インドネシア語新聞翻訳
2009年10月8日(木)
【メディア・インドネシア紙】


災害への拙劣な対応

 西スマトラ州で震災が起きてから1週間以上が経過したが、まだいくつかの大きな問題が次々と現れている。食料品と医薬品の在庫不足に始まり、連絡調整のもたつき、援助品の配給の滞りに至るまで。

 このような様々な問題は今回西スマトラ州に見られただけではない。災害があるたびに毎回この政府はその対応にもたついている。

 災害対策に関する2007年法律24号がすでにあるにもかかわらずだ。この法律は、災害前、災害時、災害後の対策に関する中央から地方に至るまでの制度について、罰金および懲役の制裁まで定めており、全てを網羅した包括的なものだ。

 この法律に基づいて、政府は2008年に全国災害対策本部(BNPB)と地方対策本部を組織した。災害が発生するごとに責任を持つのは、特定の省には属さず独立した省と同格であるこの組織だ。BNBPは以前あった「災害および難民対策調整組織」に代わるものだ。

 現在BNPBの長官にはシャムスル・マアリフ氏が就いており、19人の役員がいる。役員のうちの9人は、去る2月に専門分野から適性テストを通じて国民議会によって選ばれた人たちで、スギミン・プラノト、スディビャクト、サルウィディ、タブラニ、I. ニョマン・カンドゥン、KRT アディクスモ・プラセティオ、ディディク・エコ・ブディ・サントーソ、ザイヌディン・マリキ、そしてアグス・ハサン・スリスティオノ・レクソプロジョの各氏だ。既に法律があり活動組織がありながら、残念なことにこの政府は相変わらず災害の克服に失敗している。その原因は責任感のなさと法律の不履行が繰り返されているからだ。

 例えば予算について述べてみよう。BNPBに割り当てられた予算、は2009年が1000億ルピア(約10億円)で、2010年は1720億ルピア(約17億円)に3兆ルピア(約300億円)の予備予算だった。(訳注1)

 しかし、アチェ、ジョグジャカルタ、そして今回の西スマトラ州の被災規模は非常に大きく、広範囲にわたって破壊が見られた。さらに、資金は災害が起きたときだけでなく、その前にも後でも必要とされる。これらを考えると多額の資金が必要であることが明らかだ。

 政府の責任感のなさは中央だけではない。法律が2007年に作られ、BNPBが2008年に結成されたにもかかわらず、西スマトラ州の地方対策本部は2009年7月に組織されたばかりだ。パダンとパダン・パリアマンで地震が起きたときには、結成後まだ3ヶ月しかたっていなかった。その結果、その組織はまだ独自の予算を持っておらず、生まれたばかりの組織が大きな災害に直面して右往左往したのも当然だ。

 学ぶべき教訓は、政府は予算を増やす以外に、災害の高い危険性のある地域すべてに州レベルにおいても、県/都市レベルにおいても、直ちに災害対策本部を結成することだ。

 しかし、それらの組織も連絡調整がお粗末であれば役に立たないだろう。従って劣らず重要なことは、連絡調整の質を向上させ、援助が素早く、完全に、そして災害地すべてに均等に行き渡るようにすることだ。


訳注1) 予備予算: 災害が発生した場合に備えての予算で2009年も3兆ルピアだった


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:po0910083hy)

原題:Buruknya Penanganan Bencana
http://anax1a.pressmart.net/mediaindonesia/MI/MI/2009/10/08/ArticleHtmls/08_10_ 2009_001_005.shtml?Mode=0



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