2007年4月18日(水)

非イスラーム教徒はイスラーム法を恐れることはない

 インドネシアのイスラーム教徒は、世界最大のイスラーム教徒コミュニティとして、穏健となるべきで、教義を忠実に実践しなければならない。だが、インドネシアの非イスラーム国民は、イスラーム教徒がイスラーム法を実践しても恐れることはない。

 ナフダトゥル・ウラマ(注1)理事長サイド・アギル・シラジ氏は4月17日(火)、カラ副大統領とジャカルタのムルデカ・スラタン通りに位置する副大統領事務所で会談した後、このように発言した。サイド氏によれば、副大統領も、インドネシアのイスラーム教徒がイスラーム法を忠実に実践するよう忠告したという。

 サイド氏は、以下のように副大統領のメッセージを伝えた。

 「副大統領は、これまでイスラーム法を実践し続けてきたと語っている。しかし、非イスラーム教徒は、イスラーム法の実践を強いられるのではと恐れることはない。非イスラーム教徒は、イスラーム法の実践を強化しても不安に感じることはない」

 ナフダトゥル・ウラマ・全国イスラーム寄宿塾協会(別称:Rabithah Ma'ahid Islamiyah 、略称 RMI、会員数1万2千)理事長マフムッド・アリ・ザイン氏も、サイド氏と同行した。同協会は2007年5月18日から20日、東ジャカルタ市のポンドック・グデで全国規模の会合を行い、またイスラーム寄宿塾の親交も深める予定だ。その会合は、大統領官邸でユドヨノ大統領が開会し、副大統領が閉会をすることになっている。

 イスラーム寄宿塾の多くは、ナフダトゥル・ウラマの傘下にある。ナフダトゥル・ウラマのイスラーム寄宿塾は、イスラームの教えを学ぶためにあるのであり、過激派やましてはテロリストを生み出すためにあるのではないとサイド氏は保証すると言い、次のように語った。

 「イスラーム塾創立の目的は、イスラーム、ハディース(注2)解釈、イスラーム法学を研究し、正しい宗教理解を教育することだ。ナフダトゥル・ウラマのイスラーム寄宿塾では、憲法を変えたりイスラーム指導者国家を築くための教育を行っているのではない」

 過激派の考えを広めないために、インドネシアのイスラーム教徒は穏健でなければならない。「穏健なナフタドゥル・ウラマ、穏健なムハマディア(注3)、穏健なプルシス(注4)、穏健なヒズブット・タフリル(注5)となるよう私は常に主張してきた。穏健でなければ、それはアッラーの求める人としてあるべき姿から外れている」とサイド氏は語った。

 一方、マフムッド・アリ・ザイン氏はナフダトゥル・ウラマ・全国イスラーム寄宿塾協会の全国規模の会合で、イスラーム寄宿塾が良い教育システムと経営でいかに経済的に自立していくかを話し合うつもりだとし、「イスラーム寄宿塾は他に頼ることなく、自立すべき」と発言している。近代的で、原理主義的な教育を行なう上で、イスラーム寄宿塾の創造性も討議される予定である。

注1) ナフダトゥル・ウラマ: 伝統主義的イスラム組織
注2) ハディース: ムハンマドの言行録
注3) ムハマディア: 改革派イスラーム団体
注4) プルシス: イスラーム組織
注5) ヒズブット・タフリル: 政治組織


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:so0704181kk)

原題:'Non-Muslim tak Perlu Takut Syariat Islam'
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=289931&kat_id=6



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