インドネシア語新聞翻訳
2009年7月22日(水)
【レプブリカ紙】


日食の礼拝をイスラーム教徒に呼びかけ

【バンダ・アチェ】
 インドネシアのイスラーム教徒は、〔義務ではない〕宗教的行為である日食の礼拝を行うように呼びかけられた。本日(7月22日)アジア地域の人々は、今世紀最長の皆既日食を実際に見ることができる。水曜日(7月22日)に起こるこの皆既日食は、6分39秒間続くことが予測される。

 「インドネシア、特にバンダ・アチェ〔市〕やサバン〔市〕のイスラーム教徒に、我々は日食の礼拝を行うように呼びかけた」火曜日(7月21日)にバンダ・アチェ市で、アチェ・イスラーム寄宿塾ウラマ協会(略称HUDA)のトゥンク・ファイサル・アリ秘書役はそう述べた。バンダ・アチェ市やサバン市の他に、その自然現象は西スマトラ州やジャンビ州、インドネシア北部、つまりカリマンタン北部、マルク州北部、そしてパプア州やジャヤプラ市でも見ることが可能で、パプア州とジャヤプラ市の日食は中部インドネシア時間(訳注1)の11時12分に起こる。

 特にバンダ・アチェとサバンの市民が見ることができる日食(訳注2)は、西部インドンシア時間の7時15分に起こり、7時59分に最大となり、8時49分に終了すると予測される。ファイサル・アリ秘書役は次のように述べた。その自然現象はアッラーの神の力の一つであり、イスラーム教徒は2ラカアット(訳注3)の礼拝を行い、最後に宗教講話を聞くことが勧められる。

 「そのため、我々はイスラーム寄宿塾やモスクの管理者に、今朝日食の礼拝を行うように呼びかけた」と同秘書役は述べた。同秘書役によれば、日食はアッラーの神の力を証明する自然現象そのものだという。その自然現象は、世間での出来事と関係がない。

 バンダ・アチェとサバンの市民が見られる日食は、皆既日食ではなく、部分日食に過ぎない。「日食を見るには東の方向を眺めるのが最もよいが、目を傷めるので〔専用の〕用具なしに直接見ない方がよい」

 日食の礼拝は、預言者ムハンマドが勧める宗教的行為であった。ハディース(訳注4)の中でアブドゥッラー・イブヌ・アッバス(訳注5)が語り、イマム・アル・ブハリ(訳注6)もその事を伝えているように「ムハンマドの時代にも日食があり、ムハンマドも日食の礼拝を行っていた」という。

 その皆既日食は、中国の上海で最大6分間見ることができる。日食〔が見られる地域〕は5時間の間に中国西域から東域へ移り、太平洋で見られなくなる。

 月による半影部〔ピナンブラ〕が初めて地表に届く、グリニッジ標準時〔以下GMT〕23時58分つまり西部インドネシア時間〔以下WIB〕6時58分に日食は始まり、最後に地球の最外部に届くGMT5時12分、つまりWIB12時12分に終了する。

 インドのムンバイ市北部のカンバート湾で、東の空が赤く染まる夜明け時に日食は見え始める。後に日食の影は東の方向へ移動し、インド、ネパール、ミャンマー、バングラデシュ、ブータン、そして中国の地域を通過し、最終的に太平洋で姿を消す。
【ant/hri記者】


訳注
1) 中部インドネシア時間: インドネシア時間は、西部インドネシア時間(日本時間−2時間)、中部インドネシア時間(日本時間−1時間)、東部インドネシア時間(日本時間と同じ)に分かれている。中部インドネシア時間に属するのは、東・西ヌサトゥンガラ州や東・南カリマンタン州、スラウェシ島、バリ島など
2) ここでの日食は原文とは異なるが、部分日食と考えられる
3) ラカアット: 起立・立礼・叩頭を1セットとする礼拝の動作単位
4) ハディース: ムハンマドの言行録
5) アブドゥッラー・イブヌ・アッバス: ムハンマドの教友の一人
6) イマム・アル・ブハリ: 9世紀に活躍したハディース学者、イスラーム法学者。特にムハンマドの言行(スンナ)をまとめたハディース『真正集』(サヒーフ)が有名


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:ot0907221kk)

原題:Umat Islam Diimbau Shalat Gerhana
http://www.republika.co.id/koran/14/63903/Umat_Islam_Diimbau_Shalat_Gerhana



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