インドネシア語新聞翻訳
2008年9月21日(日)


ポルノ法案の早急の可決を

【ジャカルタ】
 ポルノ法案が可決され法制化されるのは早ければ早いほど良い。何しろポルノ法案の審議は1997年から続いているのだ。「可決は早ければ早いほどよい」とポルノ法案に関する国民議会の特別委員会のメンバーであるムスタファ・カマル氏と女性のエンパワーメント省の社会文化・環境担当次官補のソフィナス・アサアリ氏は9月20日(土)ジャカルタで語った。

 ムスタファ氏はこの法案の内容上のさまざまな問題に関して、まだ意見や調整を受けつける用意があると説明した。調整がうまくゆけばそれだけ審議も早くなる。特に関連する各省とうまく調整が進みコンセンサスが出来上がれば審議が早くなるだろう。「もっとも、国会はまもなく選挙活動に焦点を絞る時期に入るので、非常に必要性の高いこの法案は、急いで可決する必要がある」と彼は続けた。

 ムスタファ氏は、この法案の内容は極めて重要なことであり、そのため各団体ともこの法案の可決に対して疑念を抱くような雰囲気を作るべきではないと言明した。このポルノ法案の可決が重要であることは、性産業がインドネシアをセックスのマーケットと販売の天国にしていることからも明らかだ、と彼は述べた。「AP通信も同様に報道している。この宗教的な東洋の国が、性産業にとってのフリーマーケットになっているのはどうしたことか。これは非常に憂慮すべきことだ」ソフィナス氏はこのポルノ法案は、ポルノ産業の規制を試みるものと言明した。「われわれはセックスに関する生産、販売、販売活動の問題に焦点を合わせている。これらはすべて刑罰対象となるだろう」と彼は語った。

 ソフィナス氏は続けて、あらゆる方面特に女性と子供の利害を守るために、国会が最終決定を下す前の審議の段階で、この法案を修正することは可能だと述べた。「国民の希望に沿うために譲歩することは可能だ。われわれはできるだけ早く可決したい。それでまだ欠点があれば違憲立法審査を行うことも可能だ」

宗教の領域
 ソフィナス氏は、長期にわたったこの法案審議の中で、しばしば政治と宗教の領域が結び付けられたことを認めた。さまざまな分野、政治も宗教もポルノには反対している。われわれはマルク、南カリマンタン、南スラウェシ、首都ジャカルタで公聴会を開く前にすでに33の州で広報活動を行った、またマレーシア、ドイツ、アメリカからポルノ産業の規制に関して意見も聞いている、とソフィナス氏は述べた。

 ポルノ法案特別委員会議長のバルカン・カプラレ氏は、ポルノ法案はすでに前進しており後退することはあり得ないと述べている。現に、この法案は可決までの7段階のうち、技術委員会、他の法律との整合性を審査する委員会、条文作成チーム、作業委員会、特別委員会の5段階の審議をすでに終えている。残る第6・第7段階は各会派が見解を提出することと裁決だ。

個人の領域
 一方、法律援護協会・正義のためのインドネシア女性連盟のラトゥナ・バタラ・ムンティ氏はこのポルノ法案の可決に断固として反対している。「内容が熟慮されていないだけでなく、条文も女性と子供をターゲットにした捉え方をしている」それだけでなく、成人のプライバシーに対する支配は、やがて国家による個人領域に対する干渉に発展しうると彼女は述べた。

 さらにラトゥナ氏が気がついていることは、プロセス上の手落ちだ。この法案は単なる公聴会でなく、一般の人も参加する形での意見を聞く広報が必要だ。この法案が児童を守るのであれば法案概説も変えなければならない。「そのほか、女性の体を罪深いもの、罪の源として位置づけるべきではない」

 文化人スジウォ・テジョ氏は、この法律は99%が教育および社会秩序とあとは規則であり、刑罰が含まれていないと評価している。「ただ、よく忘れられるのは人間は複雑なものだということだ。したがって、欲望を引き起こすことも人それぞれだ。この法案の中で議論を呼ぶのは主観に関する問題だ」

 彼はまた法案の21章に書かれている人々による監視の問題に注目している。宗教に対する理解がまだ低い状況では、人々が懸念している道徳警察行為(訳注1)が起こるかもしれない。


訳注1) 道徳警察: 狂信的な宗教組織による個人の生活に対する監視、干渉など

(翻訳者:山本肇)
(記事ID:po0809211hy)

原題:RUU Pornografi Segera Disahkan
http://www.republika.co.id/launcher/view/mid/22/kat/14/news_id/4214



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