|
インドネシア語新聞翻訳 2010年5月17日（月） 【レプブリカ紙】 髄膜炎ワクチンは使用できる 【ジャカルタ】 インドネシア・ウラマ評議会（MUI）（訳注1）は、豚の成分を含んだ髄膜炎ワクチンを今年のメッカ巡礼団が引き続き使用することを許可する旨表明した。これは昨年同様、緊急措置であることに変わりない。「その理由はハラル（訳注2）な髄膜炎ワクチンが今年まだ生産されていないからだ」とMUIマールフ・アミン議長は16日（日）ジャカルタで語った。 保健大臣は、14日（金）にこの豚の成分を含む髄膜炎ワクチンの使用に関してファトワ（訳注3）を早急に出すようMUIに要請していた。保健省が2010年のメッカ巡礼団用のワクチンを準備するのに間に合わせるためだ。 一方、ハラルなワクチンを生産できると表明した企業のワクチンの提供が可能になるのは来年になってからだ。同議長はこのような事情のため、豚の成分を含むワクチンの緊急使用に関して新しいファトワを出す必要はないと語った。「［既に出しているファトワの］確認が必要なだけだ」 MUI は近々髄膜炎ワクチン問題に関するファトワの確認について記者会見を開くと同議長は語った。しかし、その会見がいつ開かれるかについては明言しなかった。彼は、ハラルでない髄膜炎ワクチンを使用することがメッカ巡礼の実施の妨げにならないことが望ましい、と考えている。 ワクチンの接種は、巡礼団を病気から護るために行う必要がある。ワクチンの問題でメッカ巡礼が中止になるようなことになってはならない。実のところ MUI は、インドネシアのメッカ巡礼団が今年はハラルなワクチンを接種できると期待していた、と同議長は述べた。なぜなら、イスラームではいつまでも緊急措置がなされるべきものではないからだ。 そのうえ、イスラームではそれぞれの病気に対してハラルな成分から作られた薬が常にあることを教えている。「この髄膜炎ワクチンについても、ハラルなものがないというわけではない。われわれはあると確信している。ただ、まだ見つかっていないか開発されていないかだ。緊急措置は短期間だけのものでなければならない」と彼は語った。 MUI はハラルなワクチンの製造が可能だと表明した企業の当該ワクチンの開発に、ハラル審査を行うよう［MUIの］食料・薬品・化粧品審査委員会に委嘱する、と同議長は付け加えた。 ハラル審査では、ワクチン製造の全工程にイスラームでのハラル性の原則に反していないかを確認するために行われることが重要だ。 「われわれは製造工程の入り口から出口まで真にハラルであるかを調査する。もしOKであれば、われわれはそのワクチンのハラル性のファトワを出す」と彼は述べた。 国民議会第8委員会のヨヨー・ユスロー副議長は、今年の巡礼団がハラルな髄膜炎ワクチンを手に入れることができるよう努力を続けると表明した。彼によると、国民議会は来る19日（水）にエンダン・ラハユ・スディアニングシー保健大臣を招聘するとのことだ。 同副議長によると、国民議会は政府がハラルなワクチンを提供できるよう努力をしているかを質す予定だ。それだけでなく、もし必要なら議会はハラルなワクチンを製造できると報じられている製薬会社も招聘する予定だ。「われわれは今年の巡礼団に対するハラルなワクチンがあることを願っている」と彼は述べた。 さらに同副議長は、手に入れている情報によると、インドネシアにハラルな髄膜炎ワクチンの生産能力を持っている製薬会社があると述べた。「われわれは説明が欲しい。生産ができる会社があるなら、なぜハラルなワクチン入手が難しいという印象を皆が持っているのか」 同副議長は、巡礼団はハラム（訳注4）なものを摂取しないよう護られる権利があり、そのため、政府は今年の巡礼団がハラルなワクチンを手にいれらるよう最善を尽くすべきだ、と述べた。彼はハラルなワクチンがあれば巡礼のお勤めを一層落ち着いた気持ちで果たすことができると確信している。 巡礼の飛行機 一方、国民議会第8委員会のアブドゥル・カディール・カルディン議長は、2010年のメッカ巡礼期のための航空会社の選考過程に入ると語った。計画では、国民議会は航空会社7社と会い、彼らにインドネシア巡礼団を運ぶ航空料金を提示するよう要請することになっている。 その7社とは、ガルーダ・インドネシア航空、ライオン・エアー〔インドネシア〕、サウディ・アラビア航空、カタール航空、エミレーツ航空〔UAE〕、エティハド航空〔UAE〕、そしてマレーシア航空だ。「われわれは、航空会社の選択が透明に行われ、巡礼団の利害を犠牲にしないことを願っている」とカルディン議長は述べた。 公平で透明な選考過程によって、全航空会社が均等な機会を持つことになると期待される。それによって、メッカ巡礼団はより質が高く、より安い航空サービスを得ることができる。これはメッカ巡礼の実行費用がより安価になることを意味する。以上のように同議長は語った。 訳注 1） インドネシア・ウラマ評議会(MUI): 宗教学者が様々な問題に対し、イスラーム法に基づいた見解を示す官製のイスラーム法学組織 2） ハラル： イスラーム法によって許容されている行為、摂取物 3） ファトワ： イスラーム法に基づく宗教学者の見解 4） ハラム： イスラーム法によって禁止されている行為、摂取物 （翻訳者:山本肇） （記事ID:li1005171hy） 原題：Vaksin Meningitis Bisa Digunakan http://koran.republika.co.id/koran/14/111220/Vaksin_Meningitis_Bisa_Digunakan ISEA インドネシア語新聞翻訳 TOPへ ISEA TOPへ |