インドネシア語新聞翻訳
2011年1月8日(土)
【レプブリカ紙】


離婚件数が増えつつある

 インドネシアで離婚の件数が増えている。2009年の離婚件数は25万件を記録した。この数字は、20万件だった2008年と比較して増えている。宗教省イスラーム社会普及局のナサルディン・ウマール局長によると、この数字は2009年の婚姻数250万件の10%に相当する。「5〜10年前までの離婚件数は年に2〜5万件だったが、それ以降はずっと増え続けている」と1月7日(金)同局長は本紙に対して語った。

 政府は、年々増え続ける離婚件数を抑えるべく努力しており、その政府の試みの中には、これから結婚するカップルに対する婚前研修講座がある、と同局長は述べた。この講座は結婚する前に段階的に行なわれる。また、結婚は未成年者の結婚を避けることなどと定めている婚姻法の規則に従うべきだ。その目的は未熟な結婚による離婚を最小限にすることだ。

 円満な家族を維持する一番の秘訣は、家庭で宗教的な結びつきをしっかりさせることだ、と彼は付言した。有名人の離婚を華々しく報道するワイドショーなど、外部からの悪い影響を、宗教によって食い止めることができる。人々が円満な家族の重要性を自覚するにしたがって、将来離婚が減っていくことが期待される。

 ジャカルタのアス・シャフィ・イヤー・イスラーム大学のトゥティ・アラウィヤー学長も、増え続ける離婚件数に憂慮している。離婚は両親にとってだけでなく、子供にも犠牲を強いるなど問題を残す。そのため、最も重要なことは、結婚に至る過程をもっと入念に準備することだ。両親は家庭生活における責任の意味に関して指針を与えるべきだ。原則として、結婚は愛と思いやりと信頼に基づくべきだ。「結婚の神聖さを再認識するべきだ」と彼女は語った。

 最も重要なことは、家族が家族生活の中で宗教的価値観に重点を置くことだ、と同学長は語った。格差、嫉妬、周りの影響など離婚の原因となるさまざまな要因は、家族が宗教の教えに従うことで避けることができる。「そして、お互いに信仰をしっかりと持ち、互いに信用し、疑心暗鬼とならず、善き人たちと多く交わることだ。それにより離婚は避けることができる」と彼女は述べた。

 一方、アイシヤー(訳注1)中央指導部のマシトー・クスナン議長は、家族と家庭生活の価値に関してずれが生じてきているとの意見を述べている。以前は堅持されていた家庭の円満さの価値がますます落ちている。信仰の脆さが離婚に至る主要な原因のひとつとなっていると指摘されている。そのため、対応策は家庭環境における宗教的土台の強化だ。

 宗教的社会団体は、家族の価値に関して夫婦に、特に結婚前の若い男女に、自覚を促し啓蒙する上で積極的な役割を果たすことが期待されている、と同議長は述べた。

 家庭内暴力に関する法律についても正しく理解することが期待される。この法律は良い影響をもたらしているが、悪い結果になっていることも認められている。「しばしば妻がこの法律に基づいて些細な問題を持ち出しているが、本来なら自分たちで善処すべきことだ」と同議長は述べた。


訳注1) アイシヤー: 改革派イスラーム団体であるムハマディアの女性組織


(翻訳者:山本肇)
(記事ID:li1101081hy)

原題:Angka Perceraian Makin Tinggi
http://koran.republika.co.id/koran/14/126696/Angka_Perceraian_Makin_Tinggi


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