インドネシア語新聞翻訳
2009年5月23日(土)
【レプブリカ紙】


イスラーム宗教学者、フェイスブックでの噂話を禁止

【スラバヤ】
 インドネシア社会の人々の間に起こっているフェイスブック(ソーシャル・ネットワーク・サイト)のブームは、東ジャワ州のイスラーム宗教学者の間で注目を集めている。その州のイスラーム宗教学者700名の間では、全世界でブームとなっているそのソーシャル・ネットワーク・サイトの利用の法律が議論の対象になっている。

 イスラーム宗教学者の間では、イスラーム信者が、仕事上の人間関係や利害関係を結ぶためにフェイスブックを利用することが許可され、最終的な合意がなされた。しかし、東ジャワ州のイスラーム宗教学者たちは、噂話や不貞のためにフェイスブックを利用することをハラム(訳注1)とし、禁止した。

 「噂や嘘を広めるために利用するなら、フェイスブックはハラムとされ、禁止されるとイスラーム宗教学者たちは決定した」金曜日(5月22日)に東ジャワ州のリルボヨ・イスラーム寄宿塾スポークスマンの、ナビル・ハロエン氏はこう述べた。このことはAP通信も掲載している。また「卑猥な行為」が起こることを招きかねないプライベートな質問等も禁止される。

 その問題は全東ジャワ州のイスラーム宗教学者により検討され、その後にその決定がなされた。その会合で、イスラーム宗教学者たちは、ベールで包み隠された性交渉に利用されることが多いフェイスブックや他のサイトについての訴えや不満を聞いた後に、ウェブページをブラウジング(拾い読み)する指示や規定を作ることを決定した。

 「インドネシアのイスラームの要人やイスラーム指導者は、ネット上のソーシャル・ネットワークにおけるファトワ(訳注2)または制限規定があった方がよいと考えている。公開されたコミュニティは、イスラームの教義においてハラムとされている色情や欲求を招きかねないと、彼らは見なしている」と同氏は述べた。

 フェイスブック利用者が急速に増えることで、卑猥な会話の機会がさらにオープンになり、またフェイスブックに参加することでインドネシアの不貞がさらに悪化することが、イスラーム宗教学者の間で懸念されている。インドネシアのフェイスブック・ネットワーク・サイトの利用者は急増している。アメリカ合衆国カリフォルニア州パロ・アルトに本部があるフェイスブック・オペレーション・センター独立組織の内部データによれば、インドネシア住民2億3千500万人のうち81万3千人がフェイスブック利用者だという。

 しかし、フェイスブックへの参加はグルーバル時代の新しいコミュニケーションの形のひとつであることも、イスラーム宗教学者たちは認めている。残念なことに、フェイスブック運営者側はそのインドネシアのイスラーム宗教学者たちの決定について、まだコメントはできない。フェイスブックのスポークスマンであるデッビー・フロスト氏は、前回の発言では、利用者たちのコミュニケーションや連絡を容易にするためにそのサイトは存在すると述べている。

 「我々はかなり多くの人々や組織が、前向きにフェイスブックを利用するのを見てきた」と同氏は述べた。東ジャワ州のイスラーム寄宿塾を管理するイスラーム宗教学者が出した拘束力のないファトワは、全世界の国際メディアから広い注目を集めている。米国の著名な新聞も、負けじとそのファトワについて報じている。


訳注
1) ハラム: イスラーム法によって禁止されている行為、摂取物
2) ファトワ: イスラーム法に基づく宗教学者の見解


(翻訳者:川名桂子)
(記事ID:li0905231kk)

原題:Ulama Larang Bergosip di Facebook
http://www.republika.co.id/koran/14/51886/Ulama_Larang_Bergosip_di_I_Facebook_I



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