インドネシア語新聞翻訳
2009年5月31日(日)
【メディア・インドネシア紙】


イスラーム・ファッションの世界的なイメージ

【スラバヤ】
 イスラーム・ファッションのデザイナーたちの様々な作品は、ローカルな文化だけでなく世界的な文化をもイメージすることに成功した。これが、ジャカルタのムリア・ホテルのボール・ルームで去る5月25-26日に開催された「イスラーム的ファッションショー(以下IFF)2009」の印象だ。

 IFFがジャカルタで開催されるのは3回目だ。インドネシアとマレーシアの2ヵ国だけの参加にもかかわらず、参加した全デザイナーたちが今回も登場して盛り上がりを見せた。

 IFFは7回開催された。2006年に初めてお目見えしたこのファッションの舞台は、ジャカルタ以外にマレーシアやドバイでも開催された。2009年のIFFで勢ぞろいしたイスラーム・ファッションのデザインは、いつもとはかけ離れた印象だった。2ヵ国のデザイナーたちが彼らの作品を自由に演出しているかのようだった。

 その中には、むしろ今まで固定的に考えられてきたイスラーム・ファッションのルールに、様々な文化をおりまぜた作品もあった。

 例えばローカル・デザイナーであるレニー・アグスティンは、原宿の歩行者の服装にインスピレーションを感じ、ソフトな色の絹、木綿、レースを使った首からさげる布製の装飾品を用いて、イスラーム・ファッションをデザインした。

 また隣国マレーシアのデザイナーであるクーン・フーイは、中世ヨーロッパの女性のスタイルに合致する、ウェストから下が膨らんだ形のナイト・ガウンを生み出した。

 イダ・ロヤニは東ヌサ・トゥンガラ州の民族の腰衣と大きなサイズのネックレスのコーディネートにインスピレーションを受けた。その全てが体を覆うだけのイスラーム・ファッションのジャンルを広げているかのようだった。

 2009年のIFFの舞台は、実際にはファッションを通じてイスラームを世界に紹介するのが目的だった。創立者であるダト・ラジャ・レッザ・シャー氏は、この舞台ではまだ流行を決めるはっきりした基準はないことを認めている。その目標の中で、特に世界のイスラーム・ファッションのメッカとして、IFFがファッション・トレンドを生み出すことが期待されている。世界のファッションの方向性を示すロンドン、パリ、そしてミラノのように。

 デザイナーのイタン・ユナズによれば、イスラーム・ファッションのメッカになることは、イスラーム・ファッションのルールを確立することも意味するという。「体型がなく、透けていないイスラーム・ファッションのルールに、ここでファッションショーをするデザイナーたちは従うべきだ」とIFFに初回から参加してきた同氏は述べた。

 今年のショーでは、昨年と同様、首の部分をぴったりとは覆わず、体の線を十分はっきりと出している作品もいくつかあった。しかし、インドネシア・ファッション・デザイナー協会(以下APPMI)のタルナ・クスマヤディ総裁は、デザイナーの中でルールを解釈する基準に相違があることは、本来ならば問題にはならないという見解を持っている。

 「信仰心にも基準の相違があるように、体を完全に覆っているものもあれば、体(ここでは首または髪の毛を指す)の一部が見えているものもある。重要なのは、どのようにニーズに合わせるかということだ」今年のIFFは、APPMI自身にとって初参加となっている。ここ数年はAPPMIのデザイナー数名が参加してきたが、組織としての参加は初めてだ。「これを契機にマレーシアへさらに市場が拡大されていくことを、我々は期待している。そこからもっとスムーズに、中東へ市場が拡大されていくチャンスもある」と同総裁は付け加えた。

 参加したインドネシアのデザイナーの中には、セバスティアン・グナワン、ゲア・パンガベアン、イタン・ユナズ、ハニー・ハナント、ジェニー・チャーヤワティ、メリー・プラモノ、イダ・ロヤニ、フェニー・ムスタファ、そしてレニー・アグスティンがいた。一方マレーシアのデザイナーの中には、ダト・トム・アバン・サウフィ、メリンダ・ルーイ、クーン・ロイ、カダニ、そしてジャルマスなどの著名なデザイナーの名前もあった。


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:li0905313kk)

原題:Citra Global Busana Muslim
http://anax1a.pressmart.net/mediaindonesia/MI/MI/2009/05/31/ArticleHtmls/31_05_2009_013_004.shtml?Mode=0



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