インドネシア語新聞翻訳
2009年9月29日(火)
【メディア・インドネシア紙】


〔アチェ州〕イスラーム法適用が良い影響を与えている

【ジャカルタ】
 アチェ州におけるイスラーム法適用が、アチェ住民の生活に良い影響を与えている。ジャカルタのシャリフ・ヒダヤトゥッラー・国立イスラーム大学フザイマ・T・ヤンゴー教授によれば、このイスラーム法適用はアチェ社会に見られた良からぬ振舞いを減らすのに成功している。

 以前は酒を飲んだり賭博をする人々があちらこちらで見られたが、イスラーム法が施行されて以来、このような行為は見られなくなった。これはアチェにおけるイスラーム法の適用が良い影響をもたらしたことを意味する、とフザイマ教授は27日(日)本紙に語った。

 同教授は、アチェを訪れたときにその地の何人かの有力者から得た情報として、酒を飲んだり賭博をしているのが見つかった者は、鞭打ち6回などというイスラーム法の適用によって、その行為者たちは懲りて再びそのようなことを行わない、と語った。

 同教授によると、イスラーム法体系によれば飲酒者および賭博者に対する刑は40回までの鞭打ちとなっているが、今のところ鞭打ちは6回のみだ。彼は、イスラーム法が正しくきちんと適用されるならば、アチェ住民の生活はさらに良くなるだろうと楽観視している。

 「なぜなら、イスラーム法を適用する本来の目的は個人、家族、そして社会の生活と繁栄を高めるためだからだ」と同教授は語った。彼はまた、これまでイスラーム法の適用を否定的に見ている西側の国々が挙げている根拠を疑問視している。

 インドネシア・ウラマ評議会(MUI)(訳注1)のマルフ・アミン議長は、アチェ州はイスラーム法の適用が許されている特別地方自治法の下にあるので、アチェがイスラーム法を適用しているのは決して違法ではないと表明している。「神様の思し召しがある限りは、アチェの人々にとってもインドネシアの国民にとっても問題は起きない」と彼は語った。

 一方、インドネシア・伝道師協会のアフマド・サトリ・イスマイル議長は、信者あるいは国民が、天と地からの恵みと充分な生計を得ようと望むならば、天と地の所有者であるアッラーの神の命ずるところに従うべきだと述べている。

 そのため、アチェの住民と政府がイスラーム法を賢明、誠実、かつ寛大な方法と適切な措置で適用するならば、彼らはアッラーの神から祝福を与えられるだろうと同議長は語った。「大切なことは[イスラーム法適用の]意図を間違えないことだ」

 イスラーム法の適用は、真にアッラーの神の意図に沿うものであるべきで、権力や現世的な利害を求めるためであってはならない。彼は、イスラーム法を適用するのは容易なことではないと認めている。様々なところからの試練や障害が多く、その一つが西洋社会からのものだ。

 彼らは、ある信者あるいはある国民がアッラーの命令を立派に実行するのを好まない、とサトリ議長は説明した。彼らが行う妨害の試みを深刻だとみなす必要はないが、イスラーム法の適用は全ての側から受け入れられるように、段階的に行うべきだと彼は注意した。

 それは、例えば手を切り落とすようなことはしないなど、イスラーム法を硬直的に適用しないことを意味する。最初の段階は、人々がまず信仰を持つ、あるいは神の唯一性を認めることで、その後礼拝をしたりイスラーム法に従うなど信仰の規範を守り、豊かな暮らしを求めてゆくことだ。そのようにして彼らはイスラーム法適用を立派に受け入れることができる。

 サトリ議長は収穫の端境期のことを例としてあげた。カリフ(訳注2)のウマル・ビン・カッタブは、盗みを働いた者に断手の刑を科さなかった。なぜならその盗みの理由が自分を裕福にするためでなく、必要に迫られてのことが明らかだったからだ。「これはイスラーム法の適用が硬直的でない例だ」


訳注
1) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対して、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
2) カリフ: 元々は預言者ムハンマドが亡くなったあと彼の後継者を意味していたが、その後イスラーム国家の元首の称号としても使われるようになった。ウマルはムハンマドの後継者の一人で第2代カリフ。


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:po0909291hy)

原題:Penerapan Syariat Islam Berdampak Positif
http://www.republika.co.id/koran/14/78536/Penerapan_Syariat_Islam_Berdampak_Positif



ISEA インドネシア語新聞翻訳 TOPへ

ISEA TOPへ