インドネシア語新聞翻訳
2009年3月21日(土)
【メディア・インドネシア紙】


イスラーム政党の得票が減るとの予想

 2009年の総選挙でイスラーム政党の得票は減ると見られている。既存のイスラーム政党の中では福祉正義党(訳注1)を選ぶとした者が一番多い。

 2月8日から18日にかけて行われたインドネシア調査機関(LSI)の調べでは、イスラーム政党の得票率は24%のみで、2004年総選挙時の得票率38.1%と比較すると、下落している。

 「この調査では回答者の67%が非イスラーム政党を選び、イスラーム政党を選んだ者は24%、未だ分からないと答えた者が9%だった」とLSIの上級調査官ブルハヌディン・ムタディ氏は昨日ジャカルタで語った。

 「2009年総選挙を控えてイスラーム政党が選出される可能性を探る」と題したLSIのこの調査は、誤差幅2.4%の無作為抽出法により2,455人の回答者を対象として行われた。

 回答者が選んだイスラーム政党は、民族覚醒党(訳注2)5%、開発統一党(訳注3)5%、福祉正義党6%、国民信託党(訳注4)4%、ウラマ覚醒党(訳注5)1%、月星党(訳注6)1%だった。

 イスラーム政党の選出可能性に関するこの数字は最大値ではない。なぜならイスラーム教徒の選挙人は、非イスラーム政党のほうが綱領と人物においてより優れ、国民に対する関心を持っていると認識しているからだとブルハヌディン氏は述べた。

 調査では、76%の回答者が政府の手がける最も緊急の課題として、経済問題と国民の福祉の問題を挙げた。それに続くのが国民の統一と行政の問題で15%、法の確立が8%だった。一方、モラルと宗教の問題を挙げた者はわずか0.8%だった。

 「インドネシアのイスラーム教徒有権者は基本的に合理的だ。合理性を護ることができる政党がイスラーム教徒有権者からも非イスラーム教徒有権者からも大きな支持を得るだろう」と彼は説明した。

 同氏はイスラーム政党が固定した有権者だけでなく、これまで民族主義的政党を選んできた有権者をも新しく開拓するよう提案している。

 「即ち、イスラーム政党は現状に目を配り、国民福祉のためのより具体的な諸施策を提供すべきで、宗教的な感情に訴える言辞を頼みにしてはならないということだ」と彼は述べている。

 開発統一党中央本部役員会議長のイルガン・ハイルル・マフィズ氏は、調査の精度を問題にしている。彼は2004年の総選挙の時、開発統一党が5大政党からはじき出されるとさまざまな調査で予想されていたことを、例にあげた。「しかし、結果としてわれわれは第4位だった」とイルガン氏は語った。


訳注
1) 福祉正義党: 大学キャンパスでの宣教活動を基盤として生まれたイスラーム政党
2) 民族覚醒党: ナフダトゥル・ウラマを基盤とするイスラーム政党
3) 開発統一党: スハルト政権期から続くイスラーム政党
4) 国民信託党: ムハマディアを支持基盤としたイスラーム政党
5) ウラマ覚醒党: プサントレン(イスラーム寄宿塾)のウラマー(イスラームの宗教指導者)が中心となって設立された政党
6) 月星党: 旧マシュミ党の継承者を自認するイスラーム政党


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:po0903213hy)

原題:Suara Partai Islam Diperkirakan Turun
http://anax1a.pressmart.net/mediaindonesia/MI/MI/2009/03/21/ArticleHtmls/21_03_2009_004_003.shtml?Mode=1



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