブラヒム(インドネシア・イスラーム教徒知識人協会)、ナサルディン・ウマル(宗教省)、アブドゥル・ムクティ(ムハマディア青年部)、イェニ・ザンヌバ・ワヒド(ナフダトゥル・ウラマ青年女子部)である。

 IAG自体は、英国のブレア首相が2006年3月29−30日にインドネシアを訪問にした際、ユドヨノ大統領とブレア首相の2人が創設した。

 IAGの会合は、宗教上の過激主義の防止、平和的かつ慈悲と寛容の精神を持った宗教としてのイスラームの普及促進、イスラームと西洋との相互理解の推進の3つの目的を達成するため、両国政府に対する勧告のとりまとめを行っている。

注1) ウラマ:イスラーム法宗教学者
注2) ムハマディア:改革派イスラーム団体
注3) ブドゥッ:祈祷の時間を知らせて人々を集めるために鳴らされる太鼓



(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so0706142hy)

原題:Umat Islam Inggris Ingin Belajar dari Muslim Indonesia
http://www.republika.co.id/Online_detail.asp?id=296678&kat_id=23



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