インドネシア語新聞翻訳
2009年8月14日(金)
【レプブリカ紙】


〔独立記念日に際して〕インドネシアは内省するべき

【ジャカルタ】
 インドネシアは〔建国以来〕年を重ね、64年が経過した。本来なら〔独立国家として〕もっと分別があり、賢明で、そして国家を運営する上でさらに冷静に考えることができる年齢のはずだ。去る1945年にアッラーの神から、独立という恩恵を受けてから長い年月が経過したが、この民族は、実際にその恵みや恩恵を十分には享受していない。あらゆる局面や分野で、様々な問題が渦巻いている。

 貧困、失業、教育、犯罪などの問題は、いまだ解決されていない。これは〔国民〕共通の懸念であり、独立記念日は、さらに良い状況を目指す覚醒の契機になることが望ましい。インドネシア・ウラマ評議会(訳注1)のイヒワン・サム総裁が述べているように、上記の諸問題を徹底的に解決することは、独立を成就する上での全国民の任務であり、宿題でもある。

 インドネシアでは、イスラーム教徒が最大とされている。そのため信徒は、インドネシア民族と国家の発展のために大きな責任も持つ。そして責任を持つことで、その発展は成就できる。現在信者の中には、それぞれの分野で素晴らしい人材がいるからだ。「そのようにして、国民を厳しい現状から救い出し、能力を世界に示すべきだ」とイヒワン総裁はきっぱりと述べた。

 同総裁によれば、インドネシアは確かに独立したが、国民は実際には発展途上にあるという。「つまり、我々はまだ運命を変えるために力を尽くしきれていない」そのため重要なことの一つとして挙げられるのは、全国民が内省することだ。「現在、我々は個別に行動している傾向があり、民族や国家の発展のための一体感がない。それではいけない」と同総裁は述べた。

 同総裁は次のように説明した。真の独立とは、他人の圧力から自由になり、自分自身の未来を描き、決定する状況を意味する。つまり民族が自立し、他の人々や民族に頼らないことだ。

信条の表現
 他方、テレビにしばしば登場する伝道師であるイヒサン・タンジュン師の見解では、独立の本質的な意味は、アッラーの神や預言者ムハンマドの心や行動に従うことだという。「独立とはアッラーの神が唯一であることを認識し、神に対する信条を表現することだ」と同師は述べた。

 アッラーのしもべになることは、独立を成就する上で最も重要なことだ。しもべとはアッラーに対して跪いたり、ひれ伏すことだけではなく、アッラーの神の全指示の真の意味を理解し、それを行い、アッラーが禁じるものは避けることだ。

 イヒサン師は次のように例をあげた。アッラーのしもべ〔になること〕とは、ハラル(訳注2)な食物を消費し、ハラム(訳注3)な食物は避けることだ。「預言者ムハンマドの言葉によれば、そのハラルとハラムなものは既にはっきりしているからだ」

 コーランの女性の章69節(訳注4)に明文化されているように、独立とは常にアッラーの指示に従う準備ができていることだ。そのためイヒサン師は、この[独立記念日という]機会に全信者に対して呼びかけた。民族と宗教の発展という課題を解決するため、神の守護を期待し、真の宗教の原点に戻り、アッラーの神に対して全力を尽くすように、と。

 それを受けて、インドネシア伝道者連合会(Ikadi)総裁でもあるアーマッド・サトリ・イスズマイル師は次のように付け加えた。イスラームが地上に降りてきたのは、全ての信者に慈悲を広めるためだ、と。

 その指針に基づけば、全ての人間は、他人から搾取し、他人を抑圧し、憎み、傷つけることが禁止される。「全人類がアッラーの神のしもべになり、奴隷制から解放されることをイスラームは望んでいる。そのため、他の民族を抑圧し、統治することは禁じられる」

 またサトリ師は、独立を成就するには、信者の経済、信者の教育、そして社会生活の向上に努めることに重点を置くべきだと注意を促した。「この国が持っているものは、信者や国民のために最大限に活用されるべきだ」と同師は断言し、さらに次のように述べた。指導者たちが国民の利益となることに大いに賛同し、弁護することが重要なことを改めて強調したい。「それこそが、この民族を心身ともに健康で豊かにできる」
【n c81/dam記者】


訳注
1) インドネシア・ウラマ評議会: 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織
2) ハラル: イスラーム法によって許容されている行為、摂取物
3) ハラム: イスラーム法によって禁止されている行為、摂取物
4) コーランの女性の章69節:「神とこの信徒の言いつけを守る者は、神が恩恵を垂れたもうた預言者たち、誠実な人たち、殉教者たち、善行者たちの仲間にはいる。これらの人々は、なんとりっぱな仲間であることよ。」藤本、伴、池田(訳)1970.『世界の名著15 コーラン』中央公論社、122ページ


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:po0908141kk)

原題:Indonesia Harus Bermuhasabah
http://www.republika.co.id/koran/52/69215/Indonesia_Harus_Bermuhasabah



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