インドネシア語新聞翻訳
2008年12月20日(土)
【メディア・インドネシア紙】


キヤイは政治の場で今も必要とされている

【ジャカルタ】
 政治活動を実践しているキヤイ(訳注1)やウラマ(訳注2)の多くは、信者たちに無関心になったり、ばらばらに分裂させたりすることはなく、むしろまとめ役となっている。

 「キヤイやウラマが政治活動に参加すると、信者に無関心になったり、信者が分裂したりすると言うのは正しくない。キヤイやウラマの役割によってインドネシアの政治世界は豊かになっていると思う」民族覚醒党の(訳注3)ルクマン・エディ中央本部役員会事務局長は12月20日(土)ジャカルタで語った。

 ルクマン氏はインドネシア国が形成されて以来、独立運動を支える上でのキヤイの役割は非常に大きかったと評価している。したがって、キヤイを軽視しようとする人はインドネシアのキヤイが担ってきた文化をよく勉強する必要があると述べている。

 彼はまた「キヤイやウラマ役の関与がなければ、民族の姿はあいまいなものになるだろう。イスラーム寄宿塾もキヤイの政治の場での活動努力を支持し続けていると私は思う。そう、当然彼らは真理と人々の豊かな暮らしのために闘っているのだ」と述べた。

 ルクマン氏によると、イスラーム寄宿塾指導者のこの政治関与は、信者から託された立派な役目である。そしてこの国のさまざまな問題の中で、キヤイあるいはウラマの政治関与が、状況解決に対する貢献度を増していることが立証されている。「彼らは友好的な状況、危機的な状況いずれでも必要とされている」と述べた。

 一方、開発統一党(訳注4)のイルハン・ハイルル・マフィズ事務局長は、キヤイとウラマの政治参加はその政党の支持者を鼓舞し元気づけることになると語った。「彼らは政党のイデオロギー面での最大のバックボーンとなり、党の精神を担う者になることができる」と述べた。

 彼はこの党のイデオロギーが折りに触れて確認されるのであれば党の力は長く保たれるだろうと述べ、「ウラマたちのこの力が動機づけ、問題解決、やる気を促し、その結果党に力を与えることができる。そのため、われわれは党勢を守るために彼らの関与を歓迎している」と明言した。

 一方、バンドゥンのパジャジャラン大学の政治学者デデ・マルヤナ氏は政治文脈の中でのキヤイとウラマの参加は、2つの重要な点、つまり活動家としてのキヤイと支持者としてのキヤイの面から検討されるべきだと述べている。「キヤイが政治活動に従事し活動家と呼ばれる場合、彼が担っている役割を誤用しないという言質が必要だ。たしかに少なくないキヤイが政党に参加しているのだから」

 もっとも、活動家としてのキヤイの政党への関与度は、単なる参加者であるキヤイに比較して高いとデデ氏は説明し、「参加者であるキヤイは政党の行事に参加するだけで、党への関与度は低く、そのため彼らは政党活動よりもイスラーム寄宿塾で倫理やイスラームの価値観を教えることのほうが多い」と締めくくった。
【筆者:イワン・クルニアワン】


訳注
1) キヤイ: イスラーム教に関し深い学識を持つ長老格の人に対する尊称
2) ウラマ: イスラーム教の宗教指導者、法学者
3) 民族覚醒党: 伝統主義的イスラーム組織ナフダトゥル・ウラマを基盤とするイスラーム主義政党
4) 開発統一党: スハルト政権期から続くイスラーム政党


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:po0812203hy)

原題:Kiai Masih Dibutuhkan dalam Kancah Politik
http://www.mediaindonesia.com/index.php?ar_id=NTE3MzQ



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