インドネシア語新聞翻訳
2008年7月22日(火)


イスラーム政党はすぐに連合の検討を

イスラーム政党にふさわしい連合とは何かを定義する必要がある

 月星党(PBB)(注1)の党首アリ・ムフタール・ンガバリン氏は、以下のように表明した。イスラーム政党連合の検討を始めるべき時がきた。そのために2009年の総選挙に参戦するイスラーム政党幹部が近々一堂に会し、話し合うべきだ。

 「話し合いを持つことに障害はないと確信しており、連合は実行可能だ。話し合いの場では、2009年総選挙におけるイスラーム政党の真のターゲットは何かといったことを討議する。また共同で出来ることと出来ないことについても討議することになるだろう。連合の可能性は、まだ広く開かれている」アリ・ムフタール氏は7月21日(月)ジャカルタで語った。

 彼によると話し合いを早く行えば、それだけ良い結果を収めることが出来る。そして2009年の総選挙の前には、具体的な結果を出すことが望ましい。

 開発統一党(PPP)(注2)の事務局長イルガン・ハイルル・マフィズ氏もアリ氏と同意見で、各イスラーム政党の指導者たちが連合結成の可能性を検討することに合意している。

 「現存のイスラーム系諸政党が、来る2009年の総選挙に対し結束し、連合を組む可能性は十分にありうる。実際このような連合が1999年の総選挙のときにすでに行われている。当時はいくつかのイスラーム政党がグス・ドゥール(注3)を支持して大統領にした」と語った。

 イルガン氏は続けた。さらに2009年の総選挙で大統領または副大統領に立候補しようと考えている人物たちが、イスラーム諸政党の動向を仔細に観察しはじめているのが見られるようになっている。

 2009年の総選挙時の連合について、イスラーム各政党との話し合いはすでに行われているかと尋ねられたイルガン氏は、すでに行われていると明言した。「すでに連絡をとっており、たとえば、正義福祉党(PKS)(注4)、改革の星党(PBR)(注5)、月星党、ウラマー覚醒党(PKNU)(注6)などと連絡を取り合っている」一方、PKNUの事務局長イダム・コリード氏は、イスラーム政党の連合は確かに成立する可能性があると語った。その条件は、すべてのイスラーム政党がまず自党の利害にとらわれないことだ。

 「何が国民の真の問題になっているかを共同でまず見極めることだ」とイダム氏は述べた。

サントリ(注7)の連合
 政治評論家のファクリー・アリ氏は、イスラーム政党は2009年の総選挙で連合を組む前に何を意図するのかをまずきちんと策定する必要があると語った。きちんとした定義がなければ、連合ではなく逆に排他的なグループになってしまうので、これは重要なことだ。

 「イスラーム政党として何を意図するのかを決める必要がある、というのはイスラーム政党以外の政党にも、イスラーム教徒がいるからだ」とファクリー氏は述べた。

 自らをイスラーム政党とはっきり名乗っているのはほんの一握りだ。彼はイスラーム政党の例としてPPP、PKS、PBR、それにPBBの名を挙げた。

 民族覚醒党(PKB)(注8)はどうなのか。ファクリー氏はPKBをイスラーム政党とは認めていない。

 「PKBは自らをイスラーム政党と表明しているだろうか? 彼らはサントリが支持している政党のように見える。

 そのため、私はこのサントリを基盤とした連合を組むのがよりふさわしいと感ずる。というのは、サントリはイスラーム政党だけでなく多くの政党に散らばっているからだ」とファクリー氏は語った。イスラームだけを基盤として連合が組まれると、過去にそうであったように、間口を狭くすることになってしまう。

 「ブン・ハッタ(注9)がひとつの例だ。彼はイスラーム政党に属していなかったのでイスラーム政党の人物とは見なされなかった」とファクリー・アリ氏は語った。


注1) 月星党(PBB): 旧マシュミ党の継承者を自認するイスラーム政党
注2) 開発統一党(PPP): スハルト政権期から続くイスラーム政党
注3) グス・ドゥール: アブドゥルラフマン・ワヒド元大統領の愛称。1999年〜2001年の間、第4代インドネシア大統領を務めた。東ジャワの宗教指導者の家に生まれ、祖父はイスラム団体ナフダトゥル・ウラマの創立者で、自身も同団体の議長を務めた。
注4)正義福祉党(PKS): 大学キャンパスでの宣教活動を基盤として生まれたイスラーム政党。1999年正義党として出発、2004年正義福祉党に改名
注5) 改革の星党(PBR): PPPの反主流派が他のイスラーム小政党と合流して2003年に発足
注6) ウラマー覚醒党(PKNU): プサントレン(イスラーム寄宿塾)のウラマー(イスラームの宗教指導者)が中心になって設立されたイスラーム政党
注7) サントリ: 敬虔なイスラーム教信者 都市部に多い
注8) 民族覚醒党(PKB): ナフダトゥール・ウラマ(NU)(伝統主義的イスラーム組織)を基盤とするイスラーム政党
注9) ブン・ハッタ: インドネシア初代の副大統領モハマド・ハッタ。民族主義者だったが敬虔なイスラーム教信者でもあった。

(翻訳者:山本肇)
(記事ID:po0807221hy)

原題:Parpol Islam Harus Segera Jajaki Koalisi




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