インドネシア語新聞翻訳
2010年8月19日(木)
【デティック紙】


MUIは汚職者の遺体の礼拝に関するハラムのファトワを出すつもりはない

【ジャカルタ】
 インドネシア・ウラマ評議会(訳注1、略称 MUI)は汚職者の遺体を礼拝してはいけないというウラマ(訳注2)の意見を支持している。しかし、MUIはそのことに関するハラムのファトワを出さないつもりだ。

 「MUIはそのファトワをまだ決定していない。汚職が〔宗教的義務と関連付けて〕ハラムであるならば、MUIはファトワを出す」木曜日(2010年8月18日)にジャカルタのプロクラマシ通りにあるMUI事務所で、MUIのアミダン議長はそう述べた。

 汚職をした者は礼拝されない、という意見のウラマが存在してもやむを得ない、と同議長は述べた。その呼びかけは汚職対策キャンペーンの試みだからだ。

 「そのように大げさであるのもやむを得ない」と同議長は述べた。

 一方、もう一人のMUI議長であるスラメット・エッフェンディ・ユスフ氏は、汚職を宗教的義務に関連付けることにあまり同意していない。このゴルカル党の元政治家〔であるスラメット氏〕によれば、汚職者には重刑が下されることが最も重要だという。

 「私は汚職者は重く罰せられ、必要ならば死刑に処せられることの方を支持する。宗教的義務にはあまり関連付けないように」とスラメット氏は述べた。

 ナフダトゥル・ウラマ理事会意思決定機関のマリック・マダ二事務総長が、最初にこの案を提示した。同事務総長はナフダトゥル・ウラマのウラマに対して、汚職事件のために入所したことがある者の遺体を礼拝しないように要請した。

 その規定は、ある時戦利品を不正な目的に利用した者の遺体の礼拝を嫌った、預言者ムハンマドの歴史〔上の話〕を模範としている。戦利品は現代では国の資産と同義である。

 「かつて預言者ムハンマドは当該者に対する道徳的な刑罰として、その遺体の礼拝を嫌った。また、他の人々が汚職者が行ったことを真似しないように。汚職を行うと遺体はムハンマドによって礼拝されないことになる、という一種の警告だった」と同事務総長は付け加えた。

 しかし同事務総長の説明によれば、ムハンマドはそれでもなお、汚職を行ったことがある者の遺体を礼拝するように命じていたという。遺体の礼拝はイスラームにおいて義務法となっているからだ。

【gun/ndr記者】

訳注
1) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
2) ウラマ: イスラーム教の宗教指導者、法学者

(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:po1008195kk)

原題:MUI Tidak Akan Keluarkan Fatwa Haram Salatkan Jenazah Koruptor
http://us.detiknews.com/read/2010/08/19/152529/1423691/10/mui-tidak-akan-keluarkan-fatwa-haram-salatkan-jenazah-koruptor


ISEA インドネシア語新聞翻訳 TOPへ

ISEA TOPへ