インドネシア語新聞翻訳
2008年1月22日(火)


政治、アフマディア問題の解決を阻む

【ジャカルタ】
 アフマディア(注1)問題は、イスラーム法学者の裁定や勧告が何度も出されているのに、なぜ一向に解決しないのか。それはイスラーム教徒フォーラムの擁護チーム長のムナルマン氏によれば政治的要素がからんでいるからだ。

 2005年に民間信仰監視チームが出した勧告が、大統領令の形で引き継がれていないことがそれを示す、とムナルマン氏は言う。政府は基本的人権に反するという批判を恐れ、アフマディアを解散させて法治を確立する努力を避けている。「ユドヨノ大統領とカラ副大統領は、基本的人権に反すると言われるのを最も恐れている。彼らは常に政治的イメージを最優先している」インドネシア法律擁護協会連盟の元理事長でもあるムナルマン氏は、1月21日(月)ジャカルタで行われた「アフマディアは本当に正しい教えに戻ったか?」というタイトルの討論会でこう述べた。

 政府は、基本的人権に抵触すると言われるのを心配する必要はない、とムナルマン氏は言う。なぜなら、基本的人権は、理論的にも、概念的にも、また実際面においても、制限があることを原則としているからだ。「したがって、際限なく自由な基本的人権はない」とムナルマン氏。この議論は、憲法を口実としてアフマディアの解散に反対する人たちに対しても使うことができる。なぜなら、憲法は政令によって自由を制限できることを示しているからだ。アフマディアに関して言えば、1965年スハルト大統領令第1号によって制限が行われている。

 イスラーム教徒フォーラムの事務局長モハマド・アル・カッタット氏は、アフマディアに遠慮をしないよう政府に注意を促している。理由は「われわれが調べたところでは、インドネシア・アフマディア教団(JAI)の役員による12項目の説明は、彼らが異端の教えであるという事実を変えていない」からである。シャリフ・ヒダヤトゥラー・国立イスラーム大学のハジ・ムハマド・リドゥワン・ルビス教授は、JAIの役員から12項目の説明を引き出した7度にわたった対話は、まだ終わっていないと考えている。宗教省の元研究開発センター長であった彼は、アフマディアをイスラームの本流に近づけるための対話の目的はまだ達成されていないと指摘している。

(中略)

 リドゥワン教授はまた、異端の流派が現れるのは、無知と作為と意思疎通の不足を背景としているとし、「これを克服する一番良い方法は、知恵を絞り対話の頻度を多くすることだ」と語った。

【osa/hri記者】



注1) アフマディア: 1889年インドのパンジャブ地方で生まれたイスラーム教の一派


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:po0801221hy)

原題:Soal Politik Hambat Penyelesaian Ahmadiyah
http://www.republika.co.id/Koran_detail.asp?id=320685&kat_id=3



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